今、歯科衛生士にリップアート技術習得をおすすめしたい理由|フリーランスDH根本はな恵さんインタビュー

歯科衛生士がリップアートメイクの施術ができるって、ご存知ですか?歯科衛生士のためのリップアートスクールも増え、興味を持っている方も多いのではないでしょうか。

施術が認められたとはいえ、歯科衛生士であれば誰でもどこでもやってOKというわけではありません。

リップアートは医療行為なので、医療機関内で医師の管理のもとに行うことが義務付けられています。つまり、自宅サロンで個人で行うことはできず、歯科衛生士は「歯科医院で歯科医の管理のもとでなら」施術できる、ということです。

そんな中、フリーランスとしてリップアートを行っているという、根本はな恵さんにお話を伺いました!

2024年に歯科衛生士のリップアートが認められてから、いち早くその世界に足を踏み入れた根本さん。歯科医院に属さずフリーランスとしてどのように仕事に繋げているのか、また、今後のリップアートへの思いまで、貴重なお話を語ってくださいました。

リップアートが気になっている歯科衛生士さんはぜひ最後までお読みください。

坂口 りさ
D.HIT編集部 坂口 りさ
大学病院の矯正科、一般歯科、一般企業の事務職を経験。転勤族でもキャリアを積みたい、子どもに「おかえり」を言ってあげられる環境が作りたい思いから在宅ワークに挑戦。現在は歯科専門ライター、採用支援、コンサルなど歯科医院の問題解決をするフリーランス歯科衛生士として活動中。

歯科衛生士×リップアートメイク

リップアートとの出会いは知人の紹介

キャリココ卒業生でもあり、現在フリーランス歯科衛生士として活動している根本さんですが、当初からアートメイクの道を進もうという展望があったわけではありませんでした。

「もともと、フリーランス歯科衛生士として活動を始めた頃は、アートメイクをやるつもりなんてまったくなかったんですよ。採用支援とか助っ人をやっていました」

フリーランスとして認知活動をしていた根本さんに声がかかったきっかけは、なんと「ママ友」。根本さんの活動を知ったママ友の、そのまた友人がアートメイクスクールの社長で、フリーランス歯科衛生士を探しているらしい、というのです。

「そのママ友と社長さんと、3人でランチに行きました。話を聞いたら、今は看護師向けにアートメイクスクールをやっているんだけど、2024年に歯科衛生士もリップアートをやっていいという発表があったから、今後広げていきたい。でも歯科衛生士に対してどう集客とかをしていけばいいのかわからないから、手伝って欲しい、という話で。運営のサポートをする形で、私が入ることになりました」

最初は運営サポートとしてだったが、結局根本さん自身が歯科衛生士のスクール生第1号としてアートメイク技術を習得することになり、リップアートのアーティストとしてデビューしました。

「フリーランスのことを話した友人の元同僚がたまたまその会社の社長さんだったっていう、ほんとに、願ってもないご縁が繋がった感じでした」

知り合いのドクターと個別契約へ

アートメイクは医師の管理下で医療機関で行うという決まりがあるため、資格があれば個人でどこででもできる…というわけではありません。そこからどのようにして、実際の仕事へと繋げて行ったのでしょうか。

「まず、新卒からお世話になっている歯科医院の先生へ連絡を取って、『フリーランスでアートメイクを始めました』とお知らせしました。そしたら、その医院のスタッフの間でも『歯科衛生士がアートメイクをできるようになったから、これから取り入れたいね』というのが話題になっていたそうです。それで、声をかけていただいて、契約になりました」

知り合いの先生とのつながりは、やっぱり強い!!契約は、リップアートの予約が入った日にだけ歯科医院に行って、医院のユニットで施術をするという形に。

「リップアートだけの契約なので、クリーニング等は一切やっていないんです。スタッフさんたちもめちゃくちゃアートメイクに興味津々で、実際にスタッフさんに施術もさせてもらったんですけど、みなさん『自分たちも施術できるようになりたい!』って言ってます。いずれは、そういうスタッフにリップアートを教える講師としても入らせてもらえたらいいなと考えてます」

リップアートを始めるための費用は?

ホワイトニングだと、初期費用に何十万〜100万以上かかるようなイメージですが…。

「初期費用が、めちゃくちゃ安いんです!リップアートに必要なのは、機械とインク。これが、5万円くらいあれば大体揃います。5万円で導入できるなら、1〜2人でもお客さんが来たら元取れちゃうくらい。この導入のしやすさは、アートメイクの強みだと思います!」

「あとは念のため、簡易ベッドとライトも持っていますが、歯科医院のユニットを使うなら必要ありません」

ランニングコストは、根本さんの場合、医院のユニットの間借り代として、お客さん1人につき1万円

「これは正直、破格だと思います。新卒からずっと働いていた医院で、もともと仲良い先生だったから…あまり参考にならないかも。実は先生からは、もう少し欲しいって言われてるんですけど(笑)今のところ据え置きでやらせていただいてます。

でも、機材や物品類は全部私が自分で持っていくので、医院側で買ってもらうものは一切ないんですよ。医院にとっては初期費用なしで売上げになるので、win-winだと思っています」

大体の場合は、「売上げの◯%」などパーセンテージで決めることが多いと思います。固定費用じゃなく、患者さんの予約が入ったらその都度渡すというやり方だと、マイナスになる心配はないので安心ですよね。

現在のリップアートの収入は?

「施術は、お客さん1人につき2〜3時間で、6万円いただいています。そのうち1万円を先生に渡すので、たとえば2人予約が入れば、1日で10万円の収入になります。私も行ける日が限られているので月に1〜2回程度ですけど、とてもありがたいですね」

月1回で1日10万円というのは、歯科衛生士の副業としてもかなり魅力的な数字。施術の場所と時間さえ確保できれば、さらに大きく稼げる可能性もありそうです。

「リップアートを学ぶスクール代の相場は50万円程度ですが、単価も需要も高いので、すぐにペイできると思いますよ」

Q.集客はどうしてるんですか?

クリニックの既存の患者さんに伝えてもらいました。「リップアートメイク導入しました」というポップを院内に貼ったり、受付でチラシを渡してもらったり

 

私が今その医院に勤めてるわけではないのでスタッフさん任せになっちゃってますけど、それでお客さんが来てもスタッフさんには何もインセンティブはないので…そこまで積極的に推してくださいとは言ってません。

 

ただ、そのスタッフさんたちに、最初に無料でリップアートやらせてもらったんですよ。だから「ちょっと気になってるんです」っていう患者さんがいた時に、「私もやってるんです、楽ですよ〜」って話をしてくれているみたいで。そこで患者さんを獲得しているのもあると思います。

 

無料での施術だったけど、スタッフさん自身が施術の証明というか、モニターになってくれていて。それもwin-winかなと思いますね。

歯科医院でアートメイクは需要がある?

根本さんのように「もともと仲の良い先生」がいなければ、自分で開拓するしかなく、そこがネックになりそうですが…そもそも需要は、あるのでしょうか?

「今、需要はめちゃくちゃあると思います!リップアートを歯科衛生士ができるようになったと知って、導入したいっていう先生、結構いますよ。

でも、じゃあ自分のところのスタッフをスクールに行かせるか?と言ったら、1人50〜60万もかけて行かせるのはちょっとリスクがあるんです。やってもお客さんが来るかどうかわからないし、そのスタッフが医院を辞めてしまうリスクもありますからね。だから、自分でスクールに通って、すでにリップアートの技術があるフリーランス歯科衛生士の需要は、高いと思います。

リップアートを導入したいけれど、大きなリスクは取りたくない先生にとって、予約が入った時だけ来てくれるフリーランス歯科衛生士の存在は、とても理に適ってるんです」

アートメイクを専門にしている美容医療クリニックもたくさんある中で、それをあえて歯科医院でやることに、患者さんからの需要はあるのでしょうか?

「東京とかの都会なら医療アートメイクをやっている美容系のクリニックが結構ありますけど、ちょっと地方へ行くと、そういうクリニック自体、あまりないんですよね。だから結構、患者さんからは喜ばれますよ。それに、美容クリニックは敷居が高いけど、いつも行ってる歯科医院でやってもらえるならやってみようかなっていう患者さんも多いと感じます」

アートメイクは、医療機関でやらなければいけないと法律で定められています。しかしほんの一昔前は、エステサロンやマツエクサロンなどで、看護師や歯科衛生士の資格を持たない人が施術しており、トラブルも多かったといいます。

「でも実は、いまだに資格なしでコスメティックタトゥーみたいな形でやっているサロンとかもあるんですよ。そういうのもあるから、患者さんもタトゥーって聞いたらちょっと怖くて一歩踏み出せなかったけど、歯科医院でやってるんだったら安心だからっていうので来てくださる方は多いですね。新規の患者さんで、『リップアートやってるって聞いて、来ました』っていう方もいたので、歯科医院の集客にも繋がっているなって感じます」

歯科衛生士はアートメイクに向いている!

元は看護師の領域だったアートメイク。リップアートに関しては歯科衛生士でもできることになりましたが、看護師と歯科衛生士の違いってなんでしょうか。

「リップアートって、やることは結構細かい作業なんですよね。歯科衛生士って、ずっとスケーリングとかやってきて、そういう細かい作業が得意じゃないですか。支点を置いて器具を動かすっていう動きが、スケーリングと結構似てるんですよ。

ちょっと道具が変わるだけで、扱い方とか、角度、支点の置き方、チェアポジション…歯科衛生士として今までやってきたことが生かされていると思います」

「もちろん看護師さんも細かい作業はあるだろうけど、他にも幅広くいろんなことをやるし、口の周りって実はそんなに触らないんですよね。たとえばロールワッテを入れるだけでも、看護師さんはやったことがなくて最初はわからないんですよ、みなさん。

でも、歯科衛生士はほんとに口のことばっかりやっていて、お口周りのスペシャリストだからこそ、感覚がすでに身についているんです。歯科衛生士はリップアートの技術の習得が早いなっていうのは感じています」

Q.麻酔も自分でするんですか?

麻酔は、講習を受けてしっかり学びました。

 

でも実際には、先生に打ってもらっています。自分でもできるんですけど、やっぱり先生がいるなら先生にやってもらったほうが、私も患者さんも安心じゃないですか。

 

今後、他のクリニックとかで先生が打ってくれないことがあれば私が打つこともあると思いますが、今のところは先生にお願いしてます。自分で麻酔を打つかどうかは、先生との関係性や契約次第じゃないでしょうか。

歯科衛生士のリップアートは伸びる!

今とても勢いのあるアートメイク。歯科衛生士のリップアートのスクールも増えており、これからますます広がっていくことが予想されます。

「地方では特に、すごい伸びてくるだろうなと思っています。ちょっと田舎だと、看護師さんがやってるアートメイクすらもなかったりするので。病院でアートメイクって、美容系の医院じゃないとなかなか導入しないと思うんですけど、さっきも言ったように、美容系の医院って田舎にはないんです。

でも、歯科医院はいっぱいあるじゃないですか。地方に住んでいる人がアートメイクやりたいなって思った時に、都会まで出て行かなくても『歯科医院でできるんだ!』ってなったら、ちょっと身近で気軽にできる。それは歯科でやることの結構強みなのかなって、私は思っています!」

「ただ、『技術の差』が今後はっきりしてくるだろうなっていうのは思いますね。今は始まったばかりだから結構お客さんも来てくれるけど、単純にやる医院が増えたら、競争率も高くなるので…そういう恐怖心は持ってますね。患者さんも、症例を見て選ぶようになってきますから。

だからプロのアーティストとして、しっかり腕を磨いて、差別化して、リピーターを獲得していかないと。今後は『歯科でアートメイクやってるよ』だけじゃ弱いだろうなと思います」

私もやってみたくなりました!

「ぜひぜひ!結構、楽しいですよ。唇の端から順番に色を入れてくっていう作業が、色塗りしてるみたいで無心でできて、私、結構好きです。

アートメイクやる人、増やしていきたいんですよ。今、だいぶ増えてきてるとは思うけど、まだまだこれから、歯科業界で盛り上げていきたいなっていう気持ちがあります。

フリーランスだとスクール代は個人で出すことになるけど、投資する価値はあると思います。これから始める人が増えてくることを考えると、自分が施術するだけじゃなくて講師の需要もまだまだ増えてくると思うし。興味があるなら、今リップアートメイクをできるようになっておくというのは、フリーランス歯科衛生士としてめちゃくちゃおすすめです。始めるなら今だと思います!」