『もっと他の資格が必要かな?』
歯科衛生士として働いていて、そう考えたことはありませんか?
私たちの持つ「歯科衛生士」という資格は、専門知識と技術を活かして人々の健康と笑顔を守ることができる、素晴らしい資格です。歯科衛生士は医療従事者として社会に貢献できる、非常に意義のある仕事です。そして高齢化が進む現代において、口腔ケアの重要性は高まっており、ますます歯科衛生士の仕事の価値が高まることが期待されています。このことはすでに、皆さんが身を持って感じていることと思います。
そんな素晴らしい資格を活かして働いているにも関わらず、「さらに資格が必要」と思うのはどうしてでしょうか?
今回は、歯科衛生士が、プラスアルファで取得を目指せる資格についてご紹介します。
さらに、他の資格を持っている歯科衛生士さんへのアンケートも実施しました!新たな資格をどのように活かしているのか、その経験や気づきを共有できればと思います。新たなスキルや知識を身につけることで広がる可能性について、参考にしていただけると嬉しいです!
特別な資格はなくてもフリーランスになれる
歯科衛生士以外の資格がないと、フリーランスとして活動するのは難しいのでしょうか?
いいえ、そんなことはありません。歯科衛生士プラスアルファの資格がなくても、フリーランスとして働くことはできます。
みなさんがすでに持っている「歯科衛生士」の資格こそが、フリーランスとしての活動を始めるには十分ですので、まずはそこを覚えておいてくださいね。
これまで様々な現場で働く歯科衛生士の方々とお会いした中で、私が感じているのは、歯科衛生士という仕事に従事する人たちは向上心が非常に高い方が多い、ということです。
多くの歯科衛生士は、患者さんのために自分の知識や技術を深め、より良いケアを提供したい、という強い思いを持っています。「もっと医院に貢献できるようになりたい」「より専門的なスキルを身につけて、自分の役割を広げたい」という熱い気持ちが、日々の学びや自己研鑽に繋がっているのだと思います。その結果スキルアップが進み、新たな資格の取得へと繋がっていく姿が見受けられます。
こうした努力の積み重ねが、より専門的な分野での活躍や、フリーランスとしての独立に結びつき、患者さんへのサービスの質を一層向上させる原動力となっていると感じます。
では、「歯科衛生士以外の資格」を持つ人は実際どのくらいいるのでしょう?
これについては、はっきりとしたデータは存在しなさそうです。
日本歯周病学会認定歯科衛生士に関するデータを例に挙げたいと思います。この試験に申請できる条件を満たす歯科衛生士は、日本の就業歯科衛生士のうち78,288人ほどが該当するとされています。しかし、実際に試験を申請する人はこのうち約1%程度にとどまり、令和6年8月1日時点で認定歯科衛生士として登録されているのは1,431名です。これはこれまでに資格を取得した累計人数であり、現在の申請可能者数と単純に比較できるものではありませんが、7.8万人のうち1,400人あまりですから、かなり少ないと言えると思います。
さらに、これが「フリーランス歯科衛生士」という枠組みになると、かなり希少な存在になるでしょう。
つまり、特別な資格を持っている、ということは、個性を際立たせる大きな強みとなると言えます。フリーランス歯科衛生士として活動する上で、単なるスキルの証明を超え、専門性や信頼性を強くアピールできる武器となるんです。
資格を取ることは、フリーランス歯科衛生士としての可能性を大きく広げる価値あるステップと言えるでしょう。
フリーランス歯科衛生士で役立つ資格①認定の資格
歯科衛生士としてさらに活躍するために役立つ資格とは、一体どのようなものがあり、どのように仕事に活かすことができるのでしょうか。具体的に見ていきましょう。
学会認定歯科衛生士の資格
学会認定歯科衛生士とは、特定の専門分野において高度な知識と実践的な技能を有していると学会で認められた歯科衛生士のことを言います。
専門分野は多岐にわたります。認定資格を持つことで、歯科医師や患者さんからの信頼度がさらに高まり、医療現場での貢献度を今まで以上に向上させることができます。また、専門性を活かしてフリーランスとして独立する際にも大きな強みとなり、自身のキャリア形成にも役立つ資格です。
現在、一般財団法人口腔保健協会のホームページで紹介されている、歯科衛生士が認定資格を取得できる学会は以下のようなものがあります。
- 特定非営利活動法人日本歯周病学会
- 公益社団法人日本小児歯科学会
- 特定非営利活動法人日本臨床歯周病学会
- 一般社団法人日本歯科麻酔学会
- 一般社団法人日本レーザー歯学会
- 一般社団法人日本歯科審美学会
- 一般社団法人日本スポーツ歯科医学会
- 一般社団法人日本全身咬合学会
- 一般社団法人ジャパンオーラルヘルス学会
- 一般社団法人日本口腔リハビリテーション学会
- 一般社団法人日本口腔衛生学会
- 公益社団法人日本障害者歯科学会
- 一般社団法人日本老年歯科医学会
- 特定非営利活動法人日本歯科保存学会
認定歯科衛生士の資格を取得するには、条件を満たし、試験に合格する必要があります。資格取得後は、生涯研修制度などに参加して、最新の学術知識や医療技術を学び続けることが求められます。また、資格更新時には、学会参加など一定の基準をクリアしている必要があります。
日本歯科衛生士会認定の資格
この資格は、公益社団法人 日本歯科衛生士会の認定研修を修了した歯科衛生士、または同会が指定・委託する専門学会等から推薦された歯科衛生士が、認定歯科衛生士審査会に合格し、名簿に登録されることで取得できます。歯科衛生士の資質向上と業務の質の向上を目的とした認定制度です。
①認定分野A 基礎的な専門分野
歯科衛生士の基本的な専門知識や技術を高めるための資格で、予防歯科や摂食嚥下リハビリなど、幅広い研修を通じて認定されます。
②認定分野B 高度な専門分野
特定の専門分野(例:障害者歯科、老年歯科)での知識や技術を証明する資格で、関連する専門学会が推薦し、日本歯科衛生士会が認定します。
③認定分野C 指導者向け分野
教育や研修の指導者を目指す資格。一定の条件を満たすことで、必要な講習を受けることができます。
(参照:日本歯科衛生士会認定歯科衛生士)
一口に認定資格といっても、その種類は意外とたくさんありますよね。
気になる方は、ぜひ各学会の公式HPをのぞいてみてください。資格の特徴や取得までの流れ、必要な研修などが詳しく紹介されています。
認定の資格を活かしてどう働く?
認定資格を取得することのメリットは、何といっても専門的な知識やスキルがあることを堂々とアピールできることです。資格を持っていることで、「私はこの分野のプロです!」と胸を張って言えるのは大きな強みですよね。
特にフリーランスとして活動する場合は、認定資格はまさに名刺代わり。ひと目で「この道のプロ」と分かってもらえるため、専門性を活かした働き方がしやすくなります。
歯科医師やスタッフからの信頼はもちろん、患者さんにも「この人に任せたい!」と思われる存在になれます。ただし、その分責任も増すので、一層気を引き締めて仕事に臨むことが求められます。
歯周治療のプロとして働く
歯周治療のプロフェッショナルとして個別に医院と契約し、治療やメインテナンスを担当する働き方があります。
歯周治療には的確なSRPの技術や予後を見通す力が求められます。こうしたスキルを身につけるには相当の時間がかかります。しかし、患者さんは待ってはくれません。スキルを持つスタッフが医院にいなければ、対応できない患者さんが出てきてしまいます。
そこで、歯周病学会認定資格を持つフリーランス歯科衛生士が活躍します!
フリーランス歯科衛生士としてクリニックに入って、対応が難しい患者さんの治療やメインテナンスを専門に行い、また知識や技術を指導したり、歯周治療システムが確立してない医院へのシステム作りのアドバイスをしたりして、サポートします。
必要なケアを適切なタイミングで提供し、医院と患者さん双方にとって頼れる存在となるのが役割です。医院ごとに異なる治療方針に対応しながら、自分のスキルを最大限に発揮できる働き方のひとつです。
SNSでオンライン講座を開く
SNSなどを通して一般の方向けに、お口の健康や口育についてオンライン講座を開くという働き方もあります。
この際にも、資格を持っていると差別化でき、非常に役に立ちます。対面でのやり取りがないオンラインの世界では、相手の実績や専門性が見えにくいもの。だからこそ、資格を掲げることで「この分野の専門家なんだな」と認識してもらうことで、相手に安心感を与えることができるんです。
認定資格は専門性を証明する“看板”
私がフリーランスという働き方を選んだ理由の一つは、さまざまな医院に介入できるからです。今の歯科医療業界では、医院によって提供される医療の内容や体制に違いがあり、必ずしも均一とは言えない現実があります。そのため、患者さんが自分で調べて足を運んでも、思うような治療が受けられず、いくつもの医院を渡り歩く「治療ジプシー」になってしまうケースも少なくありません。
患者さんが「前の医院ではもう歯は残せないと言われた」「こんな説明はなかった」と困惑しながらたどり着く姿を、たくさん目の当たりにしてきました。専門を掲げる医院でさえ十分な治療が受けられないケースがあることに、歯科衛生士として胸が痛みます。
その背景には、スタッフ不足や治療できる歯科衛生士がいない、治療システムをどうスタッフと共有したらいいかわからないなど、医院ごとにさまざまな理由がありますが、患者さんは日々やってきます。だからこそ、一つの医院にとどまらず、必要な場所へと向かうフリーランスDHとしての役割があると考えています。
そして、認定資格はその想いを形にした「看板」のようなものだと思っています。
新しい仕事のチャンスにも繋がりやすい
「認定歯科衛生士」という看板で、クライアントとの信頼構築がスムーズになり、新しい仕事のチャンスにつながることもあります。
例えば、私自身の経験ですが、SNSで「臨床歯周病学会認定歯科衛生士です」と発信したことで、歯周治療に力を入れたいと考える先生から直接お声がけをいただいたことがあります。そのご縁から、現在は歯周病専門歯科医院の開業研修プログラム作成というお仕事に携わっています。資格が一つの名刺代わりになった瞬間でした。
認定資格を取得することのメリットは、こうした形で実感できることもあります。資格はゴールではなく、新しい可能性を広げるための一歩。フリーランスという働き方と組み合わせることで、より多くの患者さんや医院に貢献できる機会が生まれるのではないでしょうか。
フリーランスで役立つ資格〜②認定以外の資格
「もっとスキルを高めたい」「新しい分野にも挑戦してみたい」と思っている歯科衛生士さん。認定資格以外にも、歯科衛生士として役立つ資格はたくさんあります!たとえば、こんな資格です。
- ホワイトニングコーディネーター
- 歯科感染管理者
- 健康経営アドバイザー
- トリートメントコーディネーター
- デンタルエステティシャン
- 歯並びコーディネーター
- 滅菌技師
- 地域糖尿病療養指導士(CDEL)、糖尿病療養支援士(CDS)
- 栄養士
- 健康咀嚼指導士
歯科衛生士としての成長をサポートする資格やその活かし方、どんなタイプの方におすすめかをまとめました。新たな挑戦に向けて、参考にしていただけると嬉しいです!
ホワイトニングコーディネーター
ホワイトニングは審美歯科分野のなかでもニーズが高い施術です。 カウンセリングのスキルがあれば、クリニックのホワイトニング成約率アップにも貢献できます。 フリーランスとして活動するなら、クリニックと提携して契約を結び、訪問ホワイトニングを提供する道も!
- 歯科医院でホワイトニングのカウンセリングや施術のサポート
- 訪問や医院の一角を間借りしてホワイトニングサービスを展開し、フリーランスとして活動
- ホワイトニング専門のセミナー講師として活躍
- ホワイトニングサロンを開業
- 美容や審美歯科に興味がある
- 患者さんとじっくり話しながらケアをしたい
- 自費診療に強くなりたい
歯科感染管理者
日本・アジア口腔保健支援機構が設けている認定資格で、「第一種歯科感染管理者」と「第二種歯科感染管理者」の2種類があります。
感染対策の重要性は年々高まっており、専門知識を持つ人材は重宝されます。 歯科医院の衛生管理の責任者として働くのはもちろん、フリーランスで複数の医院を巡回しながら指導を行う働き方も。
- 歯科医院の感染管理を強化し、安全な医療環境を作る
- 複数の医院を訪問し、感染対策コンサルタントとして活動
- 院内スタッフ向けに感染予防の研修を実施
- 感染対策や衛生管理に興味がある
- 裏方で医療環境を支える仕事にやりがいを感じる
- 新しい知識を学ぶのが好き
健康経営アドバイザー
経済産業省の委託を受けた東京商工会議所が育成・認定した資格。健康経営の必要性を伝え、企業が健康経営に取り組むための情報を提供し、実践を支援する専門家の資格です。
企業の健康管理に口腔ケアを取り入れる動きが広がっており、歯科衛生士の知識を活かすチャンスがあります。 健康経営の視点を学ぶことで、歯科医院と企業をつなぐ新しい仕事を生み出せるかもしれません。
- 企業向けに健康経営のアドバイスを行う
- オーラルヘルスの重要性を伝える研修講師として活躍
- 歯科医院と企業の架け橋となり、予防歯科を広める
- 企業で働く人の健康サポートに興味がある
- 口腔ケアの啓発活動をしてみたい
- 医科歯科連携や新しい分野に挑戦したい
トリートメントコーディネーター(TC)
トリートメントコーディネーターは、患者さんと歯科医療チームの間に立ち、治療内容や費用の説明、治療計画の提案など、橋渡しをする重要な役割です。
「歯科衛生士+TC」という肩書きを持つことで、患者さんとの信頼関係を深め、医院全体の診療効率をアップさせることができます。
- 院内での治療カウンセリングを担当し、患者さんの不安を和らげる
- 歯科医院の利益向上に貢献し、経営面を支える役割として活躍
- 医院を訪問し、スタッフ向けの接遇研修を実施
- 患者さんとじっくり向き合う仕事がしたい
- コミュニケーションスキルを活かしたい
- 歯科医院の経営やマネジメントにも興味がある
デンタルエステティシャン
デンタルエステの施術を専門に行う技術者です。デンタルエステティシャンの資格は、特定の一つの協会に統一されているわけではなく、さまざまな団体やスクールが認定する資格が存在します。
デンタルエステは、歯科医院に新しい付加価値をもたらす分野です。施術スキルを活かし、医院での施術だけでなく、美容サロンとの提携や独立開業も視野に入れることができます。
- 歯科医院でフェイシャルマッサージやリップエステを提供
- デンタルエステを自費診療の幅を広げるための新しいメニューとして導入し、医院の付加価値を高める
- 独立してサロンを開業し、歯科と美容の架け橋になる
- 審美歯科や美容、リラクゼーションに関心がある
- 患者さんにリラックスしてもらう施術をしたい
- 新しい技術を学び、差別化を図りたい
- 歯科医院のサービスの幅を広げたい
- 自費診療にチャレンジしたい
歯並びコーディネーター
良い歯並びの大切さを広め、一般の方が歯科矯正を正しく理解できるようサポートする資格。
歯並びコーディネーターは、矯正治療を考えている患者さんに治療の流れを説明し、身近な相談相手として、矯正に関する不安や疑問に寄り添い、適切なアドバイスを提供する役割も担います。
矯正治療は期間も費用もかかるため、患者さんの決断を後押しし、治療中の気持ちを支えるカウンセリングスキルが求められます。矯正専門クリニックだけでなく、一般歯科でも矯正相談を担当できるため、活躍の場が広がります。
- 矯正治療を考えている患者さんのカウンセリングを担当し、患者さんの不安を解消
- 矯正専門クリニックや一般歯科で、治療の流れをわかりやすく説明
- 矯正治療の基礎知識を活かし、スタッフ向けの勉強会を開催
- 矯正治療に興味がある
- 患者さんの悩みや不安に寄り添いたい
- 説明するのが得意で、話をわかりやすく伝えるのが好き
滅菌技師
医療施設に関連した滅菌供給の知識と実践に優れた技士を養成するための資格です。
滅菌管理は、医院の安全性を守るために欠かせない仕事です。専門的な知識を持つことで、院内での信頼も高まり、感染対策の要として活躍できます。
- 歯科医院での器具の滅菌管理を徹底し、感染予防を強化
- 滅菌管理の専門家として、複数の医院を巡回指導
- 院内スタッフ向けに衛生管理の研修を実施
- 衛生管理や感染予防に関心がある
- 器具の管理など、細かい作業が得意
- 安全な医療環境づくりに貢献したい
地域糖尿病療養指導士(CDEL)、糖尿病療養支援士(CDS)
糖尿病患者さんに対して最適な療養指導を行うことができる、生活指導のエキスパートです。
糖尿病と歯周病の関連性は広く知られています。この資格を活かすことで、歯科からのアプローチで糖尿病を患っている、または予備軍の患者さんの健康を支えられるようになります。
- 糖尿病患者さんの口腔管理を専門的にサポート
- 糖尿病と歯周病の関係について啓発活動を行う
- 医科歯科連携の架け橋として活躍
- 糖尿病と歯科の関係に興味がある
- 医科歯科連携の視点を持ちたい
- 患者さんの全身の健康管理に積極的に関わりたい
栄養士
栄養学に基づいて食事や栄養に関する指導や管理を行い、健康な食生活が送れるよう栄養面からサポートする資格です。
歯科衛生士+栄養士の視点を持つことで、口腔ケアと食生活のトータルアプローチが可能になり、患者さんへのアドバイスの幅が広がります。特に高齢者や生活習慣病のある患者さんへのサポートに役立ちます。
- 歯科医院で栄養指導を取り入れ、患者さんの食生活をサポート
- 食育の観点から、子どもや高齢者に向けた健康指導を実施
- フリーランスで栄養セミナーを開催
- 食事と口腔健康の関係に興味がある
- 患者さんの健康を食事面からも総合的にサポートしたい
- 栄養学の知識を活かして働きたい
健康咀嚼指導士
- 口腔機能や食事、栄養指導に興味がある
- 高齢者や子どもなど、幅広い世代の健康サポートがしたい
- 予防歯科や食育に関わる仕事に挑戦したい
いかがでしたか?紹介した内容は、必ずしもフリーランスの歯科衛生士に限られるものではありませんが、資格を活かした働き方を歯科現場に取り入れることで、個々の得意分野を活かしながら、他にはない、オリジナリティあふれる働き方が実現できるのではないでしょうか。
歯科とは関係ない?!意外な資格!
現キャリココ生やキャリココ卒業生の中には、一見すると「歯科とは関係ないんじゃない?」と思うような、意外な資格を持っている歯科衛生士の方々がいます。
「え?こんなものも?」と思うような資格が、医療スタッフや患者さんへのサービス向上や業務の効率化に役立っているケースもあり、歯科の現場で新たな価値を生み出しています。新しい可能性に目を向けるヒントがきっと見つかるはずです!
整理収納アドバイザーの資格を持つ歯科衛生士
歯科医院で日々増える、膨大なカルテや細かな材料、整理しきれず困っていませんか?
そんな整理収納の悩みに対し活躍しているのが、整理収納アドバイザーの資格を持つ歯科衛生士です。
膨大なカルテや器具、材料に対し、使いやすさを重視した整理収納の提案を行っています。引き出しの中を整理整頓しやすく、美しく戻せるよう工夫を凝らすだけでなく、DIYの知識を活かして棚を作成することも!
また、歯ブラシ用品などのディスプレイに関しても、視覚的に見やすく、手に取りやすい配置を提案することで、業務の効率化に貢献されています。
実際にお話を伺ったときは、正直「目から鱗」でした。しかし言われてみれば、整理整頓に困っている歯科医院が多いのは事実。
- 「院長の机の上に積もった本の山が雪崩寸前!」
- 「いつもここにあるはずの器具が見当たらない!」
- 「新しい材料を導入したけど、置き場所がない…」
- 「セメントの在庫が確かにあったはずなのに、どこに行った?!」
- 「歯ブラシの種類が多すぎて管理が大変!」
…などなど、一度は経験したことがあるのではないでしょうか。
臨床の現場において、歯科と整理整頓は切り離せないものだと、私自身も実感しています。普段の忙しい業務に追われる中で、整理収納の専門的な視点からサポートしてくれる人がいるのは、非常に心強いことだと思います!
鍼灸師の資格を持つ歯科衛生士
長時間同じ姿勢でのSRPやメインテナンス、アシスタント業務で立ちっぱなし…体の不調を感じたことはありませんか?
歯科衛生士の仕事は、身体への負担も大きいもの。そんな不調に寄り添い、サポートしているのが、歯科衛生士でありながら鍼灸師としても活躍する歯科衛生士さんです!
臨床の現場に立ち続ける傍ら、鍼灸師としての知識と技術を活かし、さまざまな歯科医院へ出張して鍼灸治療を提供。今後は自身の鍼灸院開業も予定されているのだとか。
「歯科だからこそできる治療」と「鍼灸だからこそできる治療」。その両方を活かし、さまざまな角度から患者さんや歯科スタッフの不安や不調をケアし、より多くの方の健康をサポートしたいという思いで活動されています。歯科医院で働くスタッフ自身の身体のケアにも目を向け、日々の業務で蓄積する疲労や不調を改善するためのサポートを行うことも、その大きな役割のひとつです。
新たな視点と発想で広がる新しい働き方の道
どちらの資格も、一見すると「歯科の現場でどうやって活かすの?」と思いますが、目のつけどころが素晴らしいですよね!
それぞれの資格を通じて、新しい視点を持ち込み、歯科の現場で意外な形で役立てている姿に驚かされます。このように、歯科衛生士の枠を超えた働き方も、資格を活かす一つの選択肢なのかもしれません。
こうした新しい発想が現場に与える影響は大きく、これからの働き方の可能性を広げてくれる素敵な事例だと思います。
ニーズは、どこに転がっているかわかりません。
「これは歯科とは関係ないかもしれない…」と思うようなことでも、実は誰かを助けるための大きな力になる可能性があります。他の誰かに相談することで、自分でも気づかなかった新たな強みや視点を発見できることもあるでしょう。
もし困っていることがあれば、気軽に周りに相談してみてくださいね。
多様な資格を持つ歯科衛生士にアンケート!
インターネット上では「おすすめの資格」の紹介記事は見つかりますが、実際にその資格を持って働いている人の体験談は非常に少ないです。今回、歯科衛生士以外にも資格を持っているというキャリココ生5人の方がアンケートにご協力くださいましたので、ご紹介したいと思います!(アンケート結果は可能な限りそのまま引用しておりますが、個人情報保護のため一部内容を調整・修正しております)
Q.現在の主な活動内容、またはやろうと思っている活動内容を教えてください。
- 歯科医院での出張鍼灸、鍼灸院の開業、採用支援
- 基盤となる歯科医院を1つ決めてメインテナンスや歯周基本治療、ペリオ.カリエス予防を中心とした仕事をしながら、DHさんへのセミナー開催、訪問口腔ケア、一般の方向けの講演、新規開業支援などもしていきたい
- 採用支援です
- 歯科医院でのサポート、教育
- 採用支援 助っ人
Q.歯科衛生士の資格以外にどんな資格を持っていますか?
- 鍼灸師
- 日本歯周病学会歯周病認定歯科衛生士
- ホワイトニングコーディネーター
- ホームヘルパー2級
- 小児歯科認定歯科衛生士
- インプラントコーディネーター
- THP認定衛生士(自費歯周病)
- 佐藤式リンパケアインストラクター
Q.その資格を取得した理由やきっかけを教えてください。
- 開業ができる、歯科だけの視点も含めてあらゆる視点から患者さんの健康をサポートできるから(鍼灸師)
- 歯周病認定歯科衛生士は、20年勤務していた歯科医院に勤めはじめた頃にできた資格で、何も勉強しようとしない若い歯科衛生士と 自分は違うんだ!と自分の中で思いたかったので取得しました(歯周病認定歯科衛生士)
- ホワイトニングを患者さんにご提案したり説明するときに、安心感をもっていただきたいことと、自分も自信を持ってお話したいと思って取りました(ホワイトニングコーディネーター)
-
最初の職場を退職したあと口腔ケアの仕事をしようと思い、その為に必要と思ったので、教育給付制度を利用して取りました(ホームペルパー2級)
- 小児のみしかしたくないという思いがあったため(小児歯科認定歯科衛生士)
- ホワイトニングの正しい知識をつけたかったため(ホワイトニングコーディネーター)
-
以前からインプラントの説明や契約をしていたが、信頼度を得る為に資格取得をした(インプラントコーディネーター)
- 自費歯周病を施術するにあたり、現医院で必要だった為に取得をした(THP認定衛生士)
- 佐藤式リンパケアの考案者が歯科医師で、考案したきっかけが顎関節症の治療というところに非常に興味があったからです(佐藤式リンパケアインストラクター)
Q.取得した資格がフリーランス活動に役立っている、または役立てたいと感じますか?
Q.上記で「役立っている」「これから役立てたい」と答えた方は、どのように役立っていますか?また役立てたいですか?
- 歯科従事者の健康もサポートできるきっかけとなった、資格があるお陰で開業するきっかけとなった。
-
ヘルパーの資格があることで、足が不自由だったり、車椅子の方など、どのように補助してあげたらいいかや、車椅子からユニットに移動する時お手伝いの仕方などがわかるのでその点は役に立っていると思います。 また〝どんな患者さんでもなんとかできる〟という自負があります。それは患者さんが何のために来院して、どうなりたいかというカウンセリングをしながら、それを実現できる自信があるからです。その為に資格が役に立つと思いますが、資格云々だけではなく、患者さんのQOLの維持と向上を目標になることを学んで役立てていきたいです。
-
それぞれに対する深く広い知識を得ている事で、自信にもなっているし、患者さんからの信頼度やドクターとの信頼度にもつながって行くのだと思う。
- リンパケアはまだまだ歯科業界で認知されていないので、インストラクターとして広めていきたい。 今は採用支援と助っ人の準備をしていますが、ゆくゆくはリンパケアインストラクターとして医院での指導・セミナーができたらと思っています。
Q.上記で「役立っていない」「役立てるつもりはない」と答えた方はどうしてそう思われますか?理由を教えてください。
- 小児の対応で入りたいけどそれを求める先生とまだお会いできてないです。
Q.資格取得して良かったことはありますか?
Q.「はい」と答えた方、それはどんな良かったことですか?具体的な内容を教えてください。
- 活動範囲が歯科でもそれ以外でも広がった
- 自分に自信が持てる
- 自分のスキルアップ
- 収入アップ、信頼獲得、症例数の増加
- 活動の幅が広がる、個性のアピール、信頼獲得
Q.資格取得して感じた課題やデメリットはありますか?
Q.「はい」と答えた方、それはどんな課題やデメリットですか?具体的に教えてください。
- 収入には繋がらない。資格維持にコストがかかる。
- 資格維持のためのコスト
- スキルアップのためのコスト
- 答えはいいえですが、コストがかかることはもちろん、勉強や提出資料の作成が大変かもしれません
Q.フリーランスとして活動する上で、資格以外に必要だと思うスキルや準備はありましたか?
Q.「はい」と答えた方、それはどんなスキルや準備ですか?
- Canvaなどを使いこなす技量や、営業のスキル
- マインドを整えるスキル
- 自分は今日からフリーランス、といえば誰でもフリーランスにはなれると思うので、準備やスキルは不要といえば不要かもしれません。 今採用支援と助っ人を準備中で、毎日動画を見たり課題に取り組んでいます。 2週間に一回はコーチとミーティングもしています。 採用支援はデザインや入力、細かな技の様なものも多いですし、まだこれから契約についても学びますが、これらは独学では絶対に無理だなと感じました。
- 助っ人に関して、パートやハノワのような働き方とどう違うのか、自分をどの様に売り込んでいくのかなど、やはり独学では無理だと思いました。 あと大きいのは、コーチの存在かなと思います。 一人で課題に取り組んでいると、本当に自分にできるのか?という不安に押し潰されそうになりますが、ミーティングでコーチの顔を見るとやるぞ!絶対できる!と思えてくるから本当に有難いです。 あと、自分では当たり前と思っていた事が、実は大きな強みだったり、セールスポイントだと教えてもらった事も大きな自信になりました。 フリーランスになりたいけど不安、何からしたらいい?という人はキャリココに来れば大丈夫、と思います。
Q.歯科衛生士以外の資格を取得することで、新たなチャンスが広がると思いますか?
Q.これから資格取得を目指す方や、フリーランスになろうとしている方に、一言アドバイスをお願いします!
- 歯科衛生士として働く事も素晴らしいですが、それに加えて他の資格がある事で自分次第で可能性の枠が広がり、選択の自由があると思うと心の余裕にも繋がりました。あらゆる可能性を創造して楽しい未来を作っていきましょう。応援しています!
-
資格があることによって、お給料が良くなると思われる方がいらっしゃるかもしれませんが、それを目的に取ることはおすすめできません。勤務先の院長の考え方にもよりますが、私は全く反映されませんでした。自分が努力して勉強して、その結果を資格として残すことによって、自分の自信とする、という目標で取得されることを望みます。
- 時間を作れるか次第だと思います。
-
どんな仕事も同じだと思いますが、資格さえあれば出来る物ではなく、その資格が活かされてないと役に立たないと思います。不必要に取得するのではなく、興味深くもっと深く内容を習得したい!という気持ちから追求し、知識を得た先に、資格取得へと繋がるのではないかなと思います。
- キャリココ卒業生の体験談を聞くと、この資格を取れば大丈夫とか、これをやればフリーランスで成功するっていうものはないんだなと実感します。 実績までの道のりは、本当に一人一人まったく違っていて、共通するのはやり続けた事と努力し続けた事じゃないかなと思います。 それが出来る人は杉野代表がよく言っている、自分との約束を守る人が成功する。に尽きるんじゃないかと思います。
アンケート結果から見えた「資格取得」のリアル
「資格取得して良かったことはありますか?」という問いに5人全員が「はい」と答えたことは、個人的に嬉しい結果でした。資格をすでに活かして働いているという方は5人中1人だったにもかかわらず、誰も資格取得を後悔していない。この事実は、歯科衛生士の向上心の高さを改めて実感させてくれました。
アンケートを通じて感じたのは、多くの方が「資格を取ること」自体を目的にしているのではなく、「専門性を深めたい」「学びを極めたい」という強い思いを持っている、ということです。資格取得には時間や費用がかかるため、その先にどんな目標があり、どのように活かしていくのかを明確にすることが大切だと感じました。
一方で、「資格維持にはコストがかかる」という現実も見えてきました。
「資格=お給料が上がる」というわけではない、ということは私自身も体験しています。
以前勤めていた医院では、認定資格を取得するまでは、学会参加費やそれに伴う交通費、宿泊費は医院が負担してくれていました。しかし、無事資格を取得すると、それらの費用は自己負担に。特別手当をもらうようにはなったものの…学会は主要都市での開催が多く、地方在住の私は遠方での参加時に飛行機や新幹線などの交通費が嵩みました。さらに、学会の年会費や資格更新費用なども必要になり、維持するためのコストが思った以上にかかる現実に直面しました。
そうなってくると、「これ、トータルで見ると収入的にはプラスになっていないのでは?」と気づくことに…。
せっかく資格を取得したのに、何とも言えない気持ちになりますよね。場合によっては、資格を手放すことになるかもしれません。そうならないためにも、資格維持にかかる費用については事前にしっかりとチェックしておくことをお勧めします。
また、「資格取得がフリーランスの仕事にすぐにはつながらない」という意見も多くありました。資格を活かして仕事につなげるためには、単に取得するだけでなく、どう発信し、どの分野で自分の強みを活かせるか、を考えることが大切だと感じます。
資格はゴールではなく、新しい可能性を広げるための一歩。自分の専門性をどう活かすかをしっかり考えることで、その価値を最大限に活かせるのではないでしょうか。
フリーランス、スキルも大切
最後に、フリーランスの可能性を広げるスキルについてお話します。
アンケート結果からも分かるように、資格を活かしてフリーランスとして活動の幅を広げるためには、ただ資格を持っているだけではなく、自分の専門性や強みを適切に発信し、それを必要としている人に届ける力が求められます。
資格を武器にしながらさらに可能性を広げるために、こんなスキルも磨いてみませんか?
- 自己管理能力
- セルフブランディングする力
- コミュニケーション能力
自己管理能力
フリーランスで働くには、自分でスケジュール管理をし、無理なく働ける環境を整えることが大切です。また、金銭管理や収支の把握、契約に関する知識も、安定した収入の確保には必要です。そして何より、「自分のご機嫌は自分で取る」ことも重要なスキル。モチベーションを維持し、心のバランスを整えることで、クライアントと良好な関係を築き、円滑に仕事を進めていくことができます。こうした自己管理を大切にすることで、安心して長く働ける基盤が整っていきます。
セルフブランディング力
フリーランス歯科衛生士として働くなら、ブログやSNSを通して自分の得意分野や実績を発信することが大切です。強みやスキルをしっかりアピールして自分の魅力を伝え、仕事の機会を広げましょう。デジタルスキルを磨くことで、より効果的に自分の魅力を届けることができます。どんな仕事をしたいのかを明確にして、自分に合った働き方につなげていけるといいですね。もし「自分の強みって何だろう?」と悩んだときは、周りの人に聞いてみるのもおすすめですよ。
コミュニケーション能力
フリーランス歯科衛生士として活躍するには、患者さんや歯科医師、他の医療スタッフや業者さん、関わる全ての方と良好な関係を築くコミュニケーション力が何より欠かせません。円滑な意思疎通ができることで信頼関係が生まれ、働きやすい環境につながります。また、歯科医師や他の歯科衛生士と積極的に交流することで、新しい仕事の機会が広がることもあります。人とのつながりを大切にし、関係を築きながら、自分のスキルを活かせる場を増やしていくことが大切です。
まとめ
今回は、歯科衛生士としての枠を超えた資格やスキルについてのお話でした。
世の中には本当にたくさんの資格があり、活かし方もさまざまです。どの資格も、ただ取得するだけでなく「どう活かすか」が大切。自分の強みを知り、それを大切にしながら、資格やスキルを味方につけることで、働き方の可能性はどんどん広がっていきます!
向上心の高い歯科衛生士の皆さんなら、きっとどんなことにもチャレンジできるはず。
資格を活かして新しい一歩を踏み出すもよし、今の仕事にプラスしてスキルアップするもよし。自分の選んだ道を、自信を持って進んで行ってほしいです。
これからフリーランスを目指す方も、資格取得を考えている方も、自分の可能性を信じて、一歩ずつ進んでいきましょう。あなたらしい働き方で、輝く未来をつかんでください!