結婚・出産・産休育休などのライフステージの変化で仕事を離れる期間があったけど、歯科衛生士の国家資格を活かしてまた働きたい!と思っても、
「家庭と仕事を両立できるのかな…」
「ブランクが長く、知識やスキルが現場で通用するのかな…」
など不安があり、復職するのに踏み切れないという方も多いのではないのでしょうか。私も、一時は歯科と関係ないお仕事をしていたこと、結婚妊娠出産があったことで長いブランクがあったのですが、その後歯科衛生士に復職した経験があります。私の経験を元に、ブランクに対する不安の解消方法や、スムーズに復職できる方法をお話ししていきます!
- 自分の状況とスキルを把握
- 知識のアップデート
- 自分に合った職場探し
この3つのポイントをおさえて、不安なく復職を目指しましょう!
復職後の状況とスキルを確認
復職する時の自分の状況をしっかり把握しておくことで、実際に働き出したときのイメージを明確にしましょう。このイメージができることが、とても大事です。イメージできると、復職に対しての行動が実行に移しやすくなります。
「子どもの保育園のお迎えの時間があるので働けるのは16時まで」「土曜日は子どもの学校が休みなので、平日しか働けない」などの自分の現状を確認し、また今までの自分の経験やスキルをしっかり把握することで、自分は何をすることでクリニックに貢献できるのか、というのが見えてきます。そうすれば、働くイメージがついてくるのではないでしょうか。
自分のライフスタイルを振り返ってみる
まずは自分と家族の1日や、1週間のスケジュールを書き出してみましょう!そうすることで、どの程度働ける日数や時間があるのか知ることができます。
お子さんがいる場合であれば・・・
- どこの保育園に、何時まで預けることができるのか?
- 自宅〜保育園〜職場の距離、かかる時間、交通手段は?
- 何時まで働くことができるか?
- ご家族の協力がある場合は、誰が、いつ協力してくれるのか?
ここがはっきりすると、働ける曜日、働ける時間、得られる収入も見えてきそうですね。
例えば私の場合だと復職当時の状況はこうでした。
- 幼稚園児の子どもが2人、通園中の幼稚園は土曜日は開いていない
- 転勤族で周りに頼れる人はいない
- 自宅から幼稚園はバス通園だと、9:00に出発、15:00に帰宅(送迎必要なし)
- 幼稚園の通常保育終了後は17:20まで有料で預かり保育あり(ただしお迎え必要)
- 自宅から幼稚園は車で10分、しかし、朝の通勤時間帯は渋滞が考えられる道路を通過する必要あり
- 火曜日は15:30から子供の習い事があるため午後勤務は不可能
- 主人は帰宅が遅く、電車通勤のため送迎は難しい
- 主人は土日休みのため、土日は働くことができるが、休みの日は家族ですごしたい
- 可能な範囲でできるだけ収入は多くほしい
- 週に1日は平日休みが欲しい
こんな感じで、自分の現状や希望をできるだけ具体的に書き出します。
この状況を把握した上で、私の復職後の働き方のイメージはこのように仮定しました。
- 平日週4勤務(土日除く)
- 土日は頼まれた場合、たまにであれば出勤可能
- 1日勤務の日は預かり保育を利用する
- 仕事の日の幼稚園は車で送迎
- 休みの日と、習い事のある火曜日は通園バスを利用
- 1日の働ける時間は月水木金9:00-16:30、火9:30-の午前診療のみ(家から職場までは車で10分ほどがベスト、できれば昼休みは家に帰りたい)
- 大体週20時間の勤務を満たせて雇用保険加入できるので、今後の転勤時の失業保険も取得可能
- 時給1500円(仮)×20時間×4週間=月給約12万円、手取り約10万円ぐらいは見込める
このように、まず自分と家族の生活スタイルと、できること、できないことを書き出すことで、復職したときの生活を具体的にイメージしましょう。
スキルの棚卸し
今までどんな経験があり、どんなスキルがあるのかを書き出してみましょう。書き出すことで自分が得意とする分野やスキルを再認識でき、逆に不足している部分や伸ばしたいスキルも明らかになります。これができれば、復職後のキャリア目標を明確にし、それに向けた具体的な計画を立てるための土台になります。
- 歯周病治療のメインテナンスの経験がある
- 訪問診療の経験がある
- 自費のカウンセリングの経験がある
- 矯正歯科の経験がある
- 新人教育をしたことがある
一例ですがこのように書き出してみると、意外にできることってたくさん出てきます!自分が経験したことのある分野の診療を行なっている歯科医院であれば、即戦力になることができます。すぐにクリニックに貢献することができるので、クリニック側からしても教育が必要ないのはとても助かります。ブランクがあったとしても、時給を高めに設定してもらうことができるかもしれません。
歯科衛生士としての知識のアップデート
過去に経験があっても、久しぶりに患者様を対応するとなると不安だったりしますよね。「補綴作成は技工士さんじゃなくて、機械で型取りをして機械で削り出す時代?!」…など、ブランクがあるといざ仕事復帰したときに浦島太郎状態に…なんてこともあるかもしれません。年下の歯科衛生士のほうが知識があるといったことも少なくないでしょう。
復帰前に少しでも手技の感覚を取り戻したり、新しい知識を事前に入れておくと、安心して復帰できると思います。たとえば復職を応援するサービスを受けたり、復職後に現場で実践できる講座を受講して技術や知識のアップデートをしておくと安心ですね。
最新のセミナーや勉強会に参加する
歯科医療は進化が早いので、セミナーや勉強会(例:ホワイトニングや予防歯科の新技術)に参加し学ぶことで、知識を深めることができます。最近ではオンラインの講座やセミナーなどもSNSなどでよく見かけるので、チェックしてみましょう。
とはいえ、この最新の歯科の情報は、現場のドクターやスタッフが1番よく知っていますので、リアルな現場で聞いて学ぶのが一番手っとり早く、確実です。働く前から完璧に知識を入れておかなくても、働くクリニックで取り扱っているものがわかっていれば、それで十分だとは思います。
復職支援を利用する
地域の歯科医師会や歯科衛生士会で、復職を支援する講座や研修を開催しているので、調べて参加しみることも良いと思います。私はハローワークで求職活動をしていたときにチラシをもらったことがあるので、ハローワークに問い合わせしてみるのもアリかもしれません!オンライン研修も実施されているので、育休中の方でも自宅で取り組むことができます。実際にある復職支援をピックアップしてみましたので参考にしてみてください!
- 都道府県ごとにある日本医師会復職支援事業(日本歯科医師会復職支援)
- 大学が運営している研修センター(歯科衛生士の復職支援・離職防止技術修練研修センター)
- 歯科業界初の歯科衛生士復職支援事業(デントレ)
こういった講座を受講することは、実際に働くときの手技の確認が目的ではありますが、同じように復職に不安を持っている人と出会える機会にもなります。集団で講座など行っている場合は何度か顔を合わせることもあるので、お話する機会は多くなりそうです。
実際に私も、復職について調べるために子どもを抱えてハローワークへ行ったとき、同じようにお子さんを抱えて復職相談をされている方に出会いました。お互い子どもがいたので自然にお話ができて、復職に対しての不安や悩み、今後どうやって働こうかなど話をすることができました。住んでいる場所も近かったので、支援センターでまた会って親子で仲良くしてもらい、いろんな情報交換をしたりしました。一人で不安な気持ちを抱えてモヤモヤしていた私にとっては、すごくありがたかったです。横のつながりを増やす上でも、コミュニティには積極的に参加していきましょう♩
自分に合った職場探し
ブランクがあり復職する場合、以前とは環境や生活スタイルも変わっていることが多いと思います。改めて現状で歯科衛生士として働くことを考えたときに、どのような職場で働くことが自分にとってベストかを考えてお仕事探しをしましょう。
勤務時間、勤務形態
復職後の状況を考えたときに、可能な出勤時間・退勤時間が見えたと思います。その上で、パートか?正社員か?を考えていきましょう。残業がなかったり時間の融通が利いたりするのはパートですが、時短社員相談できる場合もありますし、コロナ渦後はそもそも閉院時間が早い医院も増えているので、そういうところに絞って求人を探すという手もあります。
勤務時間は、しっかりイメージしていても、実際に働いてみるとちょっと違った…ということもあります。そんな時は、ダメ元でも院長に相談してみることが大事です。前例がなくても相談してみたら今までの実績や勤務態度などを考慮して意外にあっさりOKしてくれる可能性もあります。私も、実際に復職してみると朝幼稚園まで送ってから出勤するのが意外と大変で、バス登園に切り替えたいと思い、出勤時間を少し遅らせてもらえないか相談してみたことがあります。すると院長は「いつも頑張ってくれているし全然いいよ」と言ってくださいました。バスの時間に合わせて15分だけ出勤を遅らせてもらうことで、幼稚園まで送る時間が削られたので、家を出る時間がなんと1時間遅くなり、かなり余裕が生まれました!
できるかできないかはわからないですが、院長に相談してみることで自分のライフスタイルに合わせた働く時間の調整が可能になるかもしれませんよ。
同じママさんパートだった後輩も、院長に社員になりたいことを相談してみたら、前例もなかったですがフルタイムパートから時短社員にしてもらえていました。なんでも最初から諦めずに相談してみる、というのは大事ですね。
休みのとりやすさ
休みのとりやすさについては、プライベートや家庭を大事にする上で一番重要と言っても過言ではありませんよね。お子さんがいる場合は急な体調不良なども考えられるので、このあたりの理解がある職場を選ぶことは必須でしょう。私の経験上、有休消化の実績が多くあったり、ママさんスタッフが多いクリニックは、比較的理解のあるところが多いと思います。
研修制度がある
復職後に研修制度があると安心ですよね。私が復職したクリニックでも、ブランクから復帰して活躍されている歯科衛生士さんがいて、気持ちを理解してくださり基礎的なことからゆっくり教えてくださいました。マニュアルが完備されているところだと覚えていくのも早いので、見学に行った際にはマニュアルがあるかどうか確認してみるのも、いい職場に巡り会えるポイントです!
歯科医院のSNSをチェックする
求人を見てもイメージがつかないときは、クリニックのSNSをチェックしてみましょう。クリニックのInstagramなどのSNSを見ると、実際の院内の雰囲気や実情もイメージがつきやすいです。ホームページや求人票にはない情報を得られることも多いです。「スタッフの笑顔が多くて楽しそう!」「院長が優しそう!」「産休とっている人が実際にいるんだ!休みが取りやすいのかも?」などイメージすることができてとても参考になりますよ!
子どもを預けられる環境を整える
保育園などの預け先や家族など、頼れる場所があるかどうかの確認をする必要があります。保育園も事前に預けられる枠があるのか問い合わせて確認しておく必要があります。仕事は決まっても、復職までに保育園の入園ができず、すぐに働けなかったというお話しもよく聞きます。
自治体にもよるかもしれませんが、無職の人は産休育休中の人より、保育園に入るための点数が低くなるんですよね。私も無職だったので、復職したくてもすぐに預けることができませんでした。予定通りに入職できないとなると、医院側にも迷惑をかけてしまうことにもなります。復職をすることを決めたら、いつから働くことができるのかを把握するために、早めに確認しておきましょう。
私の復職までの道のりと、現在
少し私の話をしますね。私は転勤族で、何度も転勤を繰り返してきました。妊娠と転勤が重なり、ずっと働いていたにも関わらず産休育休をとった経験がなく…(泣)出産後も保育園には預ければ働ける!と考えていましたが、復職するときはいつも無職で、保育園もなかなか決まらない!!現実は甘くなかったです…(泣)
知り合いも全くいない知らない土地での就活で、子を抱えながら面接に行ったこともありました。専業主婦になろうかと思ったこともありましたが、収入面で余裕を持ちたいし、なにより私は働くのが好きなんです。どこにいてもすぐに雇ってもらえる歯科衛生士をまたやろう!と復職をしましたが、ブランクがあるため即戦力にはならず、怒られてばかりの毎日でした。経験はあっても、転勤で同じ職場で長く勤められなかったので、時給は毎回最低時給からのスタート。復職前にもっと早く準備していたらよかったと後悔しました。さらに、保育園からのお迎えコールが頻繁にあり、クリニックに頭を下げる日々。収入も思ったようには増えず、私は保育園に預けるお金を稼ぐために働いているのか?そんな毎日に疲弊し、せっかく復職をしたのに結局退職してしまった過去があります。
その後、転勤してもキャリアを積んでいける仕事がしたい!と思い、在宅ワークのお仕事をはじめました。しかし、稼ぐためには時間を切り売りしないといけないことには変わりなく、未経験の業界で時給も上がる未来が見えず、悩みました。
「在宅で仕事ができる環境はいいけどもっと収入をあげたい‥」
そう考えたときに、D.HITのキャリココに出会いました。今までやってきた歯科衛生士の知識や技術をそのまま活かして在宅ワークが叶えられて、収入も上げられる!?まさに私にぴったり!と思って、無料相談を受けることに。そこから私は、フリーランスの歯科衛生士として活動しています!私がフリーランス歯科衛生士になるまでの道のりについて、こちらの記事にも詳しく書いてありますのでよければご覧くださいね♪

ブランクがあり復職したいけど不安を感じている方はまず、自分の状況を振り返ってどんな働き方ができるのか、どんな働き方をしたいのかを考えてみてください。そのイメージができたら、具体的な行動に一歩踏み出せるでしょう。
私はキャリココで同じ歯科衛生士さんが相談に乗ってくださり、自分のやりたいことのふわっとしたイメージを伝えると、それを言語化してくれたので、はっきりと自分が働くときのイメージが湧き、一歩踏み出すことができました!一人で考えてモヤモヤしてどうしたらいいかわからない時は、相談してみてください。復職までの道筋がはっきり見えてくるかもしれません♩