フリーランス歯科衛生士になって直面した6つのリスク!対処方法も解説

「フリーランス歯科衛生士になりたいけど、フリーランスは不安定だから躊躇している」

「フリーランスのリスクを知って対策しておきたい」

私はフリーランス歯科衛生士として活動してみて、6つのリスクに直面しました。この記事では私がフリーランス歯科衛生士になって経験したリスクと、それらに対処した方法について解説します。実際に効果のあった対策法だけを紹介するので、実践すれば成功確率も上がるでしょう。

フリーランスは会社員よりさまざまな面でリスクが高いですが、上手くリスク回避すると会社員以上に稼げて、キャリアを続けられます。フリーランスに興味があるけれど、リスクへの不安で行動できていないなら、ぜひ参考にしてみてください。

miu
D.HIT編集部 miu
新卒から7年半同じ歯科医院勤務していましたが、自分の人生の可能性を広げたく退職し『フリーランス』に! 現在は、歯科衛生士として訪問歯科メインに複数の歯科医院と契約、また歯科に特化したライターとして歯科関連の会社などで記事を執筆しております。

フリーランス歯科衛生士!正社員とは違う6個のリスク

フリーランスには会社員とは違うリスクがあることに、フリーランス歯科衛生士になってみて気づきました。自由が利きやすく、収入も天井がないフリーランスですが、その分リスクも高め

私がフリーランス歯科衛生士になって気付いたリスクについて、6つ詳しく紹介します。

収入が不安定

フリーランス歯科衛生士は収入が不安定です。「先月は30万円稼げたけど、今月は10万円だった。」なんてこともよくあります。実際に私はフリーランス歯科衛生士になって仕事がもらえるようになってからも、

  • 6ヶ月の契約が終了し、継続の話をしたが継続契約にはならなかった
  • 助っ人として契約していたが、スタッフの採用が決まり来月契約終了になった

ということがありました。契約終了になれば収入は激減です。

正社員を辞める前は、独身1人暮らしで、収入がなくなると生活ができなくなると不安を抱えていました。しかしフリーランスとして1年活動してみましたが、生活が苦しくなるようなことはありませんでした。収入のブレをできるだけ抑えるには、複数の契約を持つことや、定期的な仕事の依頼を安定して受けることがコツなのですが、詳しくは後述しますね。

福利厚生や社会保障が薄い

正社員時代は当然のように受けていた福利厚生制度は、フリーランスになればなくなります。また社会保障(雇用保険・健康保険・年金)も内容が薄くなったり、なくなったりします。私が勤めていた歯科医院は福利厚生制度が手厚く、以下のような制度を受けていました。

会社員時代に受けた制度
  • 住宅補助が毎月3万円
  • 年間15日の有給休暇
  • 役職手当
  • 資格手当
  • 往診手当

また雇用保険もフリーランスでは入れません。私は会社員からフリーランスになるまでの間、雇用保険の失業給付を受け生活を支えてもらいました。しかし雇用保険はフリーランスは入れないので、次仕事を失っても給付は受けられません。会社員時代は何も考えずに入っていた健康保険や年金も自分で手続きが必要で、内容も以前よりは悪くなってしまいました。

社会的信用が低い

フリーランスは社会的信用が低く見られてしまいます。具体的には、

  • ローンが組みにくい
  • クレジットカードが作りにくい
  • 家が借りづらい

ということが起こります。私の場合、家の借りづらさにとても困りました。不動産屋さんに家を借りたくて行ったのですが、「今の働き方だと…」と言いにくそうに、審査が難しいと伝えられたのです。収入的には正社員より良かったのに、です。個人事業主としてのキャリアがないと難しいということで、家探しに苦労しました。

スケジュール管理が難しい

フリーランスはスケジュール管理も全て自己責任。私は以前からスケジュール管理が苦手で、フリーランスの仕事管理もはじめは上手くきませんでした

  • 頼まれた仕事を全て引き受けてしまって仕事が追いつかない
  • 引き受けたものの、確認不足でダブルブッキング
  • 仕事を詰め込みすぎて体調を壊し、納期に間に合わない
  • 自由を求めてフリーランスになったのに、全然自由な時間がなくなる

こんな失敗をフリーランス初期にしてしまい、クライアントに大変迷惑をかけてしまいました。

仕事を見つけるのが難しい

フリーランス歯科衛生士は、自分で仕事を獲得しなければなりません。歯科医院が自分を必要と感じてくれるかどうかが、契約の成否を左右します。フリーランス歯科衛生士を必要としている医院は、以下のような状況が多いです。

  • 人が足りなくて助っ人として歯科衛生士業務をしてほしい
  • 新人さんが入ったけど教育できる人がいないのでお願いしたい
  • スタッフの産休育休の間だけピンチヒッターとして来てほしい
  • 専門の歯科衛生士がほしい

これらの状況でなければ、営業に行っても「フリーランス歯科衛生士はいらない」と断られてしまいます。営業前に見極めるのは難しく、駆け出しの頃はとくに仕事を探すのが難しいです。

最新情報が得られにくい

正社員の頃は出勤しているだけで入ってきていた情報が、フリーランスでは得られにくくなります。たとえば出入りの歯科商店さんからもらっている、新商品情報やセミナー情報はフリーランスになってから得られにくくなりました。情報が入ってこず、取り残されていくような孤独を感じることもありましたね。

困り事への提案、それに対しての同僚と情報交換、上司からフィードバックを受ける機会もフリーランスでは少ないです。そのためキャリアの成長が止まるリスクもあります。

フリーランス歯科衛生士のリスクを回避する方法!私の経験談

フリーランス歯科衛生士は、

  • 収入が不安定
  • 福利厚生や社会保障が薄い
  • 社会的信用が低い
  • スケジュール管理が難しい
  • 仕事を見つけるのが難しい
  • 最新情報が得られにくい

という状況になりやすいです。そこでこれらのリスクを回避するために私が実践した方法について、詳しく紹介します。

複数の医院と契約で収入激減リスクを下げる

フリーランスにとって、収入が安定しないのが一番大きなリスクです。正社員の時のように、基本給があり一定の収入が保障されている環境ではありません。そのため臨床歯科衛生士として働くなら、1つの歯科医院との契約に頼らず、複数の医院で働くのがリスク分散になります!

私も現在4つの歯科医院と契約をしています。複数の歯科医院と契約していれば、1つの医院で契約が終了になっても、残り3つがあるのでいきなり収入がゼロにはなりません

自分の価値を上げて契約を切られないようにする

歯科医院にとって価値のある歯科衛生士なら、契約解除されることはありません。新卒やパートなどで臨床歯科衛生士が新しく入ったら、助っ人のフリーランスは必要なくなり契約終了ということもあります。

そのため私は臨床以外の業務で提供できるサービス作りを心がけています。たとえば、臨床歯科衛生士として6ヶ月契約した歯科医院で、資料作成やマニュアル作りの提案で再契約!なんてこともありました。

また、臨床の契約なら、契約期間を年契約など長期にすると収入は安定しますよ。

社会保障の代わりを用意する

社会保障の薄さに不安があるなら、民間保険でカバーするという方法があります。フリーランスには、次のような社会保障がありません。

フリーランス対象外の社会保障
  • 傷病手当金
  • 失業給付
  • 労災保険
  • 育児休業給付金

これらの社会保障の代わりに、収入保障保険や医療保険で足りない部分を補っています。また貯金も会社員時代より増やして、もしもの場合に備えていますよ。

スケジュール管理ツールを活用する

スケジュール管理が苦手だった私は、フリーランスになってから試行錯誤した結果、「Googleカレンダー」1本でスケジュール管理することにしました。以前は手帳やさまざまなアプリも試してみましたが、管理ツールが2つ以上になると予定の入れ忘れなどがあったので、今はGoogleカレンダーのみです。

Googleカレンダーはパソコンでもスマホアプリでも見られるので、外出時にスマホでサクッと入力やパソコン作業中にタスク追加など便利です。また予定を忘れやすい私はリマインダー機能も活用していますね。

私は休暇の予定もGoogleカレンダーに入れています。以前は予定がないから仕事を入れてしまうことも多く、気づけば休みがないスケジュールになっていたこともあったので、今は休暇もしっかり入れるようにしました。

自己研鑽を怠らない

フリーランス歯科衛生士としてのキャリアを伸ばしていくためには、スキルアップが欠かせません

  • 研修やセミナーに参加
  • 同業者と情報交換
  • 業界の最新情報を収集

私は研修やセミナーへの参加に力を入れています。サブスク型のオンラインセミナーなら、どこでも学べるので便利です。フリーランスはセミナーへの参加費は自費になりますが、知識が増えるだけでなく、学びに投資しているということでクライアントからの信頼も高まるので、必要な投資だと思います。

勉強会に参加すると、新しい仕事に出会えることもあります。歯科医院の院長先生や同業者に積極的に挨拶しておくと、思いもよらない形で仕事が舞い込んでくることもありますよ。

多方面から仕事をゲットする

フリーランス初期は実績が少ないので、仕事を見つけるのに苦労します。そのため私はさまざまな手段を使って仕事をもらえるよう努力しました。

  • SNSで発信
  • 直接営業
  • 案件を紹介してもらう

SNSは「訪問歯科」に特化して発信し、内容に共感した歯科医院や歯科衛生士さんからメッセージをいただきました。またセミナーで出会った歯科医院へ直接営業することもあります。案件紹介はD.HITのサポートを活用しました。こちらのリンクからD.HITへ無料相談できますので、案件探しが不安なら利用してみてください。

また案件と取り方については以下の記事でも解説しているので、参考になります。

フリーランス歯科衛生士の仕事の取り方とは?案件獲得のステップを解説
時間やお金に縛られない自由度の高いフリーランスという働き方。実際、フリーランス歯科衛生士になりたくても案件をどうやって取るのかわからないことだらけ。フリーランス活動するうえで欠かせない案件獲得の方法とは?案件を取るまでのステップを紹介

フリーランス歯科衛生士として成功する秘訣

フリーランス歯科衛生士には多くのリスクがあり、私も最初はたくさん失敗してきました。しかし今でもフリーランスで仕事を続けられているのは、

  • 失敗を恐れず自分を信じて行動
  • フリーランスのリスクに早めに対処

この2つができていたからだと思います。これからフリーランス歯科衛生士を目指すあなたに、私が成功した秘訣をお伝えします。

失敗を恐れず自分を信じて行動

フリーランスになったばかりは、「自分にできるのだろうか?」という不安でいっぱいでした。失敗が怖く、常に「もしも」を考えてしまい行動が消極的になってしまうこともありました。

しかしフリーランス歯科衛生士として活躍するなら、失敗を恐れず行動していくことが肝心。歯科医院から契約を切られてしまっても、落ち込むのではなく自分のスキルを見直して成長の機会だと前向きに考えましょう。自分の仕事に誇りを持ち、常に前向きな姿勢で取り組むのが重要です!

フリーランスのリスクは早めに対処

フリーランスならではのリスクはいくつかありますが、その中でも、

  • 収入が不安定
  • 案件が取れない

というのが、成功するなら絶対に回避すべきリスクです。これらのリスクを避けるには、早めに察知して対処すること。

案件獲得が難しい初期は、サポートを受けるのも成功する秘訣です。D.HITのキャリアトレーニングでは、フリーランスの案件獲得のトレーニングも展開していますので、公式LINEの無料相談も活用してくださいね。

まとめ

フリーランス歯科衛生士は、

  • 収入が不安定
  • 福利厚生や社会保障が薄い
  • 社会的信用が低い
  • スケジュール管理が難しい
  • 仕事を見つけるのが難しい
  • 最新情報が得られにくい

というリスクがあります。私はこれらのリスクに対して、

  • 複数の医院と契約で収入激減リスクを下げる
  • 自分の価値を上げて契約を切られないようにする
  • 社会保障の代わりを用意する
  • スケジュール管理ツールを活用する
  • 自己研鑽を怠らない
  • 多方面から仕事をゲットする

という方法でリスクを回避し、フリーランス歯科衛生士として活動を続けられています。自由と引き換えにリスクが伴うフリーランスですが、対策すれば充実したキャリアを築けるでしょう。自信を持って一歩を踏み出してくださいね。

miu
D.HIT編集部 miu
新卒から7年半同じ歯科医院勤務していましたが、自分の人生の可能性を広げたく退職し『フリーランス』に! 現在は、歯科衛生士として訪問歯科メインに複数の歯科医院と契約、また歯科に特化したライターとして歯科関連の会社などで記事を執筆しております。