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【D.HIT×介護食スイーツプロジェクト】歯科衛生士とパティシエで作り上げる「食の喜び」

D.HIT主催のプロジェクトが始動することになりました!

〜歯科衛生士とパティシエが立ち上げた、小さくて大きなプロジェクト〜

「食べる」って、ただの栄養補給ではないですよね。それと同じくらい大切なのは、「誰とどんな時間を共有するか」。

このプロジェクトは、

嚥下が難しくなった人にも「同じケーキを囲んで笑える幸せ」を届けたい!

という想いから生まれました。歯科衛生士の現場の声と、パティシエの技術が出会い、“見た目はケーキ、でも食べやすい”スイーツづくりがスタートします!

「食べられない人にも、おいしい幸せを」──そんな優しさに包まれた挑戦です。

今回、歯科衛生士の原田がこのプロジェクトの記事を担当します!私もこのプロジェクトに参加しながら、みんなの思いを記事にしていこうと思っております。自分が携わったケーキが形になるなんて!コラボできるなんて!人生でそうあることじゃないです。美味しくて、見た目も美しい、そして、パッケージまでこだわったクリスマスケーキを作っていきましょう!

食べるって、ただの栄養補給じゃない

私が以前、介護施設に口腔ケアで訪問した時のこと。入居されている高齢女性の娘さんが、面会に訪れていました。手に持っていたのは、コンビニのゼリー。「ゼリーお好きなんですか?」なんて、何気なく聞いたら…

「母はゼリーしか食べられないんです」

そう言ってテーブルにそっと置く娘さんの表情は笑顔でしたが、どこかほんの少しの寂しさが見え隠れしていました。

私からみたその患者さんは、自分で動いてトイレにも行くし、食事も1人でできるし、なんでも食べれそうな雰囲気でした。

「他にもお菓子を買ってきたことはあるんですけど、結局これしか食べなくて…食べにくいのか手をつけないので、今はゼリーしか持ってこないんです」 そう話す娘さんの言葉に驚きました。

▼D.HITから期間限定のプレゼント
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刻み食・ペースト食の“当たり前”の中にある違和感

高齢者や嚥下障害のある方が対象になると、 介護現場では「刻み食」や「ペースト食」が提供されることが一般的です。けれど、その多くは “見ただけでは何かわからない” “色がなく、味気なさそう” そんな食事になってしまいます。

実際に私が初めてペースト食を見た時は、「これは何?」全てのペーストが茶色で…献立表を見ても、正直どれがどのメニューかわからない…。

「栄養が摂れればいい」「食べられるだけで十分」たしかにそれも大切な視点。でも、本当にそれだけで“食べる喜び”は満たされるのでしょうか?

ある日、ペースト食ではあまり食が進まなかった患者さんのご家族から、「柔らかい食事にランクアップしました! 」と嬉しい報告を受けたことがあります。聞くと、ペースト食の時はあんなに食べなかったのに、柔らかい形のある食事になった途端「おいしい」と笑ってパクパク食べ始めたらしいのです!

“食べる”という行為は、目で見て、香りを感じて、舌で味わう、そして心が満たされてこそ、本当の意味で「食事」なのではないのかなと思うようになりました。

歯科衛生士社長との会話から生まれた

私の仕事現場での話を、D.HIT杉野社長としていた時。社長から「それ、なんかできないかな?」と言われました。内心、(え!?何かできるん?)と思った私。

私は正直、嚥下が難しくなるのは老化現象で、仕方ないことだと割り切っていた部分がありました。ですが杉野社長は「食べることが難しくなった人でも、心から楽しめるスイーツとかできないかな?」と…。どこからその発想!?となりつつも、社長の話を聞いていると、私も「そんなスイーツができたらいいな」「できるかも!?」と思い始め、話がスタートしました。

それが、今回のプロジェクトの原点です!

この想いに共感し、協力してくれることになったのがパティシエ・土屋公二さんです。

土屋さんは、チョコレート専門店「ミュゼ ドゥ ショコラ テオブロマ」のオーナーシェフとして知られ、​​テレビ番組『ジョブチューン』などにも出演。その卓越した技術と情熱で、多くのファンを魅了しています!

私たちの「嚥下が難しい方にも“食べる喜び”を届けたい」という想いと、土屋さん自身の「スイーツを通して“食べる喜び”をもう一度感じてほしい」という想いが一致し、今回、快くプロジェクトへの参加を決めてくださいました。

「見た目はケーキ、でも、驚くほどやわらかく食べやすい、しかもおいしい!」

そんな魔法のようなスイーツを一緒に生み出していく、最高のパートナーです。土屋さんが加わったことで、このプロジェクトは単なる「介護食」や「ケーキ風商品」の枠を超えて、​「誰もが笑顔になる本格スイーツ」へと進化しようとしています。

見た瞬間に笑顔が生まれて、ひとくち食べたら、また笑顔がこぼれる。そんなスイーツを、専門職の視点と職人の技術で一緒につくっていこうと思っています。

プロジェクトのこれからと、目指すゴール

現在は、まだ始動したばかり。試作もこれからですが、「2025年クリスマスでの販売」を目指しています。

まずは、関東圏で、訪問歯科や嚥下ケアに関わる歯科衛生士10名ほどで小さくスタートし、現場のリアルな声をもとに試作・改良を繰り返しながら商品化を目指します。温かいプロジェクトとして、一歩ずつ進めていく予定です。

私たちがこのプロジェクトで大切にしているのは、「温もり」「一体感」

誕生日、記念日、そしてクリスマス、家族でケーキを食べるという方は多いと思います。誰かと一緒に同じものを食べることで、自然と笑顔や会話が生まれますよね。だからこそ、そんなかけがえのない時間を、食事に制限がある人にも届けたい。家族の会話の中心にケーキがある。それって、とても素敵なことだと思います。

食べにくいケーキを食べやすくするというだけではなく、このケーキを通じて、あたたかい家族の時間をつくる。そんなアイテムになったらいいなと願っております。

 食べることを支える私たちも、変わっていく時代

これから、日本はますます高齢化が進みます。「食べられない」人が増えるのは、避けられない未来かもしれません。そんな時代において、“ただ治療する”だけでなく、“食べる喜びを守る”ことができる歯科衛生士の存在は、もっと大きな価値を持つようになるはずです。

実際、訪問歯科や在宅ケアの現場では、口腔ケアだけでなく「嚥下」や「栄養」についての知識も求められるようになってきました。「どうやって食べるか」「どうすれば食べられるか」「どんな形であれば、食べる気持ちが戻ってくるのか」こうした視点を持つ歯科衛生士が増えれば、患者さんの「食べる権利」はもっと守られていくと思うのです。

歯科衛生士も「嚥下」や「食支援」の分野に目を向けることが必要な時代になってきています。だからこそ、歯科衛生士が介護スイーツを開発していく意味があると思っています。

「食べる」に関わるすべての人へ

このスイーツ開発プロジェクトは、ただの商品づくりではなく、「食べること」そのものの価値を再定義する挑戦でもあります。

高齢化が進むこれからの時代、歯科衛生士だからこそできる“食支援”の形があります。家族を想う気持ち、ケアに関わる人の気づき、そして、支える側も学び、変わっていきます。この一歩が、「食べるって、やっぱり幸せだね」そう思える人をもっと増やしていくと信じ、1つずつ形にしていく過程も楽しみながら、ケーキを完成させていけたらと思います。

歯科衛生士の介護への関心や、栄養・摂食・嚥下についても興味を持ってもらうきっかけになることで、これからの歯科の立ち位置や歯科衛生士の地位向上へもつながると思っています。歯科衛生士のみなさんの意見もたくさん聞きたいです。私たちと一緒に、このプロジェクトを盛り上げてもらえませんか?

今後、D.HITの公式ラインでご案内もありますので、少しでも興味がある方はぜひ登録してください。まずは、皆さんの声を聞かせていただきたいと思い、アンケートを実施いたします!公式ラインのリッチメニューよりご参加ください。一緒に介護食スイーツを作っていけると嬉しいです。

アンケートに答えていただくと、5/15、第1回ミーティングにも参加していただけます!

2025年5月15日 東京

第1回 土屋さんとの介護食スイーツのミーティング

私も参加します!みなさんと楽しみながら、介護スイーツについて語り合いたいと思っています。よろしくお願いいたします。

さらに!アンケートに答えてくださった方は今後の介護食スイーツプロジェクトの参加権がありますので、5/15は難しいという方もまたチャンスがあるかもしれません。

詳しくは、インスタライブでお話ししていますので、ぜひそちらもご覧ください!(こちらからインスタへ飛べます)

次回は、実際の試作風景や、開発にかけるパティシエの想いをご紹介予定です。現場の「こうあったらいいな」から生まれる、リアルな工夫にもご注目ください!