テレビで見たことある方も多いテオブロマの土屋公二さんとD.HITのコラボ企画!「食べる喜びを取り戻す」ためのふわとろスイーツ作りが始まっています!
このプロジェクトが始まった経緯は【D.HIT×介護食スイーツプロジェクト#1】をご覧くださいね♪
5月28日、第1回座談会を開催しました。
土屋さんと歯科衛生士が集まり、「ふわとろスイーツ」をどのような形で作成していくのか、色々な意見を出し合いました。
「少し食べにくいスポンジケーキをどうにか食べやすい形にしたい」という私の思いが、実現可能なのかどうか…私自身もまだ全く分からない状態。
ということで今回の座談会では、
- 歯科衛生士の思う嚥下食や食べやすいものと、土屋さんの思う口溶けの良いスイーツが一致しているのか
- どのレベルなら、食べやすいと感じるのか
その辺りの認識を共有する必要がありました。
他にも、スイーツを作り販売するとなると、色々な条件や工程があることが発覚したり…可能性の広がる、楽しい時間でした。
歯科衛生士からも意見が飛び交う中、とろスイーツは、どのような形へとなっていくのでしょうか?
座談会は、東京の代々木公園駅すぐのところにあるテオブロマのお店『カカオストア&プリンカフェ448』で開催しました!店内には美味しそうなチョコレートが並んでおり、座談会後に購入して帰る歯科衛生士も多かったですよ♪
このブログは、ふわとろスイーツプロジェクトの舞台裏と今後の展開について、歯科衛生士の原田がお届けします。一緒に、このプロジェクトを盛り上げ、最高のスイーツを作っていきましょう!
歯科衛生士だから気づけた“嚥下のリアル”
みなさんは「介護食」と言われたら、どのようなものを想像しますか?全部細かくした刻み食?とろとろになったミキサー食?ゼリー状のもの?頭に思い描いたものは、どんな介護食でしょうか?
実は、介護食や嚥下食と言われるものには、色々な規格があるんです。
このような規格をもとに、患者さんの状態に合わせて、調整し、安全に食べられる食事を目指していきます。
では、今回のふわとろスイーツは、どの段階の方を目安に作成していくのか…ということになりますよね。
極端な例で説明をすると、少しとろみをつけた食事や柔らかい食事ができる方と、ミキサーでとろとろスープ状にした食事をしている方、その両方に合わせることは不可能だと思いませんか?
今回の座談会でも
- 「とろみが良い人もいれば、サラサラの方が良い人もいる」
- 「食塊形成が苦手な人もいれば、送り込みが苦手な人もいる」
- 「飲み込みの反射が遅くて、喉頭蓋(こうとうがい)が閉まるのが遅い人もいる」
など、みなさんの経験から色々なパターンの嚥下状態の方が想定されました。
訪問の現場では「患者さんに一人ひとりに合わせていく」ことが当たり前です。患者さんに合わせた調整を行いながら、食形態の相談などを行っています。みんな同じなんて、無理なんです。今回のふわとろスイーツプロジェクトの難しさを感じた一幕でした。
土屋さんのケーキを試食!
そんな話を聞いた土屋さんが「どのくらいならいいの?」と、お店のケーキを試食させてくださることに!
- そのままのショートケーキ
- 生クリーム多めのショートケーキ
- シロップがけのショートケーキ
実は、このショートケーキ試食の際に、なんと土屋さんご本人が食べさせてくれました(笑)土屋さんがお孫さん、私がおばあちゃんの設定です。
1.そのままのショートケーキ
スポンジのパサつきはなく、柔らかくて、しっとりとしていました。舌で潰せるくらいの柔らかさです。とっても美味しいショートケーキでした!
2.生クリーム多めのショートケーキ
生クリームがつくと、すべりが良くなるという感じです。飲み込みやすくなった感じがありました。これはこれで、食べやすいなと私は感じました。
3.シロップがけのショートケーキ
シロップをかけると、しっとりしているスポンジがよりしっとりに!まとまりが良くなった感じがしました。まとまりが良くなると、喉への送り込みは楽になるなという感じです。
その他にも、プリンやチーズケーキを試食させていただきました。
- プリンは、固めの昔風のプリンと滑らか柔らかめのプリンで食感が大きく違う
- チーズケーキは、滑らかだけど表面の焼けている部分が少し口に残る
何も考えていなかったら「どれも美味しい!」になりますが…嚥下を念頭に食事をするからこその発見が、また、面白かったです。知らないだけで、色々な方法で、柔らかく滑らかなものが出来上がるんだなと思いました。今までも、仕事で市販の介護食の味見などはしてきましたが、「普通の食事を嚥下目線で考えながらしたことはなかったかも知れない!」と、とても良い経験になりました。
さて、ここまで読んだみなさんは、お気づきですよね?
そうです!私が願っていた「ショートケーキ」の実現が可能かも知れないということです!!まだ、ケーキが確定したわけではないのですが、不可能ではないことが分かり、喜びが溢れ出しています♪大体の方向性は決まってきましたので、今後、この案を元により現実的に形にできるものを決めていくことになります。
ビジュアルと機能性を両立するスイーツとは?
いくつになっても、可愛いものは好きですよね。「これしてもらったの〜」とネイルをしてもらってウキウキのおばあちゃんや「これかわえぇじゃろ〜」と孫にもらったキーホルダーを自慢するおじいちゃんのように、その喜びをこのとろスイーツでも味わってもらいたいと思っています!
だからこそ、ビジュアルも大事!ということで、どのような形態のケーキにしていくのかが悩みどころ。座談会でもさまざまな案が飛び出しました。
- 見た目でワクワクできる、瓶入りレイヤーケーキ案
- 断面のクリームやスポンジや果物などが層として見えるスコップケーキ案
- ケーキ屋さんでよく見るホールケーキ案
どれも、可愛い気がしています。この話し合いの際にも、参加してくださった歯科衛生士さんたちがどんどん案を出してくださり、ふわとろスイーツプロジェクトへの熱意が伝わりました!良いものを作り上げようとする一体感はすごかったです。
瓶入りのケーキにすると1人1個ずつになるので、「家族で食べるケーキ」というコンセプトから少しズレてくるのかな〜と思う部分も出てきました。今回のふわとろスイーツは「家族団欒で、ケーキを囲んでクリスマスを過ごす」というイメージコンセプトで進めているので、やっぱり1番の理想は、ホールケーキのイメージ。
それだとスコップケーキやホールケーキが良いかなとなるけど…ここで問題が!
実はとろスイーツの販売は、直売ではなく、配送でお届けをする予定なんです。…つまり、「安全に配送できる形」を考えなければならないということ!今の時代、なんでも配送できそうなんですが、食品的なルールも結構あるようで…たとえば、いちごなら冷凍のいちごは無理だからピューレにするとか、ラズベリーならいいとか、固形のいちごにするなら別添えするとか…。ここの段階で、私は「え、むずっ」となりました。。。
クリスマスケーキの販売って、そんなに簡単なものではないようです。
でも、土屋さんは、開発は「できない」からのスタート!とおっしゃっていました。
私たちが作ろうとしているのは普通のケーキではありません。介護食への挑戦、果物の冷凍問題、物流的な問題、製作の問題。「え、これダメなの?」「これ無理なの?」を、どうしたら実現可能なものにしていけるのか、これから土屋さんと一緒に考えていくことになります。ふわとろスイーツは一筋縄ではいきそうにありませんが、きっと実現できると思っています!
最終ビジュアルがどうなるのかは、今の所まだ分かりませんが、楽しみながらプロジェクトを進めていきたいと思います。
今後のふわとろスイーツプロジェクト
クリスマスケーキって、いつから販売されるか知っていますか?毎年クリスマスケーキを予約してるよ!という方はご存知だと思いますが、大体10月下旬〜11月初旬にかけて予約開始されます。
ということは、ケーキはいつまでに完成させないといけないのか…なんだか時間がなさそうな予感です…!
第2回の座談会では、ケーキの案を決定し、それに合わせてビジュアルも決めていく予定です。その後、試作し、完成させ、PR、販売していく流れになってくると思います。どのようなものが完成するのかワクワクしながら、土屋さんと、歯科衛生士のみなさんと作り上げていきます。
ふわとろスイーツプロジェクトは、「誰かと一緒に美味しく食べられる」そんな未来の選択肢を増やしていけるプロジェクトです。もっともっと盛り上げていきたいと思っていますので、ぜひ、お力添えいただけると嬉しいです。
第2回座談会の日程が、6月9日(月)に決定しました!こちらの様子も今後ブログでお伝えしていく予定ですので、お楽しみに!