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副業はじめる前に絶対読んで!歯科衛生士がチェックしておくべき3つのルール

「副業やってみたいけど、どこまでOKで、どこからNGなのかわからない…」

歯科衛生士さんの相談で、この不安は本当に多いです。

特に医療職は、

  • 院内のことや患者情報は話せない
  • SNSは誤解される可能性がある
  • 広告表現に細かい規制がある

…など、“気をつけるべき点” が一般の副業より多いように感じます。

お金を稼ぐことも、自由な働き方を選ぶことも、もちろん大事ですが、その土台になるのは、日々の臨床の中で積み重ねてきた“信用”です。

そしてそれは、就業規則の順守守秘義務の理解正しい情報発信という3つのルールを押さえることでしか守れません。

でも、大丈夫です!ここが固まれば、あとは自信を持って“攻め”に転じられます。安心して続けられる設計を先に作って、胸を張って副業を始めましょう。

miu
D.HIT編集部 miu
新卒から7年半同じ歯科医院勤務していましたが、自分の人生の可能性を広げたく退職し『フリーランス』に! 現在は、歯科衛生士として訪問歯科メインに複数の歯科医院と契約、また歯科に特化したライターとして歯科関連の会社などで記事を執筆しております。

就業規則の副業規定・競業避止・守秘義務

副業を始める前に、歯科衛生士が最優先で確認すべきなのが「勤務先の就業規則」です。

就業規則、副業規定、競業避止、守秘義務…難しい言葉が並びますが、1つずつ解説していきますね。

就業規則とは

就業規則とは、医院がスタッフに守ってほしいルールをまとめた職場の法律のようなものです。労働基準法をベースに、勤務時間・服務規律・守秘義務・処分規定・副業の扱いまで、働くうえで必要なルールがすべて書かれています。

 

つまり、「法律で定められた最低限のルール」+「医院独自のルール」を合わせたものが就業規則です。

歯科医院は、一般企業に比べて“院長の方針”が色濃く反映されるため、副業の扱いが医院ごとに大きく異なります。ここを正しく理解せずに動くと、後から「知らなかった」「言われていない」といったトラブルに発展しがちです。

副業トラブルの8割は「就業規則を見ていなかった」ことが原因なんです。

私自身、正社員として働いていた頃は「同業での副業は禁止」という独自ルールがあり、歯科衛生士として他院で働くことはできませんでした。しかし、異業種の副業は問題なかったため、WEBライターの活動はOKという扱いでした。

このように、副業の可否は“職場によって完全に違う”ことがポイントです。

だからこそ、副業を始める前には必ず「勤務先の就業規則」を確認すべきなんです。“副業禁止”と書かれている医院もあれば、“届け出制”や“申請すればOK”という医院もあります。

「就業規則ってもらった?」と思っている歯科衛生士さん。

 

  • スタッフルームのファイル
  • 入職時に配布された書類
  • 電子データ(Googleドライブなど)
  • 院長・事務長に言えば見せてもらえる

 

いずれかで確認できます。

見当たらない場合は、院長や事務長に「就業規則を確認したいです」と伝えれば、必ず見せてもらえます。聞きづらさを感じるかもしれませんが、後からトラブルになるほうが何倍もリスクが大きいので、最初に確認しておくほうが賢明です。

就業規則で、特に注意したいのは次の3点です。

  1. 副業規定の有無
    → 「兼業禁止」「許可制」などの表現があるかを確認します。 医療法人によっては、理事長への申請が必要な場合もあります。
  2. 競業避止義務 
    → 同じエリア・同じ診療内容で別医院に関わると、競合とみなされることもあります。 SNS運用代行や記事制作など、同業他院をサポートする仕事も注意が必要です。
  3. 守秘義務(患者情報・院内情報の扱い)
    →就業規則には必ず「守秘義務」が記載されています。これは医院の方針・治療内容・患者情報・設備・マニュアルなどを外部に漏らしてはいけないという“職場内での決まり”です。
    (医療職としての“本質的な守秘義務”については次の章で詳しく解説します!)

とにかく、副業内容が“医院の信頼を損なう可能性がないか”を基準に考えていきましょう。自分の感覚で「大丈夫」と基準を決めないように、しっかりルールを確認します。

ここを理解せずに副業を始めると、自分の首をしめるだけでなく、医院の信頼まで傷つけてしまうことにつながります。

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守秘義務と情報発信

歯科衛生士の副業で最も注意すべきなのがこれ。守秘義務の遵守です。

歯科衛生士法第42条には「業務上知り得た患者の秘密を漏らしてはならない」と明記されています。これは退職後も続く義務で、うっかりSNS投稿や会話で患者情報が特定されるだけでも、信用を失うだけでなく法的リスクを負う可能性もあります。

ここでいう“秘密”とは、患者の情報だけではありません。

  • 口腔内写真
  • 治療内容
  • 治療方針
  • 院長やスタッフの会話
  • 医院が持つノウハウ

こうした「特定につながる可能性のあるすべての情報」が含まれます。

SNS投稿や、副業で資料を作る際、表現に気をつけないと「誰かを特定できる」情報に変わってしまいます。

たとえば、

「今日、小児で泣き叫んでいた患者さんがいて〜」

これは一見よくある話。でも、その医院を知る人が見れば、特定できてしまうことがあります。地域によっては、“誰なのかすぐ分かる”というケースも普通にあります。

症例写真については「患者さんの許可があるから大丈夫」と思いがちですが、医療現場では、歯列は顔と同じレベルの個人情報として扱うべきです。個人の同意があっても、取り扱いには極めて慎重であるべきです。

副業でSNS発信や、講座、ライティング、PR活動などを行う場合には、次の姿勢を持つことが重要です。

  • 実例は「一般化」「架空化」して扱う
  • 患者や院内の描写は入れない
  • 設備・治療方針など医院を特定できる情報を避ける
  • “医療者としての倫理観”を最優先にする

守秘義務を守るのは、決してあなたの自由を制限するためではありません。

むしろ「医療者としての信用を守り、収入やキャリアを長期的に安定させるための最強の防御」です。

副業で成功する人の共通点は、“勢い”ではなく“信用”です。

医療職としての信用があるからこそ、副業の仕事の質も上がり、継続依頼や紹介にもつながります。「この人は安心して任せられる」と思われる発信を心がけ、副業でも本業でも長く信頼を得られる存在になりましょう。

守秘義務のポイントまとめ
  • 守秘義務は、退職後も続く義務
  • 顔が写っていなくても、症例写真は個人情報
  • 医院や個人を特定される情報を発信しない!
  • ルールを守るのは、信用を守るため

医療広告ガイドライン・薬機法の表現注意

副業で記事執筆やSNS発信、商品PRを行う場合、必ず意識してほしいのが「医療広告ガイドライン」と「薬機法」です。

「医療広告ガイドライン」と「薬機法」のどちらも、正しい情報を患者さんや消費者に伝えるための法律ですが、意外と理解されないまま使われていることが多いです。私もWEBライターとして活動する上で、しっかり頭に入れておかないといけない部分です。

たとえば、

  • 「このホワイトニング剤なら確実に白くなる」
  • 「このセルフケアで歯周病が治る」

こういった表現はNGです。

“知らなかった”では済まされないリスクがあるので、最低限のポイントは必ず押さえていきましょう。

まず「医療広告ガイドライン」は、医療機関の広告を対象にしたルールですが、SNSや個人ブログでも、医療行為や医薬品・医療機器に関わる内容を発信する場合は“広告に該当”するケースがあります。

  • 「絶対に治る」
  • 「100%白くなる」

といった効果の断定表現はNGです。さらに、Before/After写真は“治療効果の保証”と誤解されるため原則禁止です。歯科医院の治療を紹介する際などにも十分気をつけましょう。

監修ライターや、SNS運用代行の仕事で医院を紹介する場合も、「治療の結果」よりも「取り組み」「姿勢」「環境」に焦点を当てるのが安全かつ効果的です。

薬機法(旧薬事法)は、医薬品・医薬部外品・医療機器・化粧品などの広告表現を規制しています。

  • 「治す」
  • 「効果がある」
  • 「安心・安全」
  • 「改善する」

など、医療効果を連想させる言葉はすべてNGワードになります。たとえばホワイトニングジェルや歯磨剤を紹介する場合は、厚労省が承認している効能・効果(例:「歯を白くする」「口臭を防ぐ」など)の範囲内にとどめましょう。

また、PR投稿やアフィリエイトを行う場合は、ステマ規制(ステルスマーケティング防止法)にも要注意!報酬や製品提供を受けて投稿する場合は、必ず

「#PR」「#広告」

などの表示を行う必要があります。これを怠ると、本人ではなく依頼した企業も処罰対象になる可能性があります。

発信の目的は「信じてもらうこと」であって、「釣ること」ではありません。“伝えるプロ”として、自分の発信が誰かの判断材料になることを常に意識しましょう。

医療系ライター・インフルエンサーとして活動する上では、「根拠のある内容」「誇張しない表現」「広告表示の明示」この3つを守るだけで、信頼と継続依頼を得られる確率が格段に上がります!

💡チェックポイントまとめ
  • Before/After・効果保証の表現はNG
  • 医薬品・化粧品は効能表現を承認範囲内にする
  • PR投稿は「#PR」「#広告」を必ず表記
  • 治療・施術は「〇〇の可能性があります」など曖昧表現で対応
  • 「個人の感想です」「一般論です」と明記する
  • 迷ったら「厚労省・広告ガイドライン」の該当箇所を検索確認

また、自身の歯科衛生士資格をアピールしすぎると、広告としての影響力が強くなり、法的責任を問われるリスクも…!信用を守るために、「専門家の立場を“ひけらかさない”姿勢を保つ」ということも大事です。

ルールはあなたの「未来」を守る土台

副業を始めるとき、歯科衛生士である私たちが絶対に忘れてはいけないのが「信頼は一度でも失えば戻らない」という事実です。

私も副業を始めた頃、「知らなかった」「これくらい大丈夫だろう」という油断が一番危険だと痛感しました。歯科医院は小さな組織だからこそ、院長の方針やスタッフの関係性が副業に直結するし、患者さんに関する一言が思わぬ誤解を生むことがあります。

だからこそ、最初にルールを確認するという行動は、自分のためだけでなく、自分を信じて任せてくれる人たちのためでもあります。

患者さんが不安や痛みを抱えながら口を開けてくれるのは、私たちが「医療者として秘密を守る存在」だと信じてくれているからです。その信頼を守れる人だけが、副業でも本業でも長く愛され、必要とされます。

医療広告ガイドライン、薬機法、ステマ規制…正直めんどうと思うことも多いのですが、情報があふれる今、私たちの言葉ひとつで誰かの行動や健康が変わります。これは読者や患者さんに対しての敬意でもあり、医療者としての責任でもあります。

今回お話しした「3つのルール」(就業規則/守秘義務/広告規制)は、あなたを縛るものではなく、“あなたの未来を守る土台”です。

私は、副業を始めたときに感じたあの不安を、あなたには同じ濃度で味わってほしくありません。知らなかったことで損したり、怖い思いをしたり、信用を落としたり…そんなの、避けられるなら避けてほしいと思っています。

だからこそ、今回の3つのルールは、あなたを守り、未来の選択肢を広げ、本業+副業という「新しいキャリアの形」を成立させる武器になります。

ここまで読んだあなたは、もう準備万端です!

守るべきものをわかっているあなたは、絶対にうまくいきます。

さあ、胸を張って、副業という新しいステージへ踏み出していきましょう。

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D.HIT編集部 miu
新卒から7年半同じ歯科医院勤務していましたが、自分の人生の可能性を広げたく退職し『フリーランス』に! 現在は、歯科衛生士として訪問歯科メインに複数の歯科医院と契約、また歯科に特化したライターとして歯科関連の会社などで記事を執筆しております。