院長の、自分に対する評価にモヤモヤしていませんか?
「毎日必死で働いているのに、どうして私の頑張りは院長に届かないんだろう…」
一生懸命に診療に向き合っているつもりなのに、正当に評価されていないと感じると、モチベーションも下がってしまいます。
「なんであの子ばかりひいきされるの?どうせ院長に媚びを売ってるだけでしょ」なんて嫉妬してしまって、自分が嫌になることもありますよね…。
院長に信頼される歯科衛生士には、「理由」があります!単に世渡りが上手いからではないんです。
この記事でお伝えするのは、院長から「手放したくない!」と思われる特別な歯科衛生士になるための具体的なステップです。
- まずは患者さんからの信頼を得る
- 医院の売上を「自分ごと」にする
- 院長とスタッフの橋渡し役になる
「この人に任せておけば、うちの医院は大丈夫だ」
そう言われる存在を目指して、まずは今日の診療から、意識を変えてみてくださいね。
患者さんからの信頼で指名やリコール率を上げる!
院長の信頼を得たいなら、まずは患者さんから信頼される衛生士になり、それを目にみえる形で示すことです!
患者さんからの指名やリコール率の高さは、自分自身のやりがいになるだけでなく、医院の経営を支える強力な柱になります。
患者さんの信頼が「指名」に変わり、リコール率という明確な「数字」に表れた時、院長の評価は、間違いなく良いほうに変わります。
「患者さんと楽しくお話できたのに、次回の指名やリコールに繋がらない…」という人は、まずは目の前の患者さんへの声かけから変えてみましょう。
大切なのは、患者さんに「通わなきゃ」と義務感を感じさせるのではなく、「あなたに診てもらいたい」と感じてもらうための仕組みづくりです。
今日からすぐに実践できる3つのアプローチをご紹介します。
次回来院するメリットを具体的に伝える
メンテナンスの予約を取る際、「次は3ヶ月後にお願いします」と事務的に伝えていませんか?
すでに信頼関係ができていて、定期的に通ってくれている患者さんならいいのですが…そうではない場合、事務的な対応だけでは患者さんにとって通院が面倒なタスクになってしまいます。
通院のメリットを具体的に伝えてみましょう。
「〇〇さんのブラッシングはとてもお上手ですが、どうしても下の前歯は汚れが溜まりやすいんです。3ヶ月経つと、ご自身では落とせない歯石になってしまうので、その前に私が責任を持ってピカピカにしますね!」
と、患者さんのお口の状態に合わせた「パーソナルな提案」への変換がカギです。
「私の歯のことを一番わかってくれている」という安心感が、次回の指名へと自然につながります。
「ちょっとしたメモ」を習慣化する
患者さんとの何気ない会話。実はこれが、信頼関係を築くための宝の山なんです。
「来月、孫の運動会があるのよ」
「〇月に結婚式をするんです」
そんなプライベートな会話を、カルテの隅にこっそりメモ。そして数ヶ月後のメンテナンス時、何気ないタイミングで「そういえば、お孫さんの運動会はどうでしたか?」と一言かけてみてください。
「私のことを覚えていてくれた!」という小さな感動の積み重ねがが、患者さんが他の誰でもない「自分」を選んでくれる理由になっていくんです。
選択肢を絞って「YES」を引き出す
予約の打診をする時、「次回はどうしますか?」とオープンに聞いてしまうと、
「また落ち着いたら電話します」
「痛くなったら来ます」
と言われてしまうことが少なくありません。患者さんにとって歯医者の予約は面倒くさいものですから、そのまま来なくなってしまう人も多いです。
そこで効果的なのが、選択肢を絞るアプローチ。
「〇〇さんの今の良い状態をキープするためには、3ヶ月後、〇月頃のクリーニングがおすすめです。〇月の前半と後半なら、どちらがご都合よろしいですか?」
「行くか行かないか」ではなく、「いつ行くか」を患者さん自身に選んでもらう自然な誘導。
決して押し売り感は出さず、あくまで「プロとして健康のために提案している」というスタンスを崩さないのがポイントです。
院長目線で医院の売上を「自分ごと」に!
院長は歯科医師であると同時に、スタッフの雇用や医院の存続を守る「経営者」でもあります。
「もし自分がこの医院の院長だったら、どこの数値を伸ばしたいだろう?」と、経営者の視点を持てるスタッフは非常に貴重な存在です。
「お給料に関係ないからどうでもいい」ではなく、
医院の売上を「自分のこと」として捉える。
それができるようになれば、院長から信頼される歯科衛生士への大きなステップアップになります。
自費や物販の売り上げ目標を決める
まずは、ちょっと頑張れば手が届きそうな月間目標を立てて、実行してみましょう!
具体的な目標を立てることで、なんとなく毎日来た患者さんをこなすだけの働き方から、日々の診療に程よい緊張感とワクワク感が生まれます。
患者さんに何かを勧めるって、
- 「私は患者さんのためにケアをしたいだけで、営業マンじゃないのに…」
- 「自費や物販を勧めるのって、押し売りしているみたいで苦手…」
そんなふうに、抵抗感を抱く方もいるかもしれません。
ですが、少し考え方を変えてみましょう。
患者さんにホワイトニングやデンタルグッズをおすすめするのは、プロの歯科衛生士目線での「選択肢の提案」です。
ノルマ達成のための営業でも押し売りでもなく、患者さんのお口の健康を守るためのアプローチと考えると、ハードルが下がって少し気持ちが楽になりませんか?
ただ数字を追うだけでなく、「20人の患者さんに、本当に合うハブラシを届けるぞ!」という目標を持ってみてください。
でも、ただ闇雲に「これいいですよ!」と勧めても患者さんには響きません。大切なのは、患者さんのモチベーションが一番高まる瞬間を見極めることです。
患者さんに「YES」をもらうための3つのコツをお伝えします。
患者さんがユニットに座っていきなり「新しい歯ブラシが出たんですよ」と勧めても、患者さんは「いきなり何?歯ブラシを売りたいの?別に欲しくないんだけど…」と身構えてしまいます。
おすすめするなら、メンテナンスが終わってお口の中がすっきりし、患者さんが「この状態をキープしたい!」と感じている瞬間を狙いましょう。
言葉で伝えるのが苦手なら、院内の環境に頼るのも1つの方法です。自分の言葉で書いた手書きのPOPを待合室や洗面台に貼っておきましょう。
待合室って意外と暇ですよね。その時に、パッと目に付くPOPが貼ってあると、ついつい見てしまうんです。
「あ、これ私のことだ!私に必要かも」と思った患者さんが「あのPOPに書いてあった歯ブラシ、何が違うの?」と声をかけてくれたら、提案するチャンスです!
「これ、今売れているんです」ではなく、「〇〇さんのここの着色を落とすには、この歯磨き粉が一番効果的ですよ」と、“その人のためだけの理由”を添えて処方することで、患者さんも自分ごととして捉えてくれるようになります。
「この人は物を売り込みたいのではなく、私の悩みを解決してくれようとしているんだ!」と患者さんに思ってもらえるようなアプローチができる歯科衛生士は、売り上げ目標を達成しやすいです。
私の担当患者さんで、2か月に1回クリーニングで来院する女性がいるのですが、毎回、前歯だけプラークがべったりついているんです。話を聞いてみると、「歯石が溜まっているのは気になるけど、力をかけて磨くと歯を傷つけそうで怖い」とのこと。
いくら私がTBIしながら「ブラッシング圧をこれくらいにして磨いてください」と言っても、改善しませんでした。
そこで、患者さんのブラッシング圧を変えずにプラークを落とす方法はないかと考えたとき、クラプロックスの歯ブラシに変えれば、優しい力でも清掃性が上がることに気づきました。
早速患者さんに伝え、実践してもらうと…「これなら違和感なく磨けそう」と購入してもらえました。
クラプロックスは他の歯ブラシに比べると値段が何倍もしますが、「3か月使える」「毛量が多い分、弱い力でも十分にプラークが落とせる」とメリット伝えたら、何の抵抗もなく購入してもらえたんです。
値段より利点が勝ったという良い経験になりました!
「今回はチェアを倒す前にお困りごとを聞いてみよう」
「次は、おすすめするタイミングを変えてみよう」
目標を達成するために、そうやって自分で仮説を立て、工夫し、改善していける衛生士は、成長できます。物販の数字や自費の成約率は、あとからついてきます!
まずは目標を立て、そこに向かって動くことで、「あの子はただ作業をこなすだけでなく、医院の経営や患者さんの定着まで考えて動いてくれている」と院長が認める衛生士を目指しましょう。
新たな検査で保険点数を上げる
医院の売上を自分ごとにする、次のステップは、「患者さん1人あたりの保険点数を上げる」ということです。
患者さんごとの単価が低くなりがちな歯科医院にとって、患者さん1人あたりの保険点数を上げる工夫は、非常にありがたいアプローチ。
そのために、新たな検査を取り入れることを提案してみましょう。
とはいえ、ただ点数を稼ぐために不必要な検査をしようというわけではありません。
- 「最近、むせやすい高齢患者さんが増えているので、口腔機能低下症の検査を取り入れてみたいです」
- 「子どもがよく食べ物をこぼす、食べるのが遅い、といった悩みを抱える親御さんが増えていると感じます。口腔機能発達不全症の検査を導入してみませんか?」
これは、患者さんにとっても大きなメリットになり、結果的に医院の点数アップにも繋がるアプローチ。
「患者さんの隠れたリスクを検査で早く見つけ出し、お口の健康寿命を延ばす」という前提で、提案してみてくださいね。
令和8年度の診療報酬改定で、小児口腔機能管理料1が60点→90点に引き上げられ、
また歯科衛生士が口腔機能に関する実地指導を行った場合の評価として口腔機能実地指導料 46点が算定できるようになっています。
「患者さんファースト」を貫きながら、医院の経営にも貢献することができる歯科衛生士は、院長からの厚い信頼を得ることができるでしょう。
院長のビジョンに寄り添いながら、スタッフの声を橋渡しする
院長とスタッフの間に立ち「橋渡し」ができる歯科衛生士は、院長から信頼され、医院に欠かせない存在として高く評価されます。
キャリアを重ねてベテランになってくると、院長と若手スタッフの間に挟まれる「中間管理職」のようなポジションになり、
「院長の理想は分かるけど、現場は忙しすぎてそれどころじゃないよ…」
「後輩から医院への不満ばかり聞かされて、院長にどう伝えたらいいか分からない」
そんな息苦しさや難しさを感じることも多いですよね。そんなときにやってしまいがちなのが、
- 「みんなが文句を言っています」
- 「〇〇さんが不満気です」
と、現場のネガティブな空気や感情を、そのまま院長にぶつけてしまうこと。
院長だって人間。「俺だって皆のためにやっているのに!」と感情的になって、院内の空気が最悪になってしまうことも…
不満をそのまま伝えるのはNG!伝え方を少し工夫してみましょう。
「院長が目指す『予防に特化した医院作り』を実現するために、今はスタッフの業務過多で、丁寧なTBIに時間が取れていない状況です。
片付けや滅菌の業務負担がネックになっているので、クリーンスタッフの雇用や自動洗浄機の導入などで、歯科衛生士が本来の業務に集中できるように、環境を見直してみませんか?」
「若手スタッフの間で『もっと技術を学びたいけれど、日々の業務に追われて質問するタイミングがない』という悩みがあるようです。
医院の診療クオリティをさらに上げるために、月に1回、30分だけでも症例検討の時間をいただけないでしょうか?」
このように、ただ不満を伝えるのではなく、「院長のゴールに向かうための建設的な提案」として噛み砕いて伝えるのが重要です。
英語と日本語が通じない空間に優秀な通訳がいたら、お互いにとても救われますよね。実は、歯科医院でも全く同じことが起きているんです。
- 経営者として孤独になりがちで「なぜみんな、もっと上を目指してくれないんだ!」と悩む院長
- 目の前の業務で手一杯になり「私たちの大変さを分かってくれない!」と不満を募らせる若手スタッフ
どちらも対立したいわけではなく、ただ、見ている「視点」が違うだけなんです。
その視点のズレを埋めて、院長のビジョンを理解したうえで、現場の声を上手に通訳する。これは誰にでもできることではありませんが、これができれば、医院や院長にとって「なくてはならない存在」になることができます。
「ただ現場の不満を代弁する人」になるのか、「ビジョンを進めるための通訳者」になるのか。コミュニケーション術を身につけるだけで、院長からの信頼度は上がり、働きやすさもガラリと変わっていきますよ。
まとめ:信頼される歯科衛生士には理由がある!
院長から信頼され、「辞めないで」と引き止められる歯科衛生士になるヒントは見つかりましたか?
リコール率を上げる声かけ、売上を意識した自費・物販の提案、そして院長とスタッフを繋ぐ通訳としての役割。
大切なのは、「ずるい」と周りを羨むのではなく、自分の価値を高めることに集中すること!
数字や経営を意識した働き方に変えるだけで、日々の診療の景色はガラリと変わります。
まずは今日のカルテに、小さなメモを1つ書き残すことから始めてみましょう。小さな工夫が、医院にとって欠かせない存在への第一歩です。





