気づいたら、「家のことは全部私がやらなきゃ」と思い込んでいた——。
こんにちは!D.HITのインタビューチームライターのsakuraです。今回お話を伺ったのは、週1パート勤務のほぼ専業主婦からフリーランスになり、パート、助っ人、在宅ワーク…と大活躍の井上莉子さん。
かつては子どもや家のこと最優先の生活を送っていた井上さん。フリーランスへの道に一度は足を踏み入れるも、理想と現実のギャップに諦めた過去も…。ですが、夫の転職をきっかけに自分も本腰を入れて働く必要性を感じ始め、1年越しに再び一歩を踏み出しました。
今では、在宅と助っ人勤務を組み合わせた新しい働き方を確立。収入も自信も得た今、自分の中での1番の変化は、「全部自分がやらなくてもいい!」と思えるようになったことなんだとか。
そんな井上さんの、気づきと変化に満ちたリアルなストーリーをお届けします!
ー簡単に井上さんの自己紹介してもらってもいいですか?
去年の10月から4月まで、半年間キャリココを受講して卒業しました。今はキャリココを始める前からのパート勤務が週1で半日、それに加えて助っ人勤務が週2〜3行っています。あとは、在宅でマーケティング関係の仕事もしています。これは以前勤務していた歯科医院と契約して、業務委託という形でお手伝いしている感じですね。
ーそうなんですね。じゃあ、働き方を変える前はずっとパートで?
はい、週1の半日だけ働いていました。夫の扶養内で働いていて、生活はほぼ夫の収入で成り立っていたので、本当に「臨床のリハビリ」程度で勤務していました。
ーリハビリってことは、以前はもっと働いていたんですか?
私、衛生士学校に在学中に結婚・妊娠したので、新卒からずっとパートでした。新卒の頃は経験を積みたかったので週3〜4くらいは入っていましたが、子どもがいたので夕方までの勤務が中心でした。その勤務を2〜3年ほど続けて、2人目を妊娠したタイミングでいったん退職しています。その後、2人目が幼稚園に上がるタイミングで、また少しずつ臨床に戻っていきました。
ー歯科衛生士学校の時に妊娠って、すごすぎる…!大変でしたよね。
私はつわりがかなり重いタイプだったので、1人目のときはずっと二日酔いのような吐き気があったんですけど、気持ち悪い中授業を受けて、とりあえず1年生はなんとか乗り切りました。2年生の時に1年間休学して、3年目に2年生の課程を履修するという形で。だから、歯科衛生士学校には合計4年間通いました。
ーなるほど。お子さんは今、おいくつですか?
10歳と4歳です。学校を卒業する時は3歳になってましたね。
ーお子さんいて、就活大変じゃなかったですか?
私、衛生士学校に入る前から歯科医院で歯科助手をしてたんですよ。学校は20歳の時に夜間で入りました。卒業してからその医院に戻ったので、就活はせずに済んだんですよ。そこの歯科医院が実習先にもなってくれたので、そのままスムーズに採用してもらったんです。
ーそれはすごくスムーズですね!院長先生も状況をよくご存知だったと。
はい、助手時代からお世話になっていたので、私のことをよく理解してくれていて。そういう意味ではとてもありがたかったです。子どもを預けながら、週3のパート勤務で3年弱くらい勤務しました。その後2人目を妊娠して、やっぱりつわりがひどかったので退職しました。
ー2人目を妊娠されてからは、臨床は一切ストップされたんですね。
はい、2人目のときはさらに、切迫早産になってしまって。体がほとんど動かせないし、本当に大変でした。出産後、リハビリ的に復帰しようと思って、今のパート先で週1勤務で再スタートしました。そこが今1年くらいになります。
ー働き方を変えようかなって思ったきっかけって何だったんですか?「これをこうしたい」とか「こう変えたい」みたいな明確な動機ってありましたか?
夫の職業が変わることになって、収入が減ることになったんです。それで「私もそろそろ本腰を入れて働かないと…」と思うようになりました。でも、子どもがいる中で臨床にしっかり出るのはリスキーだし、自分が働ける時間には限りがあるからどうしても収入に天井があるなって思いました。子どもは保育園ではなく幼稚園だし、やっぱり限界があるなって思って。9時〜14時くらいの制限された時間の中ではどうしても収入に天井があるんですよね。
ー幼稚園だと働けても9〜14時とかですもんね。
はい。今は延長保育を使って9時半〜16時半で助っ人に入ったりはしてるんですけど。
ー臨床に出るのが難しい中で、他の選択肢は考えましたか?例えば転職とか。
実はキャリココを始める1年前、2023年の秋頃に、DHITのアドバイザーさんと無料相談をしていたんです。でもその時はちょっと料金が高いなって感じて。「1年分の学費じゃん」と思って、一度諦めたんです。
ーそうだったんですね!その時はまだ下のお子さんが幼稚園に通っていなかったんですよね?
そうなんです。だから、在宅ワークに興味があって無料相談を受けたんですよ。在宅ワークの広告がインスタでよく出てきて、「子どもが家にいても、臨床に出ずに在宅でできて収入になるんだったらいいなー」と思って。けど、話を聞いてみたら料金も高いし、もしかしたら営業もしないといけないってなると、預け先もないし、「あ、今は無理だな」って思っちゃって。それならパートして貯金したほうが着実に貯まるかなって思って、諦めて、下の子が満3歳で幼稚園に入れたのでパートの面接に行きました。
ーもともといた歯科医院には戻らなかったんですか?
もともとの歯科医院は、結構歯科衛生士に求めるレベルが高いところだったんですよ。でもまだ私はそこまでのモチベーションはなくて、とりあえず週1くらいでリハビリ程度でゆるく始めたいなっていうくらいのテンションだったので(笑)そこには戻れないと思って、患者さんのリコールだけやるような歯医者を探して、週1で働き始めました。
ーお仕事すぐ見つかったんですね!週1からOKってなかなかないですよね?
週1からOKのところを、ジョブメドレーで探しました(笑)子連れにも理解のある医院で、同じような境遇の人ばかりで安心して働けました。
ーなるほど。で、そのあと旦那さんのお仕事が変わることになって、もう一度D.HITに相談されたんですよね。
はい。去年の9月にもう一度アドバイザーさんにLINEをして、「ごめんなさい、もう一度お話を聞きたいです」と連絡しました。そこからすぐに相談して、夫にも「やってみたら?」と背中を押してもらえて。10月にはスタートしました。
ーそのスピード感、すごいですね。前は料金がネックだったと思うんですが、そこはどう乗り越えたんですか?
以前は、私の中だけで料金に対しての不安感があってやめちゃったんですけど、2回目の時は主人にも相談しました。そうしたら「せっかく歯科衛生士の資格を持ってるんだから、それを活かして幅を広げるならいいんじゃない?」と言ってくれて。もし全く別の業種に1からチャレンジするんだったら止めてたかもしれないけど、って言ってました。
ーめちゃくちゃ素敵なご主人ですね。背中を教えてくれる存在って大事!そういうご主人だと決断もしやすいですよね。
はい、本当にありがたかったです。先行投資だって言ってくれました。
ーすごい!めちゃくちゃ理解ある!
前の時は、やっぱりその払うお金に対して、そこまでの価値があるのかって思っちゃって。その金額を、取り返せる自分になれるのかわからなかったから、できなかったです。自信がなかったです。アドバイザーさんにも「これってこれだけの価値があるんですよね?」って聞いちゃいました(笑)
ーアドバイザーさんに聞いたんだ(笑)
「自分次第!」って言われました(笑)私たちはそれだけの価値があると思って提供してるけど、それをやるかやらないかは、自分次第!って。
ーあはは、そりゃそうだよね(笑)
あと、お仕事を獲得するまでのすべてを教えてあげられるよって言われたのも大きかったです。たとえばSNS講座を20万で学んでも、営業方法がわからなかったら仕事に繋がらない。別々でいろんなことをお金出して学ぶより、社会人の基礎から、SNSも営業方法も、提案、クロージングまですべて教えられるよ!って言われて。あ〜それもそうか!と思って。
ー先に聞いちゃいますけど、それでキャリココをやるって決めて、今、その価値があったなって思いますか?
あったなって思います。実は来月で、払った金額を超えるんですよ。キャリココ在籍中からのお仕事も合わせると、卒業してから3ヶ月で取り戻せることになるので、そこからはもうプラスになっていくから、頑張れたかなって思います!
ーいや、それすごいですよ〜!がんばりましたね!!
絶対無駄金にしたくなかったので、がんばりました!
ー絶対取り返すぞ!っていう気持ちがあったんですね。
その気持ちは最初から強かったですね。
ーその後、実際にキャリココを始めてみて、最初にぶつかった壁って何かありましたか?
やっぱり「時間をつくること」が大変でしたね。まだ子どもが小さくて、幼稚園なのでお迎えも早いし、昼間はなんだかんだやることが多くて。だから、子どもを寝かしつけたあとに動画を見たり、課題をやったりしてました。結構夜に詰め込んでましたね。
ー分かります、その感じ。寝かしつけてからの時間って、唯一の“自分の時間”ですもんね。
あと、一番つらかったのは「営業の電話」でしたね(笑)手紙を書いて送った後に電話をするっていう流れなんですけど、まずそもそも院長先生につながらないのはわかってるんですよ。でも、電話するタイミングを見計らって、昼休み直前を狙ったりして、10分前くらいから待機する…みたいな、そのハラハラしながら「待ってる時間」が、もう本当に苦痛で。折り返しの電話がまたプレッシャーで、絶対着信逃したらダメだから、携帯を爆音にして部屋の真ん中に置いたりして(笑)メンタル的にも疲れるし、タイパ悪いなって思ってました。
ーじゃあ、その営業スタイルは途中で変えたりしたんですか?
はい。私はコーチに「電話営業は私にとってタイパもコスパも悪いのでやめます」って言って(笑)代わりに手紙を多く出す方向に変えました。その後、継続的な在宅のマーケティングの仕事をいただけて、私のキャパもいっぱいになったし、満足できる収入も得られているので今は新規で営業はしていないです。
ーそのマーケティングのお仕事は、前に働いていた医院でしたよね?営業に行ったんですか?
私の結婚式にも来てくれたくらい親しくしている先生なので、最初挨拶に言ったら「戻ってくるの?」って言われて。「臨床で戻る気はないんですけど、でも何か先生と関われたらいいなと思って、お手伝いできることがあれば」って伝えたら、「在庫のクラウド化やりたかったんだよね」って話になって、まず在庫管理のクラウド化を任してもらえました。
ーそこからお仕事としてつながっていったんですね。素晴らしい!
ありがとうございます。在庫管理の導入が終わったあとに「4月からマーケティングの強化をするから、手伝える?」って言われて。コンサル会社を変えるのに、いろいろしないといけないことがあるけど院内では人手も時間も確保できないから、そこを私が代わりにやってるって感じです。そこから月額で契約することになって、在宅で安定的にお仕事をもらえるのは心強いなと思っています。
オンラインでのミーティングだけで完結するし、現場に行く必要もないので、子育てと両立しやすいです。時間の自由度があるっていうのが、私にとってはすごく大きいです。やっぱり在宅ワーク、良いですね。
ー助っ人としての現場勤務もされていますが、こちらはどうですか?
楽しいです!今お世話になっている歯科医院が、歯科衛生士をすごく大事にしてくれるところなんです。先生が「歯科医院の黒字は歯科衛生士がつくっている」とはっきり言ってくれていて、「歯科衛生士の成功事例をうちで作りたいんだ」っていう理念を持っていらっしゃる先生なんです。そういう歯科医院で働けるのは、本当にありがたいし、やりがいも感じますね。
ー良い歯科医院に出会えたんですね!もともと臨床の勤務は週1でリコールのみでゆるく働きたいっていうくらいだったところから、今の歯科衛生士メインみたいな医院で働くのって、戸惑いとか抵抗はなかったんですか?
そうですね。3年くらいブランクがあったところから、リハビリで週1勤務していたことで「私、できるわ!」っていう自信につながっていたので、わりとスムーズにできたんだと思います。やっぱり子どもが体調を崩すとアポに穴を開けるのが申し訳ない…っていうのがあって週1にしていたんですけど、もともと臨床は嫌いじゃないし、やりたくないわけじゃなかったので。
ー今はそのあたりは、どう乗り越えてらっしゃるんですか?
主人の仕事が土曜日お休みになったので、最初は土曜日に働くことにしたんです。土曜日なら子どもが体調悪くても主人がみてくれるから穴開けずに済むし、土曜日は主婦の方があまり入れないから需要があるかなと思って。土曜日出れますっていうのを商品にしようかなと思って始めて、平日も出れるけど、夕方最後まではいられないし、子どもの体調で急に休むこともありますっていうのは伝えたんですけど、それでも来て欲しいって言ってもらえたので平日も出るようになったって感じです。
ーそうやって今の自分に合った働き方を見つけられたのは、本当に大きいことですよね。
はい。今の働き方は、臨床の助っ人が週2〜3、パートが週1、あとは在宅のマーケティング。多いと週4臨床に出る週もあって、あれ?意外といっぱい働いてるなって(笑)家にいる時間は減ったけど、でもなんか気持ち的にはそんなにカツカツしてないんです。
ー収入面で余裕ができたのが、心の余裕にも繋がってるって感じですか?
やっぱり「自分で収入を得られている」っていう感覚は、嬉しいですね。もともとケチな性格なので(笑)「これだけもらえてる」って思うとやっぱり余裕もできました。
ー働き方を変えて、たとえば私だったら、家にいる時間が増えて家事まで手が回るようになったことで余裕ができて子どもに怒らなくなったとか、あったんですけど、何か井上さんの中で考え方が変化したことってありますか?
私は逆に、家にいる時間が減ったことで余裕に繋がったかもしれないです。「家事は全部私がやらなきゃ」っていう思い込みから解放されました。前は家にずっといてほぼ専業主婦だったから、「全部私がやらなきゃ」って思い込んでいて。ご飯も「お母さんの味を覚えてもらいたい」と思って毎食ちゃんと作ってたし、掃除も完璧に、って…。でも、そんなに家事がんばらなくてもいいやって。死なないよ、って思えるようになりました(笑)
ー良い変化!!
仕事始めてから、「ママも働き始めて時間なくなったから、家のことはみんなでやろうよ」って思えるようになったんですよね。たとえば、長男に洗濯物をたたんでもらったり、土曜日は私が仕事だからパパにご飯を作ってもらったり。お風呂掃除も毎日全部やってたけど、「やらなくても死なないよね?」って(笑)浴槽だけなら子どもが洗ってくれることもあるし、分担できるようになったことで、精神的にすごく楽になりました。「私だけが頑張らなくていいでしょ、みんなもやってよ」って思えるようになったのは、すごく大きかったです。
ーすばらしい〜!!みんな協力してくれるんですね!
子どものことも、「幼稚園に入れたんだから、長い時間じゃなくてちゃんとお迎えに行ってあげなきゃ!」とか思い込んでて、長男の時は全く延長保育を使わずにいたんです。でも今、延長保育を使ってる次男を見て、長男も「ぼくも延長保育もっと行きたかった~」とか言ってて(笑)「あ、意外と子どもって親が思ってるほど嫌がってないんだな」って思いました。むしろ楽しんでるかもって。
ー思い込みをいろいろ手放せたんですね。
だからキャリココで、クリアリングの話が結構刺さりました。私の場合は「家事を手放す」っていうので、だいぶ変われたと思います。
ーそこがクリアになったんですね。成功のポイントはなんですか?
「自分で決めつけない」っていうことですね。「母親なんだから」「私がやらなきゃ」っていう決めつけを外すことが、すごく大きかったです。母親たるものっていう理想像が私の中であったんだけど…それを決めつけないこと。手放すこと。「あれ?私が頑張らなくても大丈夫なんじゃない?」って気づけたことが、本当に大きな転換でした。
ーいろんなものから解放された井上さん。今後の目標はなにかありますか?
あります!「私の収入で、家族で海外旅行に行く」っていうのが目標です!できればハワイが良かったんですけど、調べたら高くて(笑)グアムにしようかなって。だから今は、それに向けて頑張ってます。
ー素敵な目標ですね。応援してます!最後に、今この記事を読んでいる人に、もし一言アドバイスするとしたら、何を伝えたいですか?
うーん、そうですね…。「変えたいと思ったら、自分で動くしかない」ってことかな。私も最初は「無理だ」って思ったけど、でも切羽詰まって本気でやろうって思えて、私は人脈を使ったんですけど、そこを「言えないし…」って怯んでいたら多分できなかったと思うんです。
ー「使えるものは使う」っていうことですよね?
そうです(笑)使えるものを遠慮せずに使う。自分がどうしたいかは自分で決めることだから、変えたいんだったら変えれるように、自分が動くべし。やりたいんだったらやってみる。状況を変えたいんだったら、自分が動かないと変わらない。
自分が「変えたい」と思ったら変えられる!ってことですね。
ー本当に素晴らしい変化ですね。お話を聞いていて、こちらまで元気をもらいました。今日はありがとうございました!
こちらこそ、ありがとうございました!
子育てと両立しながら働き方を模索してきた井上さん。“私がやらなきゃ”という思い込みを手放し、在宅と助っ人勤務という新しい選択肢を自らの手で切り拓いてこられました。「変えたいなら、自分が動くしかない」という言葉には、実体験を経た強さと優しさがにじんでいて、同じように迷う多くの方の背中をそっと押してくれるはず。
これからのご活躍、心より応援しています!