DH歴10年、生活に合わせて働き方を変えてきた。子育てが大変でも諦めないで!|松村優月さんインタビュー

こんにちは!D.HITのインタビューチームライターのsakuraです。活躍するフリーランス歯科衛生士さんへインタビュー。今回お話を伺った松村優月さんは、子育てと仕事のバランスをうまくとりながらDHを続けてきた、3人の子どものママでもある歯科衛生士さんです。

新卒で勤めたブラック歯科医院、片道1時間半の通勤、コロナ禍での出産とワンオペ、バタバタの年子3人の育児、小学校へ上がる子の学童問題。その一つひとつを、現実的な選択で乗り越えてきました。理想論ではなく「生活としての働き方」を、どう組み立ててきたのでしょうか。

ぜひ、肩の力を抜いて読み進めてください。

sakura
D.HIT編集部 sakura
千葉県在住 歯科衛生士歴17年目
新卒で歯科メーカーに就職。その後、歯科衛生士として公務員に転職。 結婚・出産を経て、「自由な働き方がしたい」と考えてフリーランス歯科衛生士へ。  現在は、臨床をやりながら、スタッフ教育を含むコンサルタントやオンラインでの歯科相談をして活動中。

ーこんにちは!本日はお時間いただきありがとうございます。まず、優月さんの今の働き方からお聞きしてもいいでしょうか?

松村優月です。よろしくお願いします。今は3軒の歯科医院に行ってて、週5で臨床です。助っ人が1軒、パートで2軒ですね。パート先の1軒は、訪問専属です。

ー訪問専属なんですね!

もともと、訪問と臨床の両方をやっているクリニックにしばらく勤めていたので、訪問自体は8年くらい経験があるんです。新卒の頃に勤めてから最初の2年くらいは臨床だけで、その後8年間は、曜日によって訪問と臨床とどっちもやる感じでした。

ーすごい、かなりしっかり訪問を経験されていますよね。新卒から10年ずっと、そこにお勤めだったんですか?

新卒で就職したのは別のクリニックだったんです。でも、すごくブラックなところで…終電まで帰れないのに、次の日また朝7時半に出勤とか。結構大手で、教育制度もしっかりしてると聞いていたのに、いざ入ってみると教育どころか、教えてくれる先輩もいないような状況で。2年目の先輩はちらほらいるけど、歯科衛生士が私ともう1人の新人のみ、なんてことも多々あって、話が違う!と思ってそこは半年で辞めちゃいました。

ーかなりのブラック歯科医院だったんですね…。

そうなんです。で、そのあとに勤めた医院が、10年勤めたところです。そこは衛生士学校時代に助手のアルバイトをしていた医院だったから雰囲気もわかっていたし、安心して働き始めました。ただ、家から遠くて、片道1時間半かかるところだったんです。

ーえっめっちゃ遠いですね!それは大変だ…よく10年通いましたね。今のパート先は、そのクリニックではなく?

そこは、キャリココを始めてから、辞めました。その10年の間もずっとそこ1本ではなくて、途中からダブルワークをしていました。

ーん?正社員で働きながら、パートでもう1軒ですか?

あ、最初の5年くらいは正社員だったんですけど、正社員だと夜まで出ないといけないルールがあって、子どもが生まれてからはちょっと難しくなったのでパートに切り替えたんです。

ーなるほど。お子さんが生まれたのが大きな転機だったんですね。

そうですね。そこから、子どもを3人産みました。1年3ヶ月ごとに産んでるので、3人がほぼ年子みたいな感じで。だから誰かが風邪をひくともう、連鎖的になるじゃないですか。

ーうちも似たような感じなので、すごくわかります。

遠いので、片道1時間半かけて職場に行って、ちょっと仕事したらすぐ「具合が悪いので迎えに来てください」って電話がかかってきて、とんぼ返りみたいにまた迎えに行って…ということが何度もあったんですよね。往復3時間かけて何してるんだろう…って。

ーそれは精神的にもきついですね。

それが続くと「何のために行ってるんだろう」って思うようになって。辞めたいって申し出たんですけど、「日数を減らしていいから残ってほしい」と言われました。その職場自体はすごく好きで、働きやすかったんです。だから私も本当は辞めたくなかったけど、ただ、とにかく遠かった。それが一番のネックでした。

ー問題はそれだけだったんですね。

「残ってほしい」って言ってもらえるのもありがたかったし…でも家族のことを考えて、やっぱり難しいよなって自分の中で決めて、パートの日数を減らすことにしました。週5から週3勤務にして、残りの2日は近場のクリニックでパートを始めました。なので、働く日数自体は週5のままで、場所を分けた感じです。

ーめっちゃ働きますね!体力的にも大変そうですが、それでも仕事は続けたんですね。

そうですね。収入のこともありますし、仕事自体は嫌いじゃなかったので。

ー出産や育休についてはどうされていたんですか?

育休は取りました。1人目、2人目は、5ヶ月くらいで保育園に預けて復帰しました。

ーかなり早い復帰ですね!それはご自身の希望で?

そうですね。最初の子が9月生まれで、翌年の4月にはもう保育園に入れる月齢だったので、0歳児で保育園に入れたほうが待機児童にならないから「そこで復帰するよね?」みたいに院長に言われて。私も当時よく分かってなくて、あ、そういうものなんだ〜と思って受け入れた感じです。

ー偉すぎでしょ…!

で、復帰してちょっと働いたらまた妊娠が分かって、また休んで、という感じでした。2人目を産んだのが2020年の1月で、ちょうどコロナが始まった時だったんです。

ーそうなんだ!あの時期は本当に特殊でしたよね。

復帰どうしようかなと思ってたんですけど、緊急事態宣言で保育園も「できるだけ家庭保育で、登園は控えてください」となって…夫は運送業なので、コロナが始まってから逆に激務になっちゃって、ほとんど帰ってこなくなりました。実家も近くないし、誰も手助けしてくれない状況で、1歳と0歳の子どもとずっと家にいました。その時期が、もう本当にツラくて…。授乳中に上の子に呼ばれても対応できないし、すごくストレスが溜まりました。

ーそれはかなりキツイですね…。

もともと、子どもがあまり得意なほうではなかったんですよね。出産してから自分なりにいろいろ勉強して、だいぶ子どものことがわかるようになってきたから今は大丈夫なんですけど、もともとはどっちかというと苦手でした。だって、何考えてるかわかんないじゃないですか(笑)まだ生まれたばかりの子と、何考えているか分からない1歳になったばかりの子と、家の中に閉じこめられているのが、もう手に負えなくて、すごくツラくて。ちょっともう無理だと思って、どうしても仕事に戻りたかったです。

ーツラかったですよね。仕事してる方が全然いい!って感じですよね。

はい。仕事が私にとってはリラックスできる場所みたいな感覚もあって、もうどうしても働きたかったです。保育園の園長先生に毎日のように「0歳枠空いてませんか?」って、何度も聞いてました。

ー必死だったのが伝わります。大変だったんですね、ママとして。

つらすぎました。その頃、やっぱり保育園の入園を辞退する人も多くて、上の子と同じ保育園に下の子も入れることができました。

ーよかった!

そこから復帰して働いているうちに…また次3人目ができて。3人目は少しだけ長く、8ヶ月くらい休みました。どうしても同じ保育園に入れたくて、でも時期的に次の4月まで枠が空かなかったので…。4月までは、上の2人は保育園に行ってもらって、下の子だけ家で見ていました。

ー本当に、走り続けてきた感じですね。

そうですね。振り返ると、ずっと何かに追われてた気がします。

ーそこから「働き方を変えたい」と思うようになったきっかけは、何だったんですか?

大きかったのは、1番上の子が小学校に上がるタイミングですね。在宅で働けたらいいな、って思うようになりました。

ー小学校、確かに一つの節目ですよね。

はい。保育園のときは預かり時間も長くてギリギリまで働けてたんですけど、小学校になるとそうはいかなくて。女の子なんですけど、わりと学童の男の子たちの騒がしい雰囲気が苦手みたいで、学童に行きたくないって言うようになったんです。

ーわかります!学童の雰囲気が合わない子、いますよね〜。

習い事で曜日を埋めたりしていたんですけど、それでも仕事との兼ね合いでやっぱり学童を使わないと難しいなと思って。でも本人がどうしても嫌がっていて。じゃあ、在宅でできる仕事があればいいなって、現実的に考えるようになりました。

ー働き方の情報を調べる中で、キャリココやD.HITに出会ったんですか?

実はD.HIT自体は、かなり前から知ってました。5年前くらいに、新卒で勤めた医院の同期の子が「D.HITのYouTubeに出るから見て」って連絡をくれたんです。その子、D.HITの本当に初期の頃からやってて、たぶん1期生とかで、すごい最初の頃に出てたんです。それでYoutubeを見たら、フリーランスで、歯科クリニックの一室を借りて自分の患者さんを呼んでクリーニングしてるって内容で。それで、「あ、こんな働き方あるんだ〜」って知りました。

ーそのときから、フリーランスというのが気にはなっていたんですか?

いやそのときは、私には向いてないし、無理だなって。内容もホワイトニングの自宅サロンとか、そういう発信が多かったので、子どももまだ小さい状況で、自分にはできないなと思っていました。

ーそうかそうか。今でこそ採用支援とか助っ人もあるけど、当時は自宅サロンとかが多かったんですね。

そうですね。で、そこから数年経って、子どもたちが体調不良で休むことが本当に多くて大変だし、転職も含めていろいろネットで調べていた時に、「歯科衛生士が在宅で働いている」っていうD.HITの記事を見つけたんです。それで、また気になり始めました。

ーでも歯科衛生士で在宅って、なかなかイメージしづらいですよね。

正直、周りには全然いなかったですね。だから最初は「怪しいな」って思ってました。これ本当かな?在宅で歯科衛生士ってどういうこと?って。まだちょっと信じられないところがありましたね。でも、上の子が小学校に上がって、やっぱり在宅いいなって考えて、1回話を聞いてみようと思って。

ーそれで、D.HITの無料相談へ?

はい。無料相談で、キャリアアドバイザーの方が実際に在宅で仕事をしているって話を聞いて、「私にもできるかもしれない」って思えたのが大きかったです。

ー実際に参加してみて、どうでしたか?

キャリココでいろいろ学べたことはとても良かったです。あと、他のキャリココメンバーとつながれたのが、すごく良かったと思います。みんなすごい頑張ってるんだなって刺激をもらいながら、背中を押してもらって頑張れました。私は歯科衛生士の仕事自体はもともと好きなんですけど、キャリココを始める前は周りに「もっと高めたい」とか「成長したい」っていう気持ちを持っている歯科衛生士さんがあまりいなかったんです。日々の業務をこなすだけ、みたいな空気で。でもキャリココを始めてから、同じように「歯科衛生士としてもっと頑張りたい」とか「収入を上げたい」って思っている歯科衛生士さんがたくさんいるんだって知って、それがすごく励みになりました。メンタル的にすごい助けられた部分が大きいです。

ーなるほど。「仲間ができた」ってことですね。

まさにそうです。キャリココ自体は卒業しましたけど、期間中に仲良くなった人とは今も連絡を取っています。悩みを共有できたり、近況を話せたりする存在がいるのは心強いですね。そういう繋がりができたのは、良かったなと思います。

ー進める中で、なにか大変だったことはありますか?

最初は在宅で進めていたんですけど、やっぱりなかなか案件が取れなかったことですね。手紙を出して、問い合わせをもらうことはあっても、なかなかそこから仕事につながらなかったり。在宅から助っ人に切り替えてから、やっと契約が決まったという感じでした。知り合いの先生に手紙を出したら返事をいただけて、「今、歯科衛生士さんが休んでいて足りないから、復帰するまで来てもらえないか」って。

ー知り合いの先生で繋がったんですね。それは本当に良かったですね。

正直、ホッとしました。自分で動いた結果、ちゃんとつながったんだなって。

ただ、営業活動中にちょっと怖い思いもしちゃって…。手紙を出して「興味があるから話を聞きたい」って言われて、オンラインでお話ししたんです。最初は普通の流れで、その時は採用支援をやりたいと思っていたのでその話をして、まだ実績はないですけどって前提で話してたら…途中から、「なんで働き方を変えようと思ったんですか?」とか、「お子さん何人いるんですか?」とか聞かれて。3人いるって言ったら、「3人もいるとやっぱりお金が必要ですよね」って。そこから「僕は去年からこれを始めて収入が倍になったんです」とか言われて。

ーえっ?!どういうこと?!何かの勧誘ということですか?

そうだったんです!「そういう話って興味ありますか?」って聞かれて。私もオンラインのやり取りに慣れてなかったので、どう受け答えすればいいか分からなくて。「まぁなくはないです」みたいに答えちゃったんです。そしたら、そこから一気に勧誘が始まりました。その先生も他の先生から誘われたみたいで、「松村さんも一緒にやりませんか?」って。

ーえ〜!怖すぎますね…。

すごく怖かったです。話を切り上げようとしても切れなくて、逃げ方もわからなくて、2時間以上ずっと。終わろうとすると「とりあえずLINE交換してもらえませんか?」って言われて、もう、LINE交換しないと終わらせてもらえない雰囲気で、ひとまずLINE教えたんです。

ー断りづらい状況ですね。

そしたら、長文で勧誘メッセージが毎日のように来て。「入りませんか?」「一緒にやりませんか」って。最終的には「今は大丈夫です」って断って終わったんですけど。他にも、「同じような働き方してるフリーランスの歯科衛生士さん知りませんか?」とか。

ーフリーランス歯科衛生士を狙ってるんだ。それは、恐怖体験でしたね…。

本当に怖かったです。そういう怖さもあるんだなって学びました。その1件があってから、新しい先生に営業かけるのが怖くなって、自分から動けなくなっちゃって…。また営業しなきゃと思いつつ、今は動けていないです。

ーそうかそうか。新しい先生に出会うのがね、怖くなっちゃったんですね。でも今、週5で臨床で働いてるんですもんね。

そうですね、できればパートを減らしていきたい気持ちはあるんですけど、収入が減るのがやっぱり怖くて。キャリココをきっかけに、10年勤めた遠いクリニックは辞めることができて、今のパート先は家から近いので、そこはすごく楽になりました!今は、無理のない範囲で収入を確保することを優先しています。

ー少しずつ、生活に合う形に組み替えてきた感じですね。

はい。まだ理想通りではないですけど、今の自分にはこの形が合っているのかな、と思っています。

ーこれからの目標って、何かありますか?

仕事としては、これからも歯科衛生士の仕事は続けていきたいというのはあります。臨床でも訪問でも、在宅でも、形はどうであれ、歯科衛生士として関わり続けたいなと思っています。プライベートでは、マイホームを建てたいという目標があります!今は賃貸なんです。今、夫と少しずつ話をしています。

ーめっちゃ良いじゃないですか!大きな目標ですね。そのためにも、収入を増やしていかないとですね。

はい。そこに向かって、頑張っていきたいです。

ー最後に、今まさに悩んでいる歯科衛生士さんや、子育てしながら働き方に迷っている方へ、伝えたいことがあればお願いします。

子育てしていると、「自分の時間がない」って思ってしまう時期があったんですけど、今振り返ると「時間はないんじゃなくて、時間を作れていないだけだった」って思います。キャリココを通して、そういうふうに考え方が変わりました。「忙しいから」「子どもがいるから」って後回しにしないで、もっと自分の気持ちを大事にして…なんだろう、良い言葉が見つからないけど、自分のために時間を作ることも良いんじゃないかなって思えるようになりました。

ーすばらしいです。

子育てをきっかけに歯科衛生士を辞めてしまう人も多いですけど、本当に辞めてよかったのかな?って。本当はやりたいんじゃないのかな?って、思うこともあります。やりたい気持ちがあるなら、完全に諦めなくてもいいんだよって言いたいです。形は変わってもいいし、遠回りでもいいから、自分の気持ちを無視しないでほしいです。諦めなくてもいいんだよ、って伝えたいです。

ー「辞める」以外の選択肢もあるよ、ということですよね。優月さん、すごく視野が広くなってますね!素敵です。

ありがとうございます。

ー今日は、たくさんお話を聞かせてくださってありがとうございました。これからも応援しています!

こちらこそありがとうございました!

子育て、通勤、収入、将来への不安。どれか一つを取っても簡単ではない現実の中で、その都度働き方を変えながらも、ずっと週5で歯科衛生士の仕事を続けてきた優月さん。理想通りにいかなくても、今の自分と家族に合う形を探し続けること。時間がないと諦める前に、気持ちを置き去りにしないこと。「辞める」ではなく「組み替える」という選択を重ねてきた優月さんの姿勢は、同じように悩む歯科衛生士さんにとって大きなヒントになるのではないでしょうか

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歯科衛生士の新しい働き方「スポット(助っ人)勤務」とは?正社員のストレスから解放され、働いた分だけ確実に収入アップ。時間も自由に調整可能。実際にフリーランス歯科衛生士として活動する筆者が、始め方から注意点まで実体験ベースで徹底解説します。