「今の生活に困ってないし、別にこのままでいいかな」
転職を考えたとき、新しいことを学ぼうと思ったとき、キャリアチェンジが頭をよぎったとき。そう呟いて、結局何も変えずに日々を過ごしてしまう…。そんな経験ありませんか?
この「今のままでいいや」という言葉は、一見すると謙虚で現実的な判断に思えます。
でも実はこれこそが、あなたのキャリアを停滞させる、最も危険な思考パターンなのです!
今回は、歯科衛生士が陥りやすい「コンフォートゾーン」について私の視点からお話していきます。
居心地の良い場所に留まり続けることが、実はあなたのキャリアにどんな影響をあたえているのか?少しだけ、立ち止まって考えてみてほしいです。
まず、コンフォートゾーンについて説明すると、心理学用語で「快適な空間」を意味します。ストレスや不安を感じることなく、安心して過ごせる環境や状態のことですね。
こうしてみると、一見良いことのように思えます。でも、ここに大きな落とし穴があるのです。
どういうことかというと、人間はコンフォートゾーンにいる限り、成長することができません。なぜなら、成長とは「できなかったことが、できるようになる」プロセスだから。その過程には必ず、不安や緊張といった感情が伴います。だからこそ、新しいスキルや経験を得るためには、安心できる場所から一歩外に踏み出す必要があるのです。居心地の良さに甘えているだけでは、未来は変わらない――これがコンフォートゾーンの本当の落とし穴なのです。
そしてさらに厄介なのが、「現状維持バイアス」です。これは、変化よりも現状を維持することを好む心理的傾向のこと。
人間の脳は、変化をリスクとして認識し、無意識に現状維持を選ぼうとします。何かを変えたいと思っているにもかかわらず「今のままでいいか」「まだこのままで大丈夫」と思ってしまうのは、このバイアスが働いているからなのです。
けれど、世の中は絶えず変化し続けています。
あなたが「今のままでいい」と立ち止まっている間にも世間は進化し、周りは成長していきます。現状維持のつもりでいても、実際には少しずつ後退していることに気づいていないのです。
では、歯科衛生士のキャリアに視点をおいたとき、どんな「コンフォートゾーン」があるのでしょうか?4つのパターンからお話していきます。
「今の職場、まぁ悪くないし。今のままでもいいよね」
もちろん、長く働くことは悪いことではありません。でも「なんとなく」「変えるのが面倒だから」という理由で留まっているなら、それは惰性かもしれません。
毎日同じルーティン、同じ患者さん、同じやり方。それが悪いわけではありませんが、5年後、10年後のあなたは今と何が変わっているでしょうか?気がつけば「この医院以外で通用するスキルがない」という状態になっていないでしょうか?
「勉強したいと思ってるんですけどね…。でも今のままでも仕事はできてるし」
そう言いながら、セミナーの申し込みを先延ばしにしていませんか?最新の治療法や予防歯科の知識、新しい器械の使い方。学びたいことはたくさんあるのに「忙しいから」「今度でいいか」と後回しにしてしまう。でも、歯科業界は日々進化しているのはあなたも理解しているはず。あなたが「今のスキルのままでいい」と思っている間にも、後輩たちは新しい知識を身につけ、どんどん成長していきます。気づいたときには、自分だけが取り残されているかもしれません。
「人間関係が変わるのが怖いし面倒。今関わっている人だけでいいかな」
今の職場やママ同士の人間関係が良好なのは素晴らしいことです。でも、その環境に甘えて新しい人との出会いや、ネットワークを広げることを敢えて避けていませんか?
勉強会に行かない、いつも交流するのは同じ人、SNSでの発信もしない。同じメンバーとだけ過ごす日々はたしかに楽です。でも、その小さな世界のなかだけで生きていると視野が狭くなり、新しい価値観や働き方に触れる機会を失ってしまいます。
「転職、考えているんですけどね。でも今のままでも、まぁまぁやっていけるし」
「いつかはキャリアチェンジしたいんですけど、もう少し経験を積んでから」
そう言いながら、何年も同じ場所にいる人は少なくありません。転職サイトを見るだけで、行動しない。興味のある分野があっても調べるだけで終わる。「もう少し今の職場で経験を積んでから」「もう少し貯金してから」と、理由をつけて先延ばしにする。
でも、その「もう少し」は本当に来るのでしょうか?判断を先送りにしているうちに、気づけば歳を重ねていき、「今さら転職なんて…」と選択肢が狭まっていきます。
いかがでしょうか?あなたにも、思い当たる節はありませんか?
私は、このようなケースをたくさん見てきました。だからこそ、悩んでいる人に手を差し伸べたい、気づいてもらいたいという想いが根底にあります。
では、ここで一度考えてみましょう。
もし、コンフォートゾーンに留まり続けると、何が起こるのでしょうか?
まず、成長の機会を失います。新しいチャレンジがなければ、スキルも経験も増えません。同じことの繰り返しでは、キャリアは停滞します。
次に、市場価値が下がります。歯科業界は常に進化しています。新しい治療法、新しい器械や設備、新しい働き方。それらに対応できない歯科衛生士は、徐々に求められなくなるかも…。「今のままでいい」と安心していた結果、気づいたときには「転職したいけど、自分を欲しがる医院がない」という状況に陥ってしまうかもしれません。
そして最も怖いのが、選択肢が狭まることです。年齢を重ねるごとに、求められるのは即戦力ですよね。新しいことを始めるハードルは、どんどん高くなっていきます。
「あのとき、動いておけば良かった」――そう後悔しても、時間は戻ってきません。
「今のままでいいか」という判断は、実は「今のままでいい」のではなく、「今のままでは足りなくなる未来」へとあなたを導いているのです。
ここまで読んで、「じゃあ、我慢して無理しなきゃいけないの?」と思った方もいるかもしれません。
違います。
嫌なことを無理やり続ける必要はありません!ストレスに耐え続ける必要もありません!
大切なのは、「今のままでいいか」という思考停止をやめること。自分が本当に成長したい方向へ、ちょっとだけ勇気を踏み出すことです。
いきなり大きな変化を起こす必要はありません。小さな一歩でいいんです。
興味のあるセミナーに申し込んでみる。コミュニティに入って新しい出会いをつくる。転職サイトに登録してみる。副業を始めてみる。――そんな小さな行動が、あなたのコンフォートゾーンを少しずつ広げていきます。
そして、その先には何があるのか?
新しいスキル、新しい出会い、新しい可能性。そして何より、「自分はまだ成長できる」という自信と、選択肢がある人生です。
コンフォートゾーンを抜け出した瞬間は、確かに不安でしょう。でも、その不安こそが、あなたが成長している証なのです。
「今のままでいいや」――この言葉に、どれだけのチャンスを逃してきたでしょうか?
居心地のいい場所に留まることは、楽です。でも、その楽さに甘えていると、気づいたときには手遅れになっているかもしれません。
大切なのは、自分のキャリアを他人任せにせず、自分で選択すること。現状維持バイアスに気づき、小さくてもいいから一歩を踏み出すこと。
あなたのコンフォートゾーンは、どこにありますか?そして、あなたは今、どこへ向かいたいですか?
「今のままでいいや」ではなく、「今より良くなるために、何ができるか」――その問いから、あなたの成長が始まります。
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