「文章を書くことが好きだしライターをやってみたいけど、何から始めていいかわからない」
「歯科衛生士でもライターになれるのか秘訣を知りたい!」
文章を書いてお金がもらえる仕事といえばライターです。ライターは在宅でできることからフリーランスを志す歯科衛生士にとって魅力のある仕事だと思います。しかし、未経験の自分に果たしてライターができるのか気になる方も多いはずです。
そこで今回は、フリーランス歯科衛生士である筆者が、どのようなことをしてライターになったのか、その軌跡を辿りつつ未経験から稼げるライターになるまでの流れを紹介していきます。ライターとして仕事をしてみたい!在宅で仕事がしたい!とお考えの方に参考になる内容になっていますので、ぜひ最後までお読みいただけると幸いです。
ライターってどんな仕事?
ライターとは、クライアントから依頼を受けた内容に対して記事や原稿を書いて納品する仕事です。ライターと聞くと以下のようなイメージをもたれることが多いですが、みなさんはいかがでしょうか?
- 好きなことを書いて生活してる
- 在宅で楽に仕事してる
筆者もライターになる前は「文章を書くだけで仕事できるなんて最高じゃん!」と感じていました。しかしライターという仕事は、ただ文章を書いてWebや紙媒体に記事を卸すだけが目的ではないのです。では何が目的かというと、それは顧客の課題解決です。実はライターという仕事もビジネスに展開した仕事になります。
「フリーランス歯科衛生士の仕事の取り方とは?案件獲得のステップを解説」でもビジネスは誰かの悩みに貢献することだとお話しました。ライターも同じで、誰かの悩みを解決するために文章を書いています。ただ、ライターがほかの仕事と少し異なるのは依頼するクライアントのためだけではなく、記事を読む読者に向けて読みやすい記事を書く必要もあること。
企業やメディアは、読者に記事を読んでもらうことで自社の商品やサービスを宣伝し、最終的に購入してくれることを望みます。ビジネス展開が目的になるため、最良な記事をライターに発注するのです。一方で記事を読む読者は、ビジネス的な観点ではなく「ただ知りたいから」という欲求を満たすために記事を読みます。そのため、ライターは読者が知りたい情報を読みやすい形で書く必要があるのです。
このように、ライターは二重の観点から文章を書いていく必要があります。こうしてみるとライターの仕事が難しそうと思われるかもしれませんが、大丈夫です!筆者も最初のうちは気が回りませんでしたが、慣れていくと自然と意識が向くようになります。それに、どちらの課題解決を果たせたときのよろこびはひとしおですよ。
フリーランス歯科衛生士がライターになるためまでの道のり
筆者がライターを志そうと考えたのは2019年のこと。このときすでに歯科衛生士としてのキャリアが15年ほど経ち、安定の毎日を過ごしていました。ふと「このまま歯科衛生士だけをやり続けていくの?」と自問自答する日々が続いたある日、自身の子どものころの夢を思い出したのです。
筆者は文章を書いたりや絵を描いたりすることが好きな子どもでした。将来は作家や漫画家を志したものです。しかし、そんな思いも次第に薄れていき、結果として安定的な国家資格の歯科衛生士に落ち着きました。ただ、特に思い入れもない歯科衛生士を15年やり続けたことで、こんな考えに至るのです。
「好きなことを仕事にしたい!」
思い立ったら吉日。さっそく、筆者は好きな文章が書けるライターを志そうと決めます。当時はまだ正社員として歯科医院に勤務していましたが、副業という形でライターを始めようと考えたのです。しかし、ここで疑問が生じます。
「どうやってライターになればいいんだろう?」
では、ここから歯科衛生士しかしてこなかった筆者が、どのようにライターになっていったのか。その経験をもとに、ライターになるまでの道のりを紹介していきましょう。
最低限のPCスキルを身につける
ライターの仕事は大半がWebの記事作成になり、クライアントによって入稿法が異なります。基礎的なスキルでもいいので、以下の入力ができるように知識をつけておくと安心です。
- Word
- Excel
- WordPress
- Googleドキュメント、スプレッドシート など
また、クライアントとのやりとりは主にチャットでおこなわれる場合が大半です。併せてチャットツールの知識もつけておきましょう。
- Chatwork
- Slack
- Discord など
当時、筆者のパソコン知識はゼロ。ライターをはじめるためにパソコンを購入したほどです。最初にはじめたことはWordやExcelに慣れることからでした。情報はすべてインターネットやYouTubeで集めるなど無料で学べることに固執したため、すべて独学です。チャットツールに関しては、実際に使用してみないとわからないため存在だけは知っておくといいでしょう。
基礎的な文章力を身につける
ライターになるためには何といっても文章力が必要です。筆者は自身の文章力にそこまで自信がありませんでしたので、こちらに関してもインターネットを中心に文章力を上げる方法を検索しました。
よく文章力を身につけるために高額なライター講座に入会される方もいますが、筆者はせいぜい中古の本を購入して学んだ程度です。それでも事足りますし、特に困ったことはいままでありません。以下に筆者が実際に購入して学んだおすすめの本を紹介します。
〈おすすめ書籍〉
新しい文章力の教室
沈黙のwebライティング
それでも文章力に自信がない方や早く文章力を身につけたいという方は講座を受講することもおすすめです。ただ、さまざまな講座があるため、よく吟味してから選択するようにしてくださいね。
フリーランス歯科衛生士がライターで仕事を得るための流れ
ライターになるために準備段階を踏んだあとは、いよいよ仕事を取る流れへと進んでいきましょう。ここから紹介する案件獲得法も筆者の体験がベースになりますので、ぜひ参考にしていただけると幸いです。
クラウドソーシングを活用する(1か月~3か月)
まず、筆者が利用したのはクラウドソーシングというシステムでした。クラウドソーシングとは、インターネット上で個人や企業が受注者に対して仕事を依頼するプラットフォームのことです。ライティングだけではなく動画編集やWebデザインなど、さまざまな案件に対応しているので非常に使い勝手に優れています。
クラウドソーシングのなかでも特に有名なクラウドワークスやランサーズに登録しましたが、まったくの初心者で未経験の筆者が、いきなりライター案件に応募したところで案件をいただけるはずがありません。そのため最初はライター案件に手をつけず、タスク案件をこなしていく作業に徹していくことにしたのです。このタスク案件とは、アンケートに答えたり感想を書いたりする誰でもできる案件のことです。こうしたタスク案件をこなしていくことで、サイト内での実績が上がっていきます。
何件かタスク案件をこなして実績を重ねたのち、ようやくライター案件に挑戦です。最初は自分が書けそうなハードルの低い案件に的をしぼって応募し続けました。金額ではなく案件を得たいことを重視したため、低単価の案件に狙いを定めたのです。すると、いくつかヒットし、最初のライター案件を獲得することができました。
最初の案件は、忘れもしないファッション関連の記事作成です。10記事の依頼をいただきましたが、報酬は1本あたり1500円ほどだったと記憶しています。ただ、このときは契約できたことが非常にうれしく、10本すべて書き上げることに達成感を見出していました。こうして、このあともひたすらクラウドソーシング内で応募を重ねていき、常時2~3件のクライアントと仕事をすることになっていったのです。
もちろん、歯科衛生士関連の案件募集もなかにはあります。しかし、クラウドソーシングでは歯科関連の案件がそこまで多くない印象です。もし、歯科関連しか書けないという場合は案件が募集されるのを待ってみるのもありですし、すぐ取り組みたいという方はご自身が書けそうな内容から挑戦してみることをおすすめします。
SNSから応募する(3か月~)
クラウドソーシングで案件が取れるようになった次は、SNSの応募に挑戦です。特にX(旧Twitter)にはライターのアカウントが多く、最初は有益は情報を探るために登録していました。しかしTwitter内で案件の募集があったり自身の売り込みをしたりするツイートを見かけるたびに「もしや、Twitterでも案件が取れるのでは?」と思い、応募することにしたのです。
SNSで案件を取ることには、メリット・デメリットが当然あります。
【メリット】
直接契約なので手数料が取られない
単価交渉しやすい
【デメリット】
報酬を支払わず逃げるクライアントもいる
クラウドソーシングは案件が取れやすいですが手数料が発生するため、差し引いた金額が収入になります。たとえば、クラウドワークスでは契約金額(税込)の5~20%、ランサーズでは16.5%が報酬額から控除される仕組みです。しかしクラウドソーシングの場合、仮払い制度があることから報酬が支払われないことはないので安心な側面もあります。どちらを選択してもメリット・デメリットはありますが、結局は個人の判断であり自由です。
その後、筆者はTwitter経由で何件か応募をしたりスカウト(クライアントから仕事の依頼をもらう)をいただいたりしながら、何件か案件獲得に至りました。いまのところ大きなトラブルもなく、仕事をさせていただいています。スカウトでは歯科関連の記事をお願いされました。Twitter内には、歯科メディアや歯科医師、歯科衛生士のアカウントが多いことから、普段からコメントやフォローというアプローチをしていたところ、スカウトがあったのです。こうしたアプローチ作戦も功を奏したと考えています。
直接、企業やメディアに応募する(5か月~)
SNSと同時期におこなっていたのが、企業やメディアに応募するスタイルです。インターネットの検索窓に「ライター 企業案件」と入力すると、企業やメディアがライターを募集しているページをいくつか発見することができます。もし応募ページがなくても直接企業に「ライターを募集していませんか?」と、こちらから尋ねてみることもおすすめです。
筆者はどうしても書きたいメディアがあったので自分から売り込んだところ、契約に至った経緯があります。
【メリット】
単価が高め
記事数が多い
【デメリット】
テスト案件がやや難しい
企業やメディアの記事は読者数も多いので依頼される記事数も多く、単価も比較的高い傾向です。(1文字1円~が多め)
しかしデメリットとしては、ライターのスキルを判断するテスト案件を受ける必要があります。テスト案件は企業だけではなくクラウドソーシングの案件やSNS案件でもありますが、企業のテスト案件はやや難しい傾向です。
また、企業やメディアだけではなく、歯科医院がライターを探しているケースもあります。多くの場合、ホームページに載せるブログ案件を書けるライターを探していることから歯科ライターのニーズは高い傾向です。ただし、募集をしている媒体はホームページからではなく、クラウドソーシングやSNSを使用するケースを見かけます。そのため、日ごろからクラウドソーシングやSNSを確認してみるといいでしょう。
ほかにもこちらから歯科医院に直接営業をしてみることもおすすめです。フリーランス歯科衛生士であれば営業をして契約を獲得する必要があります。そのときにブログ更新ができないという課題が出たら、提案してみましょう。意外にブログ更新ができずに悩まれている院長先生は多くいます。
案件獲得に至るまでに大切なこと
さまざまなツールで案件探しをしてきたなかで筆者が考える案件獲得に至るまでに大切なことは、クライアントにとって信頼できるライターでいることです。信頼とは文章がうまいライターというわけではなくレスポンスが早い、コミュニケーションが取れる、納期を守るライターのことを指します。
「それ、当たり前じゃない?」
と思われた方も多いと思いますが、実はこの当たり前の行動をとれないライターは非常に多く存在します。直接対面しない環境下なので、ついコミュニケーションを怠ったり、場合によっては飛んでしまったりするライターはゴロゴロいるのです。そんな理由から、クライアントは当然のことを当然のごとくできるライターを求めています。
筆者もライターを未経験からスタートするうえでクライアントが求めるライター像を考え、自身が当てはまるように意識してきました。そのおかげで、ライターをはじめたときに契約していただいたクライアントとは、いまでもお仕事を継続させていただいています。お互い気持ちよく仕事をするためにも、まずは挨拶やコミュニケーションを大切にすることが重要です。
ライターで稼ぐためのポイント
案件獲得の流れまでを紹介しましたが、実際にライターは稼げるのか疑問に思われる方も多いと思います。結論からいうと、ライターは本気でやれば稼げる仕事です。ただ、未経験からいきなり稼げる仕事ではありません。まずは、目標額を決めて段階を踏んでいくことをおすすめします。たとえば最初は月1万円を稼ぐことを目標にして、続いて月5万円、月10万円…のように少しずつ段階を踏む感じです。ここまではクラウドソーシングだけでも比較的簡単に達成できます。
さらに稼ぎたいのであれば、専門性の高い分野で仕事を得てみましょう。専門的分野は誰でも書ける内容ではないため、単価が比較的高めです。フリーランス歯科衛生士の場合、歯科という専門性の高い記事が書けるため高めの単価からスタートすることができます。歯科専門ライターとして、どんどん仕事を受けてみましょう。
また、数か月継続していった先には単価交渉も必要です。ただし単価交渉ができるようになるためには、日ごろからの誠実な仕事ぶりが重要になります。クライアントに求められるように信頼性に富んだライターであり続けるようにしましょう。
ライターに向いている人の特徴
よく「ライターは誰でもなれる」という話を耳にします。資格がなくてもできるという意味では、たしかに誰でもなれる職業です。しかし、ライターになるためにはそれなりに素質が必要であり、それらが備わっている人は意外に少ないと感じています。
そこで、筆者が考えるライターに向いている人の特徴を以下に挙げてみましたので、自身が当てはまるかどうかチェックしてみてくださいね。もし当てはまらなくても、改善する気持ちがあればライターに挑戦してみてほしいです。
文章を書くことが好き
やはり文章を仕事にする以上、文章を書くことが好きな人が向いています。文章を読むのも書くのも苦にならないことはライターをするうえで必要不可欠です。
コミュニケーション能力がある
ライターはクライアントとコミュニケーションを取るために、普段からチャットツールを介してやりとりをします。ほかにも打ち合わせのためにオンラインミーティングを組むこともあり、完全にコミュニケーションを絶つことはできません。直接会って話をするわけではないため、こうした文面でのコミュニケーションは非常に重要です。
また、ライターは読者の気持ちを想像して記事を書くスキルも必要であるため、普段から相手の立場で物事を考えることができる人が求められます。
調べる能力がある
ライターが最も時間を費やすといわれているのがリサーチ(情報収集)です。リサーチを念入りにするかしないかで記事の完成度が変わってきます。普段からわからないことをインターネットや本などで調べる習慣がないと、ライターを苦痛に感じてしまうかもしれません。そのため調べることが苦にならない人がいいでしょう。
ひとつのことをコツコツ続けられる
ライターは黙々と同じ作業を繰り返す仕事です。文章を書くことが好きでも継続が苦手な人はあまり向いていないかもしれません。先ほども述べたように、ライターは誰でもなれます。ただし、そのなかでライターを続けられる人は1年後10%も残っていないのが現状です。それほど出入りが多い職業なのです。どんなときもコツコツ1人で作業をやり遂げられる素質がある人はライターに向いているといえます。
素直で成長意欲がある
自分のなかで満足のいく記事が仕上がったとしてもクライアントにダメ出しを受けることは多々あります。特に初心者ライターは修正やフィードバックをもらう頻度が多いですが、指摘を受けても素直に受け入れることができずに辞めてしまう人も少なからず存在します。こうしたプライドが高すぎる人や成長意欲がない人はライターに向いていません。フィードバックを素直に受け入れ、成長したいと思える人こそライターとして成功できるでしょう。
まとめ
フリーランス歯科衛生士がライターとして成功するためには、まずは行動してみることに尽きると思います。未経験からはじめることでも興味や覚悟があれば、まずはやってみる・行動してみることが大切です。
今回紹介した内容は筆者の体験がベースにあるため、すべて同じように取り組む必要はありません。ですが、ぜひ参考にしてチャレンジしていただけるとうれしいかぎりです。
歯科衛生士がライターになることは特別難しいことではありませんので、まずは勇気を出して踏み出してみてくださいね。今回の記事が、あなたの背中を押す一歩となりましたら幸いです。