こんにちは!D.HITのインタビューチームライターのsakuraです。
長年勤める歯科医院で、人間関係に悩んだり、先生の機嫌に振り回されたり、理不尽に八つ当たりされたり…歯科衛生士として大事にされていないと感じる…そんな歯科衛生士さんも、多いのではないでしょうか。
今回インタビューさせていただいた有澤弘子さんも、「世間の常識が通じない」歯科医院で長年もやもやを抱えながら働き続け、「自分には歯科衛生士は向いていないのでは…」とまで思うようになっていたのだとか。
そんな弘子さんが、「辞めたら次がないかも」という不安から抜け出し、「職場を変えれば、自分はまだやれる」と気づいて一歩を踏み出すことができた、きっかけとは。そして、自分が動いた先で出会った人々の温かさ。
弘子さんの「苦しかったBefore」と「動いたAfter」を、ありのままにお伝えいたします。キャリアに悩む歯科衛生士さんにとって、未来を考えるヒントがあるかもしれません。ぜひ最後までご覧ください。
ーこんにちは!本日はお時間いただきありがとうございます。まずは自己紹介をお願いします。
有澤弘子です。現在の働き方は、週4日臨床に出ていて、3ヶ所の医院を掛け持ちしています。
ーフリーランスとしての契約で3ヶ所ですか?
フリーランスとしては2ヶ所で、週1日ずつ行ってます。あとの週2日はパートなんです。もともと正社員で入って15年ほど勤めている歯科医院で、途中で妊娠をきっかけにパートに切り替えたんですけど、今年度末、12月いっぱいで退職する予定です。
ー長く勤めた職場を辞める予定なんですね!
はい、もともといつかは辞めたいと思っていて、キャリココに取り組む中でその気持ちがはっきりしました。私なりに考えて、歯科医院のために、意見を求められると「こうしたほうがいいんじゃないですか?」って意見を言ったりもしてたんですけど、結局改善することはなかったので。
ーどんな歯科医院なんですか?
歯科衛生士の発言力が弱くて、受付と歯科助手が派閥をきかせてて、強い立場でした。歯科衛生士は馬車馬のように働かされるという感じでした。
ー衛生士より助手のほうが強いって、珍しいですね!
そうなんですよ。受付は歯科を全く知らない素人がやるから、治療の流れを理解しないまま、空いた枠に次々予約を入れたりするんですよね。すごく歯の多いおじいちゃんの患者さんのアポイントを30分で入れていたり、診療時間を無視した計画を平気で組むところが本当に嫌でした。
ーめちゃ迷惑ですね(笑)
結局、処置が時間内に終わらず、先生がイライラして、なぜか私たち歯科衛生士に八つ当たりするような状況が日常的でした!
何度も改善してもらえるように言ったんですよ。治療の流れをある程度学んでから受付をやらさないとこっちが困るし、患者さんからも質問を受けることもあるから、受付だからって何も知らないではダメなんじゃないですか?と話しました。
先生は「そうやなー」とは言うけど、結局本人には言わないんですよ。
ーえ?先生なんで言ってくれないの?
「嫌われたくない」って言うんですよ(笑)中身は女の子みたいで、受付や歯科助手に何かを言って、嫌われるのが嫌みたいです。
ー女子ですね(笑)でもその前に院長なんですけどねぇ…。
院長からのトップダウンで「こうして」って言えば良いのにね。どっちにも良い顔するから、進まないんです。あなたの医院でしょ?あなたが院長でしょ?って思います(笑)プライド持って言ってほしかったですね。ふわふわして、まわりの意見に左右されちゃって。
衛生生の立場が弱いから、後から入ってきた人からもいろんなことを言われて、「なんであなたにそこまで言われなくちゃいけないの?」って(笑)
ーどんなこと言われるんですか?
たとえば、カルテ入力に使うiPadに小さなヒビが入っただけで、犯人探しがすごいんです。全員にLINEで問い詰めるようなことがあって、私にも個人的にLINEが来て、ほんまにめんどくさくて。
ーあらま…おおごとになってますね。気が強い人が多いんですかね?
気が強いメンバーが多いです。先生に対しても、自分のやりたいことを言ったもん勝ちって感じでした。みんな言いたいこと言うんですよ。
例えば、滅菌消毒のやり方や片付け方法について各々言いたいことワーって言ってるんですけど、気付いたらフェードアウトしてるんですよね。「あの片付け方って結局どうなったの?」と聞くと、「もう話は終わりました」「え?知りません」みたいに、いつの間にか話が終わってたりして。話がまとまらないし、続かない。
そんなんだから、マニュアルもないんですよ。私が勤めて15年経ちますけど、まだできてないんです!
ーえ〜!
先生と歯科衛生士の間で方針を決めて、これでいこう!ってなっても、横で聞いていた受付や助手が横から口を挟んできて。「それなんなんですか?」「それっておかしくないですか?」とか言われて、また一からやり直しってなったり(笑)その繰り返しでした。こういうことがたくさんありました。
ー先生も考えがまとまらないというか、なんなんだかって感じですね。
先生もわからない人で、ドクターチェックの時も先生の気分のムラによって全然違う答えが返ってくるんです!デンタルもセットした後、機嫌が悪いと押してくれないんです。。。
ー先生が押さないと誰も押せないですね(笑)
ほんとうに!もう言ってることも理不尽すぎて、「私は一体何をすればいいんだろう?」って。何か言ったら文句言われるし、できたとしても、先生の思い通りにやったとしても褒めてはくれない。少しは褒めて欲しかったです。
ー助手と受付の人だけじゃなくて、先生もちょっと特殊だったんですね。
そうですよね。「あっ、もうこの人たちには常識が通らないんだな」って思いました。世間の常識が通じない職場というか…。私はもう、一歩引いて見てるんですけど、「なんなんだここは」って感じですね。なんかいつも心の中はモヤモヤしてて、毎日先生の機嫌をうかがって、普通に会話もできない日々で…。
ーそんな中にずっといて染まらなかった弘子さん、すごいと思います!そんな環境でも長く続けた理由って、なんだったんですか?
気づいたら続いてたというか、「ここを辞めたら次がないかもしれない」という不安の方が大きかったです。
今思えば自己肯定感が低すぎて、自分には何もできないって思い込んじゃってたのかもしれません。だから「次行くところなんてない」と思っていたような気がします。
ーその考えからよく変わりましたね!
やっぱり歯科医院のことも、日々いいこともないし、なぜこんなに私は言われ続けないといけないのかと考えた時に、思い切って飛び込んでみようと思えました。キャリココに出会った時はどん底で、私、すごくひどい顔をしていたみたいです。キャリココを卒業するときにコーチからも「最初の顔つきとは別人だね!」と言われました(笑)
ーそんなに!?今お話ししてる弘子さんは、すごくイキイキと明るい感じなので想像できないです!
無料相談からキャリココ卒業までで、かなり表情が変わったみたいです(笑)
ーそうだったんですね〜!キャリココに出会ったきっかけはなんだったんですか?
2月ごろに、インスタの広告を見て「本当にこんな働き方があるのかなぁ」って気になって。
ーどこに惹かれたんですか?
在宅ができること。在宅で何するの?と思いました。同じ歯科医院の同期に、「歯科衛生士が在宅で仕事って、できると思う?」って聞きました(笑)でもやっぱり「え〜?私ら、臨床でてなんぼじゃないん?」という反応でした。
ー無料相談を申し込んだ時の心境はどんな感じでしたか?
このまま歯科衛生士として自分がやっていけるのかどうか、漠然とした不安がありました。「これからの私」を考えた時に、何か自分も変わりたいと言う思いがあって、その手がかりがあるように感じていました。
この歯科医院で働き続けていていいのか、働き方を変える方法はあるのか、ずっと抱えていた不安をそのまま話しました。
その時、私、「歯科衛生士が向いてない」って思ってたんですよ。
ーそうなんですか?
そしたらアドバイザーの方に、「歯科衛生士に向いていないんじゃなくて、今勤めてる歯科医院が合ってないと思う」と言われてハッとしました!環境さえ変われば、自分はまだやれるかもしれないと感じました。
ー核心をつかれた感じですね!
はい、目覚めたって感じでした。あ、確かにそうですねって。
それに自分の中のフリーランス歯科衛生士のイメージも、ガラリと変わりました。フリーランス歯科衛生士というと、一般的な全国を飛び回って講演会をたくさんしていて、臨床経験も豊富な歯科衛生士を想像していたんです。そういうイメージがあったから、フリーランスなんて自分には無理だと思い込んでいました。
ー確かに「フリーランス歯科衛生士」と聞くと、一般的には講演会をされている著名な先生方を想像されますよね。
はい、でも、助っ人として複数の歯科医院と契約することもフリーランス歯科衛生士だと言われて、すごく驚きました。それもフリーランス歯科衛生士ってことなんだと気付かされたような感覚でした。「これなら私にもできるかも」って思いました。
ーなるほど。助っ人なら、私もフリーランスになれる!って思ったんですね。
はい。あと、教育として歯科医院に入れるという話も聞いて、興味を持ちました。私、短大で英文学科を学んで、社会人になった後に歯科衛生士学校に行ったので、社会人経験がある分、社会の新人社員としての常識とかそういうのを新人の歯科衛生士さんに伝えられるんじゃないかと考えていました。
ーそんな経歴をお持ちだったのですか!
キャビーアテンダントになりたくて、航空会社も最終面接まで行ったんですけど、健康診断で隠していたアレルギー性鼻炎がバレてしまって不採用になっちゃって…結局、商社に営業事務として就職しました。
ーすごい!そこからなぜ歯科衛生士学校に!?
父が、通ってる歯医者さんから歯科衛生士学校のチラシをもらってきたんです(笑)彼氏もいないし結婚予定もない私を見て、「これから先どうなるかわからないから、手に職でもつけたほうがいいんじゃないか」と言われて、歯科衛生士の学校に行くことになりました。
ーそんな経緯があったんですね。教育というのは、もともと興味があったんですか?
なんか、もしかして臨床より、人に教えるほうが向いているんじゃないかなと思ったことがあったんです。私の同級生で都内でバリバリ歯科衛生士している方がいるんですけど、私のパート先に、月一でインプラントの助手で来てるんです。その子が、歯科衛生士学校のインプラントの講義を持ってるんですけど、そのアシスタントに来てくれないかと誘われて、行ったんです。
私たちの卒業した学校だったんですけど、知ってる先生がもうすぐ定年退職されるということで、私に「講師として戻ってこないか」って話があったんですよ。
ー教える側のスカウトを受けていたんですね!
同級生からも、そっちのほうが向いてるんじゃないかって言われて。その子は衛生士学校時代、歯科のことを何も知らない私にゼロから教えてくれた子で、私のことをずっと見てきてよく知ってくれているんですよ。その子がそう言うなら、もしかするとそっちの方が向いてるのかもしれないと思ったんです。
ーなるほど!自分のことを知ってくれている方の意見は信用できますね。
はい、そこから、人前に立って誰かに何かを教えるみたいなことも頭の片隅にあったという感じです。
でもキャリココでは、とりあえず期間中に営業と契約までの一連の流れを体験しておいてほしいと言われて、まずは助っ人から始めました。
ー確かに一連の流れを経験できると、契約先がなくなってもそれを繰り返すことでまた契約につながりますもんね。キャリココに入ろうっていうのは、わりとすぐ決断されたんですか?
無料相談に辿り着くまでは結構悩んで、どうしようかなと思いながらちょっと期間がありましたけど、無料相談を1回受けたあとはすぐに決めました。
ーその決め手は何でしたか?
「自分を変えたい」という気持ちでした。やりがいもなければ、同じような毎日の繰り返しで、このままでは何も変わらないと悟ってしまいました。結局始めなければ何も変わらないし、多分ここで保留にしても結局自分はモヤモヤ悩み続けるんだろうなって感じて、決断しました。
フリーランスになって収入や時給が変わると思っていたので、やるなら私の年齢的にも今が最後のチャンスかなと思いました。
ー時間とかお金の懸念点はあまりなかったですか?
金額には躊躇しましたけど、「成果を出せば、ペイできるでしょ!」と思いました。で、もう無料相談のその場で「やります!」って言いました。「考えます」って言っちゃうと、私の性格的にまたダラダラ考えちゃって迷い続ける未来が見えたんで(笑)ここで一歩を踏み出せば、何か変わるかも!って。
ー決断力がすごい!!実際やってみて、大変だったことはありましたか?
やっぱり始めた時は、「営業」というのがすごくネックでした。自分の中では山場だと勝手に思っていました。いつかは自分もしなくちゃいけないと思うと、「嫌だな〜」って不安が大きかったのを覚えています。
ーそれみんなネックになるところですよね(笑)どんな感じで進めて行ったんですか?
まずは手紙を書いて、歯科医院に送ることから始めました。書きながらも、「こんな手紙をもらってどう思うんやろう」とかモヤモヤしながら書きました。
ーモヤモヤしながらも頑張ったんですね。
50通出すとコーチと約束したんですけど、最初は10通くらい出したかで、約束が果たせなかったんです。でもその後、必死になって取り組んだ結果、最後の期日ギリギリでなんとか50通出すことができました。めっちゃ手が痛くなるほど大変でした。
ー反応はありましたか?
想像以上でした。100通に1件くらいと言われていたのに、5〜6件から連絡をいただきました!
ーすごい!多いですね!
びっくりしました。書いてる時は、「こんなの読んでもらえるのかな」「こんな手紙もらってどう思うんだろう」とかモヤモヤ思ってたから、実際電話とかメッセージで「詳しい話を聞きたい」「一度会いたい」と言ってもらえて。
ーちゃんと読んでもらえたではないですかぁ〜!連絡もらった中から、今行ってる助っ人先が決まったんですか?
はい、連絡をもらった5〜6件のうち、2件と契約になった形です。最初に、自宅から自転車で10分ほどの住宅地にある歯科医院に商談に行きました。その先生がすごい良い方で…まだ患者さんが少ない歯科医院で、先生もちょっと自暴自棄というか(笑)
ー自暴自棄っていうのは、患者さんが来ないから?
そうです、「もう、歯医者なんてやっててもね」とか、「痛くならないとみんな来ないしね」とか言っていて、自分が何とかしてあげたいなという気持ちになりましたね。
ーネガティブな先生だけど、弘子さんが「良い先生!」って思ったのは何かエピソードがあったんですか?
私がやろうとしていることを説明した時に、「自分には詳しいことはわからないけど、君がやろうとしている姿勢を応援したい」と言ってくださいました。
ーいい話…!泣いちゃいますね(涙)
もう私、めっちゃ良い先生やん!って思って。今いるところがひどすぎるから、神様に見えました(笑)こんな良い先生いるの!?って。何よりも自分が必要とされているという実感がわいた瞬間でした。この先生のためになにかしてあげたいと感じました。
商談は穏やかな雰囲気で、普通に会話ができました。今までの職場とは全然違いました!帰りに暑いからってすごく冷たいお茶一本持たせてくれて、商談だとは思えない雰囲気でした。
ー商談しに行ってお茶もらうってなかなかないパターンですね(笑)
コーチにも言われました(笑)その後、週1日、患者さんが多い時間に来てくれればいいよという条件で契約という流れになりました!
ー週1日の勤務でいいなんて素敵ですね!
本当にそうなんです。衛生士は結構自由で、午後診は3時からなんですけど、5時にしか予約がない時はじゃあ5時に来ますね〜とか(笑)先生も「そんな感じでいいから、もし来れそうなら来て〜近いし」みたいな感じです。患者さん少ないので受付もいなくて、衛生士が受付も兼ねるような感じです。今のパートを辞めたら、もっと来れそうだったら来てくれたらいいよ〜って感じで、ゆるいんです。
ー数時間でも、スポット的に入れていいですね!他にも衛生士さんはいるんですか?
私入れて3人います。他の衛生士さんとかぶった時に、「衛生士2人ってどうですか?私、入る日ずらしたほうがいいですか?」って聞いたら、「全然大丈夫。先生、自分から募集かけてないのに弘子さんから手紙が来て、すごく喜んでたよ」って言ってくれて。
ーやっぱり、お手紙嬉しかったんですね。
やっぱり手紙ってすごいんだなぁって改めて思いました。
ーもう1件も、問い合わせがあって商談に行ったんですか?
2件目のクリニックは、院長先生から電話があって「どんなことをしているの?」と聞かれました。そのまま電話で、仕事内容や時給を伝えて、そしたら「分かった」と言われて、決まりました(笑)
ー軽いですね(笑)
でも、1回お会いしてお話しさせていただきたいですって言って、面談に行ったんです。その面談が、院長がなくて秘書の方だったんですよ!
ーえっ院長じゃないの?
「僕はいけないから秘書に行かせます」って言われて。後から知ったんですけど、私が手紙を出したのが分院だったんですよね。本院は1日100人ほど来院する大きな医院で、院長は「歯科衛生士は何人いてもいい」という考え方のようです。私が行った分院は開院1〜2年の比較的浅い歯科医院で、そこに歯科衛生士がいなくて、これから体制を整えたいという内容の話がありました。
でも私、結局院長とは会ったことないんですよ(笑)今は週1回、院長のお父様と働いています。
ー家族経営なんだ。院長とは会ってないんですね(笑)
院長のお父様は、とても穏やかで落ち着いていて…。、必要とされているという実感があるので嫌ではないです。
ーそれならよかった!これまで勤めていた医院と比べて、差がすごいですよね。
そうなんです!今までいかにヤバいところにいたかっていう(笑)私、ずっと、すごいところで修行してたのかもって。
ー修行が長すぎましたよ〜!(笑)がんばりましたね、弘子さん。
契約先2件の先生方は、気さくで、私の意見もしっかり耳を傾けて聞いてくれて、ちゃんと先生と普通に話ができることが嬉しいです。会話が成り立つっていうか、そういう感覚は初めてです。前職場がいかに特殊だったかを痛感しました。
ーそれは本来、普通なことですけどね(笑)でも、そこで気づけたんですね。よかったー!
はい、15年勤めたけど、初めて外に出て他の先生と出会うことによって、自分がどれほど閉ざされた環境にいたかがわかりました。
ー働き方を変えたことで、感じた変化はありますか?
患者さんへの説明に自信が持てるようになりました。前は、自分でも「的を得ていない説明をしているな」と思うことあったんですけど、いろんな先生と話すことで自信がついてきました。
ーなるほど、そういうところに変化があったんですね。それって、なんでだと思いますか?
今までは否定され続けてたんですよね。先生は自分が正しいから、私が意見してもイラッとされるだけで、だからあまり口を出せなかった。
でも新しい医院ではちゃんとコミュニケーションがとれて、私も先生に「これってこうですか?」って聞けるし、先生も「そうだよ」って言ってくれる。そうやって肯定される経験が増えたからなのか、患者さんへも自信を持って「私、これであってるんだ」って思いながらできていると思います。
ーそれはよかったですね。
はい。私も安心して患者さんへ話ができて、患者さんもちゃんと話を聞いて納得してくれていると実感しています。
ー働き方を変えてみて、ご家族はどうですか?
中学1年の息子がちょっと障がいのある子なんですけど、私の仕事先が増えたことを最初はなかなか理解できなかったみたいです。デイサービスに行く機会が増えたりするのが少し嫌だったみたいで。仕事だよと言っても「遊びに行っているの?」と疑っていました(笑)
でも「働かないと欲しいものや行きたい場所に行けなくなるよ、それでもいいの?」と話して説得したら、「それは困る」って言ってました(笑)
ー今はちゃんと理解してくれてるんですね。家庭との両立で工夫していることとかありますか?
帰宅が遅くなる時もあるんですけど、そういうときは連絡をして、息子には鍵を持って自分で帰ってもらっています。今は「忙しそうだね」と言いながら応援してくれます。
ーそれならよかった。キャリココの6カ月を振り返って、成長した!とか大きく変わったと感じる部分はなんですか?
「動けば未来は変わる」と実感できたことです。自分自身を認められるようにもなりました。自分で動けば結果を出せるという確信が持てたこと。それが本当に良かったです。
ーキャリココを終えてどんな気持ちですか?
挑戦して良かったと思います。自分の道が開けていくことは本当に嬉しいです。キャリココのクリアリング(不要なものを手放す整理)で、自分に必要なものが見えたんです。私、結構大幅に、人生のクリアリングをしました。
ー1番大きなものは何でしたか?
それは「今の職場を辞める!」ということです!!
退職を決めてから、本当に気持ちが軽くなりました。次へ進む準備ができた感覚です。愛想が尽きたというか、「もういいでしょ!」という気持ちです。辞めるって話をしたら、過去に退職していった同僚には「やっと辞めるの?」と言われましたが(笑)
ーかなり気持ちが吹っ切れた様子ですね。弘子さんは、今後挑戦したいことはありますか?
やっぱり、教育に関わる仕事をしてみたいです。自分にはどんなシステムとか流れがいいのかなと考えながら、これから新人の教育とかやっていきたいなと思っています。
ー素晴らしいですね。最後に、同じように悩む歯科衛生士へメッセージをお願いします。
もやもやしたままにせず、まずは動いてみてほしいです。ちょっとでも気になるなら話を聞くだけでも未来は変わると思います。
そのもやもやをずっと持ち続けない方がいいと私自身は思っています。
やるかやらないかは別にしても、何かのヒントになるかもしれないので、そういうきっかけやタイミングがあれば、一歩踏み出す勇気を持ったらいいなと、私の実体験からそう思います。
ーなんかずしっときますね。「一歩踏み出す」というキーワードは、弘子さんにとって大事な言葉なんですね。
多分、踏み出さなかったら、永遠に今の歯科医院にしがみついて、一生文句しか言わず、もやもやした日々を送っていたと思います。そんな人生送っても、楽しくないよなぁって、今は客観的に考えられます。
ー本日は、たくさんお話を聞かせてくださりありがとうございました。これからも応援しています!
ありがとうございました!
弘子さんの体験から伝わってきたのは、「環境を変える勇気」がもたらす大きな可能性でした。「動けば未来は変わる」。これは決して特別な誰かの話ではなく、弘子さん自身が体験した現実です。
弘子さんの人生にとって、キャリココとの出会いは単なる「きっかけ」。現状から抜け出すために弘子さんが一歩踏み出す力になったのは、弘子さん自身の「変わりたい」という思いです。
悩み続けるのではなく、まずは一歩を踏み出すこと。その行動こそが、歯科衛生士としても、一人の人としても、次の可能性を開く鍵になるのではないでしょうか。









