「フリーランス歯科衛生士ってどうやってなれるの?」
「フリーランス歯科衛生士になりたいけれど、案件の取り方がわからない」
フリーランス歯科衛生士は特別な技術や知識がなくても、歯科衛生士の資格さえあればなれる職業です。私はフリーランス歯科衛生士として、ライターやスタッフマネジメントをしています。
この記事では、私がフリーランス歯科衛生士になるまでの道のりをお話しし、案件獲得方法を紹介。また実際の働き方などもお伝えします。フリーランスになってよかったことや、苦労していることも紹介するので、フリーランスを目指しているのなら参考になります。
私がフリーランス歯科衛生士になるまでの経緯
私がフリーランスになった理由は、少し特殊かもしれません。歯科医院勤めから、フリーランス歯科衛生士になるまでの経緯を、時系列で詳しく紹介します。
フリーランスになった理由:結婚と体調不良
私がフリーランスになったきっかけは、ライフステージの変化と自身の病気です。
結婚で県外への引っ越しが必要になり、5年間勤めた歯科医院を退職。引っ越し後はパートで歯科医院に勤めていました。しかし、その時病気が見つかり手術が必要になったのです。
病気は子宮頸がんでした。がん検診で引っかかってから3ヶ月というスピードで、子宮頸がんの高度異形成の手術を受けることに。担当医とも相談し、術後1ヶ月はパートの歯科医院をお休みしました。
さらに病は続き…目の病気で口腔内のケアが不可能に
しかし悪いことは続くもので、復帰直前に右目の視界が急に欠けてしまったのです。
休日の夜だったので対応できる病院が少なく、やっとの思いで大学病院で見てもらえることになりましたが、結果は「網膜剥離」。「3日以内に手術しないと失明」と言われ、恐怖に怯えながら入院、手術を受け何とか視力を取り留めました。
網膜剥離になった時に、元々の視力が悪いこともあり予後の保証はできないことや細かい作業が難しいこと、白内障のリスクが高いことを担当医から言われました。実際、術後の予後も悪く、半年ほどは車も運転できない状態に。そのため、まだ27歳でしたが患者さんの口腔内を処置するのが難しいと判断し、臨床を辞めることを決めました。
歯科医院を退職しフリーランスへ
病気の回復を待っている間に、「従来の臨床スタイルではなく、自分のペースで働ける方法」を探し始めました。できれば扶養内の在宅で働きながら、自由に時間を使える仕事で。さらに臨床以外で歯科衛生士の資格を活かせる仕事がしたかったです。
ある日、求人サイトで「在宅で歯科衛生士の資格を活かす仕事」を見つけました。最初は少し怪しいと思いましたが、「自分にもできそう」「自由な働き方ができそう」と感じて応募。無事に採用されましたが、この仕事の働き方が業務委託によるフリーランスという働き方だったのです。そして気づけばフリーランスとしての一歩を踏み出していました。
フリーランスになって初めての仕事をゲット
初めての契約は、企業との業務委託契約でした。内容は歯科医院の資料作成を手がけるライター業です。具体的には歯科医院で使用するパンフレットやポスター商品販売促進のライティング、動画のテロップなど、歯科衛生士の専門知識を活かせる内容です。
私は過去に動画編集については学んでおり、苦労なく対応できました。しかしパンフレットやポスター、商品販売促進のライティングに関しては初心者だったので、仕事以外の時間を使い勉強。短い文で伝えることが求められていたので、キャッチコピーの付け方や、人に読まれるライティングの勉強をしましたね。
今の私の業務と働き方!報酬も公開!
現在の私の業務を紹介し、働き方についてもお伝えします。さらに実際の報酬も公開するので、フリーランス歯科衛生士を目指すなら参考にしてください。
現在の業務内容と働き方
現在、私のメイン業務は歯科医院のスタッフマネジメントです。またライターとしても活動しています。
スタッフマネジメントは、契約している歯科医院に週1回訪問し、院長とスタッフの間に立ち、医院の問題解決をサポートする仕事です。私は歯科医院に勤めているときに、幹部として在籍していることがありました。その際スタッフが不満に思っていることからエッセンスをもらい、医院をよくするための仕組みやマニュアルを作っていました。その経験が生きて、今はスタッフマネジメントが必要な医院から契約をいただいています。
また時間的な余裕をみながら、資料作成やライティングの仕事もしていますよ。自分のペースで進められるので、負担なく続けられていますね。
収入はどのくらい?
私は週1回契約先の歯科医院を訪問し、4〜7時間のマネジメント業務を行います。後日、提案書や報告書などを作成。この仕事だけで、地方の歯科衛生士の約1ヶ月分の給与を得ています。
また、資料作成やライティングの仕事も相場に見合った報酬で、十分な収入が得られています。
フリーランスの報酬は、契約時の交渉で決まります。報酬の交渉で大切なのは、今までの経験やスキルがどのように活かせられるのか、契約先のニーズにどう貢献できるのか、を伝えること。またどのくらいの時間と労力が必要なのか見極め、その価値にあった金額を提案しなければなりません。最初は交渉が苦手でしたが、今では自分の価値を客観的に評価できるようになり、納得できる報酬をいただいています。
歯科衛生士がフリーランスになるには?私の実例
私がフリーランス歯科衛生士として初めて契約した仕事は、ライターです。この仕事をいただくまでの経緯と、フリーランス初期に心がけていたことをお伝えします。また実際の面接内容と試験内容も公開するので、参考にしてみてください。
案件探しは無料の求人サイト
私が案件を獲得した方法は、「無料の求人サイト」です。
手術後の回復を待っている間に、「在宅」「歯科衛生士」「仕事」で検索し、ヒットしたものに応募。初めは、「在宅で歯科衛生士の仕事!?怪しい…」と思った記憶があります。しかし調べてみると、その時の私の状況にピッタリの働き方と仕事内容で、面接に進めたときはとても嬉しかったです。
求人サイト以外の案件の取り方については、こちらの記事が参考になります。
面接と試験内容
面接はzoom面談でした。私は今までzoomを数えるほどしか使ったことがなく、PCも持っていない状態でした。そのため、夫にzoomの使い方を教えてもらいPCもお下がりで。なんとか面接を乗り切った、という感じでした。
面接で聞かれたことは次のような内容です。これから応募するときの参考になれば幸いです。
- 今までの経歴
- 応募理由
- 働ける時間や希望する報酬
- 歯科医院以外での労働経験
- X(旧Twitter)などの媒体で、他人の投稿の文字の誤字脱字を気にしたことはあるか?
また面接の後に課題提出もありました。内容は歯科製品の販売促進ライティングです。文字数や入れてほしいワード、用紙サイズの指定がありましたね。課題は、短い文章で表現することに苦労しました。今まで患者さんに口頭で説明していたものを、さまざまな規定の中で表現するのは難しかったです。課題をなんとか提出し、無事合格して契約をいただけたときは、安心しました。
駆け出しフリーランスの頃に気をつけたこと
最初の契約はライターです。初めて経験する仕事だったので、次のことに気をつけながら業務を進めていました。
- わからないことは必ず確認する
- 1度聞いたことはメモして再度聞かないようにする
- 教えてもらうだけではなく自ら本などで勉強する
このような姿勢で業務に取り組んでいたら、1ヶ月先までタスクが埋まってしまうような人気キャストになりました。初めてトライした仕事で不安もあったので、人気キャストになれたのは正直嬉しかったですね!
フリーランス歯科衛生士になってよかったこと
フリーランスになってよかったことは、自由が効くことです。仕事の時間も減ったので、心に余裕ができて、家族へも優しく接するようになりました。フリーランス歯科衛生士になってよかったこと2つを詳しく紹介します。
働く人、場所、時間を自由に選べる
フリーランスとして働く最大の魅力は、働く場所や時間、そして誰と働くかを自分で選べることです。
私は周りの人間関係に影響されやすく、関わるとパワーや元気を吸い取られる人との関わりがとくにストレスでした。しかしフリーランスとして働くようになって、人間関係に対するストレスが減りました。自分に合う人と働くように選べるからです。
また自分のペースで仕事ができるため、精神的にも余裕が生まれました。さらにフリーランスになって驚いたことの一つで、仕事の場所が自由に選べることがあります。バーチャルオフィスに出勤し、リモートで指示を受けながら作業を進める働き方は、それまでの歯科医院での仕事の概念を覆すものでした。
家族への関わり方がよくなった
フリーランスになり、家族との時間が増え、家庭内の雰囲気もよくなりました。
仕事のスケジュールを自分で調整できるので、家族と過ごす時間を優先することもあります。関わる時間も増えたので、家族の絆も強くなったと感じています。正社員時代には、仕事が忙しくなると家庭とのバランスが難しく、「イライラ」「カリカリ」しやすかったです。
フリーランスになって時間的、精神的に余裕ができ、自分自身を大切にできるようになったと思います。そして周りにも優しく接するようになりました。
フリーランス歯科衛生士の大変なこと
働きやすいフリーランスですが、実は大変なことが2つあります。正社員時代には気づかなかった、フリーランスになって苦労していることを紹介しましょう。
体調管理が重要
フリーランス歯科衛生士になって、体調管理はとても気をつけるようになりました。正社員のときは病気になると有給休暇を使っていましたが、フリーランスは休むと収入はゼロです。また、歯科医院へのアポイントは私の代わりになる方はおらず、休んでしまうとクライアントに迷惑がかかります。そのため、健康管理は自己責任でしなければなりません。
また、臨床を離れたことで運動不足になってしまったのも悩みの種です。今は長時間椅子に座っての作業が増えました。臨床は立ち仕事だったので、運動量が激減です。体重管理と体力づくりの観点から、今は積極的に体を動かす時間を作り、食生活も健康的になるよう心がけています。
手続きでわからないことも自分で解決
フリーランスは何でも自分で解決しなければなりません。たとえば会計処理や税金の申告、社会保険の支払いまで、全て自分で行います。これまで歯科医院の専門家がこれらの手続きをやってくれていて、私はお給料をもらうだけだったので自分でやるのに苦戦しました。
わからないことはネット検索で進めていったのですが、知っている人に聞くということも学びました。
フリーランスになってすぐにぶつかったのは、開業に関する手続きです。ネットで検索しましたがイマイチ理解できなかったので、税務署に電話で相談し、さらに窓口の予約も取って直接聞きに行きました。そして窓口で丁寧に教えてもらいながら開業届を提出し、個人事業主になりました。
まとめ
フリーランス歯科衛生士は、今までの経験やスキルを活かせる仕事で、誰でもできます。私は特殊な状況から、フリーランスという働き方に出会いましたが、多くの可能性がある働き方です。
可能性を広げて働き方を変えたい、自由に自分の人生を選択できるようにしたいと考えているなら、無料相談も受け付けていますので、ご活用ください。