フリーランス歯科衛生士の仕事の取り方とは?案件獲得のステップを解説

昨今、どの業界でも注目されているフリーランスという働き方。みなさんも一度はあこがれを抱いた経験があると思います。

自由に仕事やプライベートの時間を決めたり、いまよりも多くの収入を得たり、なにより自分の好きなことで働きたい…!

こんな想いからフリーランスを目指す方も多いのではないでしょうか?

しかし、いざフリーランス歯科衛生士を目指そうと思っても「案件ってどうやって取ればいいの?」と疑問が出てくるはず。そこで今回は、実際に数十名の歯科衛生士のコーチングに従事した筆者である私が、フリーランス歯科衛生士が行うべき案件獲得の方法や必要な知識について解説していきます。

今後のキャリアを変えたい方やフリーランス活動を考えている方は、ぜひチェックしてみてくださいね!

土井万喜子
D.HIT編集部 土井万喜子
北海道札幌市在住
歯科衛生士歴20年目
臨床経験を経て、歯科メーカー会社へ入社。退社後は副業として行っていたライター活動を本格的に開始し、フリーランスの世界へ。主に企業や歯科医院向けに記事執筆を行うほか、歯科以外の分野も請け負っている。また、歯科コンサルタントとしても活動中。

案件獲得前に準備しておくこと

フリーランス歯科衛生士になりたいけど、何を準備すればいいかわからない方が多いと思います。

「何を学べばいいの?」
「何から始めたらいいの?」

と、大半の方は最初のステップがわからないために、この時点で挫折してしまうかもしれません。では、何を準備すればいいかというと、答えはあなた自身の商品サービスを身につけることです。この商品とは、あなたが自信をもって顧客に与えることができるものである必要があります。

「商品っていっても、私にはそんなに秀でた才能はありません」
「知識もスキルも中途半端な私じゃ無理かな…」
「商品をつくる以前に、私には自信がありません」

「ごくごく普通の歯科衛生士だった私に商品を身につけるなんて無理だ…」と思われるかもしれませんが、ここで商品のつくり方を伝授します。それは、あなたの経験と独自性を考えてみることです。人間はこれまでの人生のなかで、さまざまな経験を積み重ねていきます。そして、その人自身の強みや独自性が、その経験のなかにかならず潜んでいるのです。独自性と聞くと難しく捉えてしまうかもしれませんが、あなたの好きなことや夢中になれること、苦なくできることはなんでしょうか?あなたが無意識にそつなくやってきたことこそが、あなたの強みであり独自性です。

たとえば

  • 人の話をずっと聞いていられる
  • 無駄なことが嫌なので何でも効率重視

など、普段何気なくやっていることはありませんか?

まずは、あなたの独自性を見つけるために、あなたの好きなことや苦なくできること、いつもしていることを紙に書き出してみましょう。意外な自分の強みに気づけるかもしれません。

もし個別具体的にご相談を希望される方は、D.HIT公式LINEからご連絡くださいね。

サービスの作り方については、こちらの記事も参考になります。

フリーランスDHとしての売り物は何か

経験や独自性をもとに商品やサービスが完成したら、いよいよ案件獲得へ進んでいきます。みなさんにとって、この案件獲得が最も難しく思えるフェーズだと思います。案件獲得は紹介営業と新規営業の2つが主流です。

 

案件の取り方「紹介営業」

紹介営業は、知人や知人の紹介で案件を獲得していく方法です。関係性がすでに構築されている場合が多いことから信頼を得やすく、新規営業に比べて案件獲得しやすい点が特徴です。ちなみに私も紹介からつながって案件獲得に至っています。知り合いの先生や企業からお声をかけていただいたことがキッカケで、お仕事につながっているのが実情です。

紹介営業を狙いたい方へおすすめポイントを以下に挙げましたので、ぜひ参考にしてみてください。

【紹介営業のポイント】

  • 身近な歯科関係者に自分の活動を伝える
  • 歯科関係者以外の人にも自分の活動を伝える
  • ランチや飲みに誘ってみる
  • いつもの会話の延長線上で、相手の「悩み」を聞いてみる
  • 案件獲得に至らなくても知り合いから信頼における人を紹介してもらう

紹介営業で案件獲得したいけど、歯科関係者に知り合いがいないという方も多いと思います。実は、歯科関係者だけが紹介営業の対象ではなく、まったく関係のない職種の人にも自分の活動を話しておくほうが案件獲得の幅が広がるのです。

人は、どこでどうつながっているかわかりません。知人や友人、家族に自分のことを話しておけば、どこかで「そういえば〇〇さんってフリーランス歯科衛生士だったな」と思い出してくれて、紹介につながる可能性があります。まずは自分のことを知ってもらうためにも認知活動の一環として、知人には声をかけておきましょう。友人はもちろん、いつも通っている美容院やネイルサロン、行きつけの飲み屋でもOKです。

案件の取り方「新規営業」

新規営業と聞くと、難しそうと恐れを抱く方も多いかもしれません。知り合いでもなんでもない初めて会う人に営業をかけるのですから、怖くて当然です。しかし、多くのフリーランス歯科衛生士は新規営業で案件獲得に至っているので安心してくださいね。

まずは新規営業の前に、紹介営業でも触れた歯科関係者以外の人にも自分の活動を伝える行動をしてみることをおすすめします。そのうえで、新規営業をスタートさせていきましょう。

【新規営業のポイント】

  • 商品のターゲット層を明確にする
  • どんな医院で、どんな院長・スタッフがいるかHPやSNSで調べる
  • 手紙や電話、SNSなどを駆使して相手に連絡する
  • 関係性構築を意識して仲良くなる
  • たとえ案件獲得に至らなくても知り合いを紹介してもらう

詳しく解説していきます!

商品のターゲット層を明確にする

商品やサービスが固まったら、営業するうえでターゲット層を明確にしておきましょう。たとえば、あなたの商品が「新人教育」なら、ターゲット層はこんな歯科医院が挙げられます。

  • 新人スタッフがいる医院
  • 教えられる先輩がいない医院
  • 業務の忙しさから教えられない医院

このように、ある程度教育を欲していそうな医院をターゲットに選択する必要があるのです。しかし、ここで注意してほしいことがあります。それは、この時点では歯科医院の現状について何も知らないということ。実際に歯科医院に行って院長やスタッフに聞いてみなければ、新人教育を欲しているかはわからないのです。そのため、まずは歯科医院に営業をかけて、院長と商談する必要があります。そこで改めて、自分が設定したターゲット層にマッチするかを照らし合わせてみましょう。

どんな医院で、どんな院長・スタッフがいるかHPやSNSで調べる

案件獲得も大事ですが、どんな人と働きたいか、どんな環境で働きたいかという点もみなさんにとって大事な要素だと思います。フリーランスで働く醍醐味は、一緒に働く相手や環境を選べること。案件だけ取れても自分に合わない人や環境では、長続きしないですよね。そういう意味でも、あらかじめどんな医院で、どんな院長やスタッフがいるかをHPやSNSなどで下調べしておくといいでしょう。ただ、こちらも実際に商談してみないと詳しいことはわからないので、商談で答え合わせする必要があります。

手紙や電話、SNSなどを駆使して相手に連絡する

ターゲット層やどんな相手と働きたいかを明確にしたら、いよいよ営業開始です。まずは商談のアポイント獲得のために、いろんな手段を駆使して連絡をとっていきましょう。手紙を書いたり、電話をしたり、SNSをしている医院にDMから連絡してみたりするなど、さまざまな手段をつかってコンタクトをとります。地道な活動ですが、まずは自分の存在を知ってもらうためにも多くの歯科医院にアプローチしていきましょう。

案件を得るためには、なにより大量行動が必須です。「営業が上手だから仕事が取れるんですか?」「強運だからフリーランスになれるんですか?」とよく聞かれますが、現在活躍するフリーランス歯科衛生士全員と言っていいほど大量行動をして理想を叶えています。そのため、営業がうまい下手ではなく数が大事なのです。

関係性構築を意識して仲良くなる

新規営業で最も意識すべきポイントは、顧客との関係性構築です。知人や知人の紹介だと、ある程度の関係性がつくられているため相手の悩みや課題を惹き出しやすいですが、初対面の相手は違います。

みなさんも初めて会う人に深い話はできませんよね?それと同じで、相手も無意識にバリアを張って本音で語ろうとはしないのです。そのため、まずは顧客と「仲良く」してみることを意識してみてください。本音の話ができるようになれば、相手も少しずつ心を開いてくれ、悩みや課題を聞き出すことができるようになります。

ここでアドバイス!
顧客とどう仲良くしたらいいかわからない人のために、大事なことを教えます。それは、あなたの志を伝えることです。志とは、あなたがフリーランスになるうえで抱く強い想いや商品に対する想い、顧客へ貢献したい想いなどを表します。志を伝えることで「この人は本気で、この仕事に向き合っているんだな」と伝わり、結果的に顧客と打ち解けるきっかけにつながったり、案件獲得に至ったりするなど、プラスに働くことは確実です。

たとえ案件獲得に至らなくても知り合いを紹介してもらう

商談に行ったものの、残念ながら契約に結び付かなかった…ということは往々にしてあります。ですが、失注になったとしてもそこで終わりではありません!これまで関係性構築のために顧客と仲良くすることを意識していたあなたなら、顧客は「契約できなくて申し訳ない」という気持ちになるはず。あなたを応援したいと思ってくれていれば、顧客の知り合いを紹介してくれる可能性があるのです。

これは紹介営業と同じプロセスにあたります。やはり、どこまでいってもベースにあるのは顧客と仲良くしておくこと。そして、応援してもらうこと。ここに尽きるのです。

フリーランス歯科衛生士に必要なこと

フリーランス歯科衛生士にとって案件獲得は何よりも重要です。ですが案件獲得を目指す前に、2つ必要なポイントを意識しておいてほしいと思います。それがマインドセットとビジネスの本質を知ること。この2つは、成果を出すために必要な土台要素です。

マインドセット

独立するうえでマインドセットは非常に大切です。というのも、いままで雇われの立場だったのですから、どうしても根底には雇われマインドがこびりついています。フリーランスは独立するということ。言わば、あなた自身が会社の社長になる必要があるのです。しかし、社長になってもあなたのマインドがいまと同じのままでは行動を変えても意識が変わらないのと同じ。これでは、結果的にいままでと同じ道を辿ってしまいます。

そして、成果を上げるためには何よりも自己肯定感が必要です。みなさんは自信をもって自己肯定感があると言えますか?マインドセットは、フリーランスになるうえで育てる必要性の高い項目の1つです。どんなに素晴らしい商品をもっていてもマインドセットできていなければ、案件獲得は難しいでしょう。

自己肯定感を高めるために何をすべき?

では、自己肯定感を高めるためにはどうすればいいでしょうか。
あなたはいつもマイナスな言葉を口癖にしていませんか?不満や愚痴、悪口などを言っていませんか?言葉が人格を形成する話は有名ですよね。ポジティブな言葉を発している人は自信に満ち溢れ、運を味方につけます。反対にネガティブな言葉を発する人は、いつも自信がなく、他責にする傾向が強いです。

ここで私からアドバイス。
手っ取り早く自己肯定感を上げる方法として、言葉を変えてみることをおすすめします。プラスな言葉、ポジティブな言葉を意識的に発してみましょう。最初は、そう思わなくても大丈夫です。言葉を変えることで徐々に意識に変化が生じてきますよ。

ビジネスの本質を知る

商品をつくるうえで、あなたの経験や強み、独自性が必要だとお話しました。しかし、売れる商品をつくるためには、顧客にとって価値や恩恵を与えられる商品でなくてはなりません。

ビジネスとは「誰かに何かを提供すること」「誰かの悩みを解決すること」であり、顧客のために貢献したい、役に立ちたいという想いや在り方が前提となります。このビジネスの本質を知らないと無意識に押し売りになってしまい、結果的に失注を招いてしまう…なんてこともめずらしくありません。

ビジネスで最も大切なのは「いい感じな人」であるかどうか

しかし、最も大切なことは商品以上に、あなた自身が「いい感じな人」であるかどうかがカギ。どんなに優秀で知識やスキルに長けていても、いい感じでなければ案件獲得を逃してしまう確率が高いでしょう。

この、いい感じな人の定義は人によっても異なりますが、私が考えるいい感じな人は、偏った解釈がない人物事を自分ごととして置き換えることができて行動に移せる人のことです。さきほど言葉を変えることをおすすめしましたが、いい感じな人こそポジティブでプラスな言葉を使っています。

まとめ

フリーランス歯科衛生士が案件獲得するためには、商品づくり→営業へとステップを進めていく必要があります。しかし、自分の強みや独自性、さらにどうやって営業していけばいいかわからない方も多いでしょう。

そんな方におすすめなのが、キャリアに悩む歯科衛生士を全力でバックアップするD.HITのキャリアトレーニングです。通称キャリトレでは、あなたの強みや独自性をもとに価値の高い商品づくりから営業の仕方までトレーニングしていきます。フリーランスに必要なマインドセットを身につけて案件獲得を目指しませんか?今後のキャリアを本気で変えたいとお考えの方は、ぜひ無料相談で相談してみてくださいね。

土井万喜子
D.HIT編集部 土井万喜子
北海道札幌市在住
歯科衛生士歴20年目
臨床経験を経て、歯科メーカー会社へ入社。退社後は副業として行っていたライター活動を本格的に開始し、フリーランスの世界へ。主に企業や歯科医院向けに記事執筆を行うほか、歯科以外の分野も請け負っている。また、歯科コンサルタントとしても活動中。