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長期契約、できてる? “選ばれる”フリーランス歯科衛生士になる秘訣!

フリーランスで働き始め、「最初は契約できたけど、長く続けてもらえるのかな…」と不安になっているフリーランスの歯科衛生士さんも、多いのではないでしょうか?

実は私も、最初は短期契約ばかりでした。

契約更新日が近づくたび、「このまま続けてもらえるのかな…」と毎回ドキドキしながら働いていました。歯科医院に訪問後も「もっとこうしておけばよかったかな」「私の対応、大丈夫だったかな」と反省ばかり。自分では頑張っているつもりでも、歯科医院からの評価はわからないからこそ、不安でいっぱいでした。

でも、そんな私でも、現在は複数の歯科医院と長期に渡って契約を維持できています!

私には、特別な技術があったわけでも、すごい経歴があったわけでもありません。私が意識したのは、信頼されるための小さな行動の積み重ねでした。

今回は、私が実際にやってきた行動や歯科医院から喜ばれたエピソード、逆に失敗して学んだことを全てお話しします。

「他の歯科医院にも声をかけてもらうにはどうしたらいいんだろう?」

そんな歯科衛生士さんの参考になれば嬉しいです。あなたも、小さな積み重ねで、必ず選ばれる歯科衛生士になれます!

miu
D.HIT編集部 miu
新卒から7年半同じ歯科医院勤務していましたが、自分の人生の可能性を広げたく退職し『フリーランス』に! 現在は、歯科衛生士として訪問歯科メインに複数の歯科医院と契約、また歯科に特化したライターとして歯科関連の会社などで記事を執筆しております。

技術だけじゃない「信頼+αの価値」

結論から言うと、複数の歯科医院と長期契約できているフリーランス歯科衛生士に共通しているのは、「この人なら安心して任せられる」と感じてもらえていることです。

私自身、実際に長期契約を継続できている背景には、「この人なら大丈夫」と思ってもらえる“安心感”があると感じています。

安心感とは、なんでしょうか。

それは、単にミスが少ないとか技術が高いということではなく技術・対応力・人柄の総合点で生まれるものです。歯科医院の負担を増やさない・ストレスを感じさせない存在であることです。

私自身、フリーランスになったばかりの頃は「スキルさえあれば長く契約してもらえるはず」「技術で結果を出せばいい」と思っていた部分もありました。

でも、実際は違いました。契約を続けるかどうかを決めるのは、歯科医院の人たちの気持ちです。どれだけスキルがあっても、歯科医院が「この人と一緒に働きたい」と思えなければ、長期契約にはつながりません。実際には技術よりも、歯科医院やスタッフの負担を減らし、気持ちよく仕事が回るようにする気遣いや姿勢が何よりも評価されました。

そういった、人としての対応力が、結局は契約維持のカギだったんです。

連絡が遅い、ドタキャンが多い、ちょっとした気遣いができない…そんな歯科衛生士さんは、どんなに技術が秀でていても、契約更新が見送られてしまうことがあります。

逆に、特別なすごい技術がなくても、段取りが良くて歯科医院がラクになる、雰囲気を乱さない、言われなくても動けるような歯科衛生士は、自然と「次もお願いしたい」と思われます。「歯科医院が安心できる環境を作れる人」が、結果的に契約が切れない人になるんです。

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安心感を作る具体的な行動

では、どうすれば「安心して任せられる存在」になれるのか?

ここでは、私が現場で意識している3つの行動を具体的に紹介します。

  • 状況を見て足りないことをサッとフォローする
  • 空気を和らげる一言をかける
  • トラブル時にも冷静に対応する

まず1つ目は、状況を見て、言われる前にサッと動くこと。

医院に到着したら、診療の流れやスタッフの動き、患者さんの様子を観察して「今、何が必要か」を自分で見つけて動きます。ある日、忙しすぎてスタッフさんが疲弊していたタイミングで、私が滅菌や片付けを進めていたら、「今日ほんま助かってる…」とこっそり声をかけてくれたことがありました。あの一言で、「気遣いってただの優しさじゃなくて、“戦力”になるんだ」と気づかされました。言われたことをこなすのは、当然の仕事。それだけでは選ばれる存在にはなれません。カルテの準備、滅菌物の補充、患者さんへの声がけなど、些細なことでも「言われなくても動いてくれる人」は医院から重宝されます。

2つ目は、空気を読み取って、雰囲気を和らげる言葉をかけること。

歯科医院って、緊張感がある職場です。とくに患者さんのトラブル対応中だったり、院長がピリついていたり、忙しさでスタッフ同士の空気がギスギスすることもありますよね。私はそんな時に、「今は黙っておいたほうがいいかな」「このタイミングでひとこと冗談を入れると空気が和らぐかな」など空気を読んで見極めながら、声のトーンや表情も調整するようにしています。私がよくやるのは、ほんのりふざけた一言を挟むこと(笑)院長がふっと笑ってくれたり、スタッフさんの表情が緩んだ瞬間、「今日もこの空間に安心感を届けられた!」と感じます。

そして3つ目は、トラブル時も冷静に、柔軟に動ける対応力を見せること。

これは、安心感を語るうえでめちゃくちゃ重要なポイントです。たとえば、予約の重複や機材トラブルなどが起きたとき。周囲がどんなに焦っていても、私は「大丈夫ですよ、こうしましょう」と落ち着いて行動するように意識しています。トラブル対応できる人材って実はなかなかいないので、重宝されます!「あのとき助かったわ…冷静やったな」と院長から言われ、そのあと契約は自然と継続になりました。

こういった行動はどれも、特別なスキルじゃありません。日々の小さな配慮と柔軟さを積み重ねていくことで、「この人が来ると安心する」「医院がうまく回る」と思ってもらえるようになります。安心感は、技術点じゃなく、人間力の積み上げで獲得するものだと、私は現場で何度も実感しています。

契約を長続きさせるには「院長目線」が大事

ある院長先生が言っていた印象的な言葉があります。

「上手いとか早いとかより、“気持ちよく働ける人”と続けたい」

この言葉を聞いてから私は、「動き」や「段取り」はもちろん、「ちょっとした返事のトーン」「伝言の仕方」まで、意識を変えるようになりました。その積み重ねが、「またお願いしたい」と思ってもらえる結果につながっていると実感しています。

私が現場で特に意識しているのは、「これは自分の担当じゃない」ではなく、「院長だったらどう感じるか?何を不安に思うか?」という目線で動くことです。それだけで、自分の動きの質がまったく変わってきます。

経営者の視点で考えると、契約を続けたくなる相手って、医院のリスクを増やさず、現場の空気を乱さず、むしろ整えてくれる人なんですよね。

  • 何かあっても、報連相がきちんとできる
  • トラブルがあっても、責任転嫁せず冷静に動ける
  • スタッフと揉めない
  • 院長がいない日でもきっちり任せられる

これらを「普通のこと」としてやっている人は、自然と「またお願いできますか?」と声がかかります。

医院にとって“外部スタッフ”は、「指導や教育コストがかからない即戦力」であることが前提になります。つまり、マイナスがない人=ゼロ評価ではなく、信頼される対象なんです。

準備や片付けが遅い人、報連相が抜ける人、スタッフへの気配りがない人…など、技術に問題があるわけじゃなくても、「あの人が来ると現場がザワつく」と思われると、契約更新にはつながりません。

“私がやりたいこと”より、“医院が求めていること”にフォーカスを合わせることがポイントです。このスタンスこそが、フリーランスとして生き残っていく最大のポイントだと、私は思っています。

契約が切れる人の3つの特徴

私自身、これまでに多くの歯科衛生士さんを見てきて、「あ、こういうタイプは継続しづらいんだな」と感じた共通点があります。本人に悪気はなくても、医院側から見ると“またお願いしたい人”にはなっていないケースは少なくありません。

私自身、契約が切れた時に感じたことも含めて、フリーランスや委託スタッフとして働く上で契約が切れやすい人に共通する具体的な特徴を、お話しさせていただこうと思います。自分自身を見直すヒントとして、ぜひ照らし合わせながら読んでみてください。

「私はやってますけど?」の姿勢

契約が切れる人にありがちな特徴の1つが、「やることはやってますよ?」という他人事スタンスになっていること。

たとえば…

  • 指示がなければ動かない
  • ルーティン以外のことは「私の仕事じゃない」
  • トラブルが起きてもフォローしない

その人の中では「ミスしていない」かもしれませんが、これでは医院から見ると「信頼できない」「任せづらい」と判断されます。フリーランスとして長く契約を続けていくためには、「私はちゃんとやってる」だけでは足りないということです。

フリーランスには“責任感と自発性”が求められているのです。

スタッフとの距離感が不自然

「一緒に働いていて、なんか違和感がある…」医院側がそう感じたとき、それが言葉にされることはほとんどありません。でも、水面下で“次回は呼ばないリスト”に入っていることはあります。

たとえば、

  • 常に一人で動いて連携が取れない
  • 指示を受けても反応が薄い
  • 空気を読まずに場違いな話をする 

こういった“協調性のなさ”“態度のクセ”は、現場では目立ちます。

実際に院長先生から「スキルはいいけど、チームとしては合わない」と判断されることもあります。スタッフさんが、一緒に仕事しづらいと思ったら、確実に、契約継続はありません。医院は“人との相性”をかなり重視する場であることを、忘れてはいけません。

自己改善をしない・振り返らない

契約が切れた時、「合わなかっただけ」「院長が変わってたから」と他責にする人がいます。

しかし、どんな職場でも共通するのは、「またお願いしたいと思われる人は、振り返り・改善を重ねている」ということです。

「自分が悪かった」ではなく「もっと良くできたかもしれない」を探すように振り返っているのです。つまり、「反省」ではなく「分析と改善」に近いイメージです。

契約が切れる原因のすべてが“相手のせい”とは限りません。小さな反省と工夫が、次の契約への扉を開く鍵になります。

歯科医院に感謝された!私のリアルな事例

契約を継続してもらえるかどうかは、「技術力」や「経験年数」よりも、医院にとって“プラスになる人”かどうかだと私は思っています。私の考えるその“プラス”とは、スタッフさんの負担を減らすこと・仕事が回りやすくなることです。

「今日も来てくれて助かったわ〜」「やっぱり来てもらうと院内の雰囲気が違うね」そんなふうに言ってもらえたときこそ、契約が自然と続いていきました。長期契約がもらえた事例から、私が意識して行動していたこと、契約継続してもらえた理由を紐解いていきたいと思います。

リアルな事例①無関心でいないこと

その医院では、受付とアシストの人数が少なく、常にバタついている状況でした。

その日も私はスケーリング中だったのですが、「後ろで何か起きているな」と気づいたんです。背後から聞こえるスタッフ同士の小声や、器具の音、ユニットの開閉音、誰かの急ぎ足の音など、診療室の“空気の変化”に、アンテナが反応しました。

それは、ただの無意識の感覚ではなく、普段から“周りの空気を読む姿勢”を大事にしているから!患者さんとの会話をしながらでも、ユニットの数・スタッフの動線・器具台の位置などを視野の端で確認するクセがついているんです。

私がその医院で意識していたのは、「誰かが焦って動いているときに、無関心でいないこと」

スポット勤務をしていると、院内のことも患者さんのこともわからないことが多いですが、確認すればできることは多いです。「こうすると仕事しやすいだろうな」「今、カルテ確認してあげれたら、スムーズに電話対応終わるかも」など、常に考えながら動いています。たとえば、新人スタッフがアポイントの確認に詰まっていれば…「この患者さん、前回の治療は、浸麻ありのIn形成でしたよ」とそっと記録を確認して声をかける。そんな、ちょっとした手助け。“一歩先に手を出す”という行動。

「誰かが大変な時、それを少しでもラクにするために、自分にできることがあるならやる」という姿勢で現場を見ると、自然と“次にすべきこと”が見えてきます。

他にも、以下のような場面で積極的に動いていました。

  • スケーリング終了後、スタッフが離れていれば、患者さんに会計案内まで対応
  • 滅菌室が混んでいれば、器具の仕分けまで自主的に
  • ユニットが次の患者で回らない時は、片付け→準備をまとめて進行

「この人がいれば現場が回る」と思ってもらえる人は、自分の仕事だけ(歯科衛生士業務だけ)ではなく、現場全体を見て動いているということです。誰にでもできることで、決して特別なスキルではありません。その歯科医院のことについて分かろうとする姿勢、わかる範囲で動く姿勢が、必要とされる人につながります。

その評価は、決して派手な行動やテクニックではなく、小さな気づきと実行の積み重ねでつくられていくのだと実感しました。

リアルな事例②トラブル時の安定感がカギ

私が業務委託で入っていた歯科医院で、急遽、院長先生が体調不良でお休みになったことがありました。その日は代診の先生と、新人スタッフ2人というメンバー構成。現場の空気は朝から不安と緊張でピリついていました。新人さんからすると、先輩もいない中、頼りの院長もおらず、代診の先生とはまだ数回しか会ってない状況で、テンパらないわけがないですよね。

私は、院長がいないという時点で「今日は絶対、現場が不安定になるな」と思いながら出勤をしました。だからこそ、朝の準備段階から「誰が何を任されていて、何が足りていないか」をいつも以上に観察し、流れを“整える”ことに徹しました。

具体的には、以下のようなことを意識してやりました。

  • 朝イチでスタッフ全員に軽く声をかけて、心理的な緊張をほぐす
  • 「先生いないけど、私たちで頑張りましょうね!」という明るいトーンで安心感を出す
  • カルテとユニットの進行状況を把握して、診療の順番変更を提案
  • 予約が重なっている患者さんの順序を入れ替え、「こっちは先に私が見るので、そちらの準備をお願いします」と代診の先生に調整
  • スタッフの混乱を防ぐために、次に誰がどのユニットに入るかを事前に整理して共有
  • 患者さんにも「今日は先生が体調を崩されてまして…」と丁寧に案内し、医院全体への信頼を落とさないように気を配る

これらを意識的に行動に移した結果、昼休憩中、新人スタッフさんが「今日は来てくれてありがとうございます。私達2人で、どうなるのかと思っていたので…」と言ってくれました。

このときに感じたのは、「技術」ではなく「安定感」が信頼になるということです。トラブル時に、黙って不安になるのではなく、静かに立て直す役目を担えるかどうか。それができる人に、歯科医院や院長は「また来て」と言いたくなるのだと思います。

つまり、フリーランスに求められているのは「対応力」と「空気を整える力」。誰かに指示されなくても、自分から医院全体を見て動ける人こそ、長く契約されるんだと、強く実感した出来事でした。

私が失敗から学んだこと

フリーランスとして働き始めたばかりの頃の「失敗」について話したいと思います。

私はとにかく、「技術で評価されなければ」と意気込んでいました。だからこそ、プロ意識を大切にして、診療中は無駄な会話をせず、黙々と自分の業務に集中していたんです。

すると、ある日スタッフさんから「なんか…ちょっと冷たく見える時ありますよね。近寄りがたい感じです」と、ポロッと言われたんです。しかも、悪意のない雑談の中で言われたので、正直ショックでした。私は真剣にやっていただけだったし、気を抜かずにやることがプロだと思っていたからこそ、「頑張っていたのに…え、私、冷たい人に見えるの?」と落ち込みました。

でも、そこで初めて気づいたんです。自分では「一所懸命」のつもりでも、周りからは「近寄りがたい人」として見えていたんだ…と。

フリーランスは、正社員ではないからこそ「関わりやすさ」「話しかけやすさ」「雰囲気の柔らかさ」まで見られている。その空気感をコントロールできるかどうかが、契約の継続に大きく影響していると痛感しました。

そこから私は、3つのことを変えました。

  1. 表情を意識する:「安心感がある顔」をつくる
  2. 声のトーンを上げる:診療中の声かけは落ち着いたトーン+明るさを意識
  3. 会話の“余白”を残す:スキマ時間に「今日は暑いですね〜」「○○さんの髪色かわいい」など、ほんの少しの雑談を入れて距離を縮める

結果、それまで契約更新に消極的だった医院から「雰囲気が変わったね」と言ってもらえたり、新たに契約した医院では「話しやすくて、現場が明るくなりますね」と言われるようになりました。

この失敗と修正から私が学んだのは、「正確さ」より、「感じの良さ」のある人の方が、医院からは求められるということでした。

技術や真面目さだけでは、契約は続かない。

自分がどう見られているかに気づき、それを軌道修正できる人だけが、フリーランスとして信頼を積み上げていける。それが、私のリアルな失敗と、そこから得た一番大きな学びです。

結論:人間関係構築を上手くやること

フリーランスとして複数の歯科医院と長期契約を続けるために必要なのは、特別な技術でも、派手な実績でもありません。

もちろん一定のスキルや経験は前提として必要ですが、契約が続くかどうかを分ける本当のカギは、「この人と一緒に働きたい」と思ってもらえるかどうかです。

つまり、“人間関係を構築できる力”がすべてなんです。

  • スタッフの動きを見て先回りする
  • 雰囲気を読み、空気を整える
  • トラブル時も落ち着いて、医院の負担を増やさない
  • 自分がどう見られているかを常に振り返る

これらはどれも、「医院の一員」として信頼される存在になるための行動です。信頼を得られれば、「技術」ではなく「安心感」で選ばれます。そして、その安心感は、人との関係性の中でしか育ちません。

契約が続くかどうかは、技術ではなく「人間関係構築ができるかどうか」で決まる!私がフリーランス歯科衛生士として現場で得た、一番大きな実感です。

どんな現場でも、誰かにとっての“プラスの存在”になれることが、複数の医院と長期契約を維持する秘訣になります。

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D.HIT編集部 miu
新卒から7年半同じ歯科医院勤務していましたが、自分の人生の可能性を広げたく退職し『フリーランス』に! 現在は、歯科衛生士として訪問歯科メインに複数の歯科医院と契約、また歯科に特化したライターとして歯科関連の会社などで記事を執筆しております。