フリーランス歯科衛生士のリアルな年収や時給を書きます|アンケートあり

「フリーランス歯科衛生士の年収や時給ってどれくらいなんだろう?」
「正社員で働くより稼げるの?」

歯科医院で長く勤務していると、なかなか昇給せず収入が少なく感じることがありますよね。私も今までに歯科医院、大学病院と勤務してきましたが、いつも収入面に対し不満がありました。では歯科医院の常勤勤務でなく、フリーランスとして働いたら、収入は増えるのでしょうか?

結論から言うと、フリーランスとして活動することで収入を増やすことは可能です!実際に、私は育児休業中にフリーランスとしての活動を始め半年が経ちますが、子育ての隙間時間を使って、育休手当以外に月10万円以上の副収入を得ています。

この記事では、歯科衛生士の収入について、インターネットで調査した結果を紹介します。特に、フリーランス歯科衛生士の収入についてはなかなか確実な情報が得られなかったため、実際にフリーランスとして活動している歯科衛生士さんに独自でアンケートを実施しました!

調査した情報を分析した結果、どのようにすれば歯科衛生士として収入が上がるのか具体的な方法が見えてきたので共有しますね。収入アップを狙っている方はぜひ参考にしてみてください!

平野有沙
D.HIT編集部 平野有沙
新卒から歯科医院や大学病院での勤務を経験。出産をきっかけに「子供と一緒に居られる、限りある時間を大切にしたい」と思い、フリーランスへ転身。現在は、歯科医院向け記事の執筆、SNS運用、資料作成、採用支援など在宅ワークを中心に活動中。

歯科衛生士の平均収入

そもそも、全国の歯科衛生士の平均的な収入ってどれくらいだと思いますか?

私が新卒で働き始めた13年前から、歯科衛生士の給料の相場は少しずつ変わってきました。日本の平均時給の上昇に伴って歯科衛生士の時給も上がっていますし、歯科衛生士の求人倍率はどんどん上がっているため、歯科医院側も人材を確保するために、より良い条件を提示するようになってきています。

長年歯科衛生士として勤務してきた私の予想としては、年収の相場は大体400万円以上かなというイメージですが…実際はどうなのでしょうか。

2024年12月時点での歯科衛生士の収入についての情報を調べてみました。

歯科衛生士の年収はいくらくらい?

公益社団法人日本歯科衛生士会が実施する歯科衛生士の勤務実態調査は、5年ごとに実施されています。令和2年に発表された最新の歯科衛生士の勤務実態調査 報告書によると、「常勤」で働いている人の年収は「300万円以上400万円未満」が全体の 35.3%を占め、最多でした。

「常勤」の年収 人数の割合(計4,422名)
130万円未満 0.7%
130万円以上300万円未満 31.3%
300万円以上400万円未満 35.3%
400万円以上500万円未満 16.6%
500万円以上600万円未満 6.5%
600万円以上700万円未満 3.6%
700万円以上800万円未満 2.2%
800万円以上900万円未満 0.9%
900万以上1000万円未満 0.1%

私の主観ですが、年収400万円未満が最多というのは、自分の正社員時代や同期など周囲の人の年収と比べ少し低く感じます。他にも、参考になりそうな情報がないか調べてみました。

厚生労働省による職業情報提供サイト(日本版O-NET)job tagでは、歯科衛生士の都道府県別での平均年収が公表されていました。ここでは全国の平均年収は404.3万円ですが、都道府県別だと最安では福島県の270.7万、最高では岐阜県の667.6万となっており、県によってかなり差がある結果となっています。今まで関東圏内で勤務してきた私からすると、最安は低すぎるし最高は高すぎると感じ、どちらも信じられないような金額です。

求人ボックス 給料ナビでは、歯科衛生士の全国平均年収が379万円東京都では414万円となっており、私としてはこちらのほうが感覚的にしっくりきました。ちなみにこのサイトでは、福島県の平均年収は312万円、岐阜県は363万円となっていました。

サイトによって様々でしたが、総括するとやはり歯科衛生士の平均的な年収は400万円弱ということになりそうですね。私は400万以上かなと予想していましたが、勤めていたのが首都圏だったので平均より高めだったようです。

時給の相場はいくらくらい?

では、歯科衛生士の収入は時給で見るとどれくらいになるのでしょうか?

先ほどと同じ歯科衛生士の勤務実態調査 報告書によると、「常勤」「非常勤」ともに「1,100円以上1,300円未満」が全体の27%で最多でした。

「常勤」の時給 人数の割合(計88名)
900円以上1,100円未満 12.5%
1,100円以上1,300円未満 27.3%
1,300円以上1,500円未満 19.3%
1,500円以上1,700円未満 18.2%
1,700円以上1,900円未満 9.1%

この調査結果は、正直かなり低く感じます。私も過去にアルバイトとして千葉県や東京都の歯科医院で働いたことがありますが、特に価格交渉などはせず歯科医院側からの言い値の時給で1,400〜2,100円が相場でしたし、ここ1〜2年では時給1,700〜2,000円が当たり前という感覚でした。(私の歯科衛生士としての経験年数が増えてきたことや、ここ数年で東京都の平均時給が上がってきたこと等)

しかし以前、北海道にお住まいの歯科衛生士さんと時給についてお話したところ「北海道は1,010円〜高くて1,500円。1,500円のところはほぼない」とのことだったので、年収と同じように地域や歯科医院によってかなり差がありそうです。

求人ボックス 給料ナビでは、全国の平均時給は1,375円、派遣の場合の平均時給は1,450円となっていました。

以上の結果から、歯科衛生士の平均的な時給は1,300円前後ということになりそうです。でも地域によってかなり差があるので、気になる方は都道府県別で詳しく見てみてくださいね。

フリーランス歯科衛生士の収入

フリーランス歯科衛生士といってもいろいろな働き方があり、働き方ごとに収入も大きく変わってきます。

フリーランス歯科衛生士ができる仕事については、こちらの記事で詳しく解説しています。↓

リアルな働き方から学ぶ!フリーランス歯科衛生士ができる仕事6選
フリーランス歯科衛生士って、結局どんな仕事で生活しているの?ーそんな疑問をもつ方に、今回はキャリトレ受講生や卒業生が実際にしている仕事内容について詳しく紹介していきます。

D.HITで発行しているこちらの書籍では、歯科衛生士のいろいろな働き方について詳しく紹介しています。↓

歯科衛生士の働き方図鑑の内容を参考にしながら、働き方ごとの収入を見ていきましょう!

臨床の相場 

歯科衛生士の働き方図鑑によると、臨床で歯科衛生士業務を行っている場合の相場は、時給3,000円〜5,000円・日給2.5万〜5万となっています。

一言で臨床と言っても、人手不足の歯科医院で勤務する助っ人、自分の持っている専門的な知識を使ってオペのアシスタント、訪問歯科を専門で行うなど業務内容はさまざまです。

私の友人には、複数の歯科医院と契約し、月50万稼いでいる人もいます。その人はスケーリングなどの一般的な歯科衛生士業務で、それだけ稼いでいるそうです。常勤歯科衛生士の月給は平均26万円と言われていますから、月に倍近く稼いでいることになりますね。

同じ仕事内容でも、需要のあるところで自分の価値を高めていくことで、これだけ収入に差が出るのです。今までのスキルや経験を活かして、自分のお給料を自分で決められるのはフリーランスの醍醐味ですね!

コンサルの相場 

コンサルで歯科医院と契約している場合の相場は月額5〜20万となっています。

かなり金額に開きがありますが、月に何回歯科医院に介入するかで金額が大きく変わってきているようです。週1のペースで介入している方もいれば、月1で介入している方もいます。自分の予定次第で、金額や介入頻度を自由に決めることができます。

コンサルの内容としては、専門分野の事業立ち上げや導入(ホワイトニング導入、か強診の申請、訪問歯科導入など)、医院の課題解決のためのアドバイザー(スタッフ教育、物販、リコール率・キャンセル率見直しなど)、と多岐にわたります。

私は最初に金額を聞いたとき「1日だけでそんなにもらえるの?!」と驚いてしまいましたが、詳しく話を聞いてみるとヒアリングや資料作成など、介入日当日以外にもそれなりの時間がかかるので、その分の働きも含まれている金額なのだと納得しました。

セミナーの相場

セミナーの相場は1日あたり1〜20万となっています。

フリーランス歯科衛生士というと、セミナーを行っているイメージが強いかもしれません。セミナーによって、時間の短いものから1日がかりのものまであるので金額もさまざまです。

自身の今までの経験から、長けている専門の知識についてセミナーをします。自費コンサル、保険点数についてなど知識系のセミナーから、SRPなどのスキルアップ系のハンズオンセミナーまで色々な種類があります。皆さんも今までに一度はこういったセミナーを受講したことがあるのではないでしょうか?

イベントの講演やセミナーに登壇することで、歯科業界で自分の知名度を上げることができ、新たな仕事にも繋がりやすいです。

ブログ執筆・SNS運用・採用支援などの相場

歯科衛生士の働き方図鑑に加え、私の周囲で実際に活動している方の話を参考にすると、歯科医院のブログ、SNS、採用媒体などの運用の相場は1医院あたり月5〜10万となっています。

忙しい院長やスタッフに代わってスタッフブログ代行、SNSの運用代行、採用媒体の運用代行などを行います。私も歯科医院と契約してブログ執筆代行の仕事をやっていますが、週1投稿で報酬は月55,000円です。月の収入とするとそこまで高くないですが、複数の歯科医院と契約することで、正社員以上の収入を得ることも可能です。

ブログ運用、SNS運用、採用媒体運用はほとんどの歯科医院が行っている業務なので需要が高いです。また在宅でできる仕事なので、本業の臨床と組み合わせて行ったり、臨床で働きにくい子育て中の方も行うことができます。

今まで歯科衛生士として歯科医院で勤務してきた経験があれば、秀でた歯科衛生士スキルや技術がなくても大丈夫です。特に、文章を書くことや、画像作成が得意だったり好きな方は、取り組みやすい仕事だと思います。

年収にすると300〜499万円が相場

フリーランス歯科衛生士のことはまだまだインターネット上にも情報が少ないので、信ぴょう性の高い具体的な数字は出てきません。そこで、D.HITの公式Instagramで、フリーランス歯科衛生士の年収についてアンケートを取ってみました。

フリーランスの年収 人数の割合(計230名)
299万円以下 31%
300〜499万円 37%
500〜699万円 17%
700万円以上 16%

今回のアンケートでは、合計230名のフリーランス歯科衛生士の方が回答してくださいました。アンケートの結果、「300〜499万円」が37%で最多となっており、歯科衛生士会 勤務実態調査の「常勤」年収の結果と大きく変わりはありませんでした。

しかし、注目してほしいのは、収入が多い人の割合!

勤務実態調査の「常勤」の年収では700万以上が全体の3.2%とかなり少数派だったのに対し、今回のアンケートでは700万以上が全体の16%という結果になりました。

確かに年収700万以上となると、歯科医院の常勤歯科衛生士ではなかなか得ることができない年収です。でも、フリーランスだと16%の人がそれを達成しているんです。年収の天井がないフリーランスのほうが、やればやった分だけ収入になるので、自分次第で上限なく稼ぐことが可能!ということですね。

歯科衛生士が収入を上げるには?

歯科衛生士の収入を上げるには、自分の強みを知ることが大事です。

今まで歯科医院で勤務してきた中で、「自費の導入率が高い」「専門性のある知識がある」など、自分の得意なことを洗い出してみましょう。臨床以外でもいいです。ブログ・SNSが得意、事務作業が得意など、歯科に掛け合わせることができるものはないか考えてみましょう。

強みや得意がわからない方は、たくさんやっても苦なくできること、人より早くできること、他の人は嫌がるけど自分は全然嫌じゃないこと、などを考えてみてくださいね。また、同僚や友人、家族に聞いてみるのも良いと思います。自分では気付いていなくても、他の方からみると強みである場合もあります。

自分の得意なことに力を入れて取り組むことで、給料アップや新たな仕事に繋げることができます!

勤務先で給料交渉する

歯科医院で働いている歯科衛生士さん。今まで、院長に給料交渉をしたことってありますか?「うちの歯科医院がそんなことやってくれるわけない…」と諦める前に、まずはダメ元でも行動してみることが大事です!

自分の強みがわかったら、それを活かして医院のなかで自分にできることを考えてみましょう。

  • 自費のインセンティブをつけてもらう
  • 医院のブログ・SNSを担当する代わりに給料を上げてもらう

など、給料交渉してみましょう。歯科医院側からしても、勤務している歯科衛生士が今まで以上に売り上げや保険点数を稼いでくれるのであれば、そこまで難しい話ではないはずです。

D.HITのキャリココでは、フリーランスだけでなく、今まで勤務していた歯科医院内でキャリアアップして大きく収入を上げたという例もあります。個人で交渉していくのが不安であれば、キャリココを活用してコーチのサポートを受けながら進めていくのもおすすめですよ♪

歯科衛生士のためのキャリアトレーニング「キャリココ」

フリーランスとして活動する

年収のアンケートでもわかった通り、やはりフリーランスのほうが、

  • 自分で単価を決められる
  • 自分のスケジュール次第で複数の医院と契約できる
  • 給料に天井がない

という点で、やればやるだけ稼ぐことができるので、大きく年収を上げられる可能性が高いです。フリーランスとして働く場合も、自分の強みを活かした商品を売り出すことで高単価で稼ぐことができます。

中には、歯科医院で働きながら副業でフリーランスとして活動している人もいます。フリーランス1本でやっていくのが不安な人や、収入が安定しない初めのうちは、副業という形で収入を増やしていくのもいいと思います。

歯科衛生士でフリーランスに興味がある人は、D.HITで情報を集めてみましょう。

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まとめ

歯科医院で常勤勤務している場合でも、フリーランスでも、給料交渉や案件獲得などの行動を実際にした人が、収入アップを実現しています。

今の医院で収入アップを目指すもよし、フリーランスになるもよし、歯科医院とフリーランス業を掛け持ちするもよし。歯科衛生士の収入を上げる方法はたくさんあります!

今の歯科医院での給料が少なく感じ、愚痴をこぼしたくなる時もあるかもしれません。ただ、文句をいうだけでは収入は増えません!収入を上げるための行動を一歩踏み出してみましょう!

平野有沙
D.HIT編集部 平野有沙
新卒から歯科医院や大学病院での勤務を経験。出産をきっかけに「子供と一緒に居られる、限りある時間を大切にしたい」と思い、フリーランスへ転身。現在は、歯科医院向け記事の執筆、SNS運用、資料作成、採用支援など在宅ワークを中心に活動中。