あなたは自分の独自性でいくら稼いでいますか?

「歯科衛生士として、あなたの強みは何ですか?」

この質問に、自信をもって明確に回答できる歯科衛生士の方はどれだけいるでしょうか?

私は日々、多くの歯科衛生士の方々とお会いする機会がありますが、必ずこの質問をするようにしています。そして「その強みでいくら稼いでいますか?」と続けます。この質問に答えられる歯科衛生士は、1%未満だと思います。

この質問をすると「医療はお金ではない!」というお叱りをいただくことがよくあります。もちろん、私もその通りだと思います。

もう少し丁寧な言い方をすると、「あなたは自分の強みを生かして、クリニック経営にどれだけ貢献していますか?」というのがこの質問の意図です。

私はこれからの時代、歯科衛生士もクリニック経営に参加すべきだと考えています。

歯科クリニックの平均人数は4.7人。大型のクリニックでも1クリニックあたり20~30名くらいだと思います。これは、一般的な組織でいうといわゆる「零細」にあたる規模です。一般的な企業のように、経営陣の下に営業部や人事部といった部署があるわけではなく、小さな組織では一人何役かを兼任して、全員参加・全員経営を行っているところがほとんどです。

しかし、歯科医院経営はいつの時代も院長である歯科医師が一人で経営を切り盛りし、トップダウンで物事が進められていることが多いようです。

働き方の多様性は歯科衛生士自身でつくるもの

歯科衛生士のほとんどが女性であり、ライフステージによって働き方が変わってゆきます。今はどの業界でも自由な働き方や多様性が求められる時代ですが、それは各々の独自性を活かした働き方で、組織や顧客(患者)に貢献できるからこそ成り立つ仕組みではないでしょうか。

歯科衛生士は、診療補助、予防処置、保健指導が主な業務です。しかし、その基礎的な業務に加えて、これからは自分の独自性を活かして、歯科クリニックの経営に貢献できるスキルを身に着けることによって、ドクターからも患者様からも信頼され、多様な働き方も実現できる業界になるのではないかと思っております。

シン・歯科衛生士論3.0