こんにちは!D.HITのインタビューチームライターのsakuraです。
今回お話を伺ったのは、三児の母でありながら、訪問歯科とフリーランスを組み合わせた“二本柱”で自分らしい働き方を見つけたという、竹中萌子さんです。
とはいえ、ここに至るまでの道のりは決して平坦ではありませんでした。復職時の面接での心ない言葉や、勤務初日に子どもが熱を出したり、職場でのいじめのような経験も…そうして今の働き方にたどり着いた萌子さんの言葉には、リアルな説得力があります。
なんと、キャリココを受講したことは旦那さんには内緒!その裏側には涙あり笑いありのストーリーがありました。
家族との時間を大切にしながら、自分の強みであるスキルを活かしてイキイキと働くその姿は、きっと多くの歯科衛生士が共感し勇気をもらえるはずです。ぜひ最後までご覧ください!
ー今日はお忙しい中ありがとうございます。まず、簡単に自己紹介をお願いできますか?
よろしくお願いします。竹中萌子です。現在32歳で、専門学校を卒業してから、歯科医院で正社員として働いていました。小さい頃から、早く結婚して、早くに家庭を築きたいという夢があって、実際23歳で結婚、25歳で第一子を出産しました。その後2年ごとに出産して、今は3人の子どもがいます。
ーありがとうございます!歯科衛生士になってからこれまでのストーリーを聞いていきたいんですけど、まず新卒で正社員で働いて、何か悩んでいたことはありますか?
歯科衛生士学校って、私の時は3年制でしたけど、学費も高いし、授業内容も学ぶ量がとても多いですよね。全身にわたる勉強をたくさんしてきて…なのに、給料がものすごく安い。拘束時間が長いのに、給料が見合ってないんじゃないかとずっと思っていました。今はパートなんですけど、働く時間とお給料で考えるとむしろパートの方が稼げるなって思うくらい、正社員の給料が安すぎる!っていうのは、歯科衛生士として働き出してすぐに感じていました。
ー確かに、国家資格なのに!って思いますよね。
最初は、初めて歯科業界に入って、わからないことや覚えることも多く充実していてよかったんですけど。慣れてきて、できることも、任せられる仕事も増えてきた時に、拘束時間と給料のバランスに「なんだこれは!」って絶望しました。これだけ勉強して、体全体のことも理解しているのに…。これなら看護師で夜勤してる方が良くない?って思っていました。
ー出産後、小さなお子さんを育てながらのお仕事で大変なこともありましたか?
はい、かなり苦労しました。歯科衛生士に限ったことじゃないけど、妊娠・出産を繰り返すと、やっぱりものすごく働きにくいですよね。育休までは働けたとしても、いったん現場を離れて、そこに復帰できるか、自分のポストはあるのかとか。別の医院で働くにしても、子どもがいると急に休むことも多くなるから、「また休むの?」って言われたり。
ーうんうん、本当そうですよね。
子どもも熱を出したくて出しているわけではないし、予測もできないからすごくやりにくかったです。予測できればアポ入れないなどできるかもしれないけど…「来週の水曜あたりに熱が出るので、お休みとっときまーす」とか、そんな予知能力があるわけでもないし(笑)
ーあははは(笑)そりゃそうだ(笑)
そもそも子どもがいると、「子どもを預ける」という作業があるじゃないですか。市役所に行って手続きして、待機児童の多さに驚いて、全然入園できないじゃん!ってなって。そういうストレスもありましたし、いざ保育園が決まっても、面接に行くと「子どもがいて、◯歳と◯歳です」って言った段階で、「え?」と言われて。歯科衛生士は不足しているからすぐに欲しいし戦力として必要だけど、でも急に休まれたらやっぱり困るっていうことで。本当に嫌な顔をされたり、子どもがいるのに働いて大丈夫なの?本当に休まないの?とか、子どもが熱出したらどうするの?誰か見てくれる人他にいるの?とか。面接の時から、かなり具体的なところまで聞かれたこともあります。
ーそんなことまで聞かれるんですか?!聞かれてどう思いましたか?
子育てしている人に対して、すんごい世知辛いなと思いました。その面接から「今は私は働きに出れないんだ」と思って、歯科衛生士からしばらく離れたんです。
ー復帰をやめたんだ!?
やめました!子どもと家にいて、自宅保育をしていました。でも早く働きに出たかったんです。やっぱり衛生士やりたいと思って、ある程度落ちついた時にやっと働きに出られることになったんですけど、でも、初日に子どもが熱出して休んだんですよ。
ー初日に休んじゃったんだ!でも、あるあるですよね〜。それは仕方ないです。
で、初日に休んでしまったからかわかんないですけど、職場でいじめにあったんです。
ーえっ?いじめですか??
はい。あとから思えば、面接に言った段階で挨拶したらシカトされたりはしていたんですよね。
ーえ〜!そこの衛生士さんに?
衛生士かなって思ったら、入ってみたら受付さんでした。その受付2人に、辞めるまでコテンパンにやられました。同期が1人いたんですけど、ターゲットは私で。3人目妊娠して臨月まで働いたんですけど、私が辞めたあとは同期がターゲットになってましたね。
ーつらかったですよね。
あ、でも私は意外と、いじめられることに対しては特に何も思わなかったんですよ(笑)そんなに響かなかったです。なんでだろ、同期は味方だったし、みんなからいじめられるとかではないから孤独ではなかったし。小学校の時もいじめられたことあって、慣れるじゃないけど、考え方次第で、「いやだ〜」って自分が悲しくなってるとメンタルやられてくるんで、逆にそのいじめてくる人に対して「そんなやり方しかできなくて可哀想だな〜」みたいに思えると、もう全然気にならないです。
ー強い…!
でも、結構ひどかったと思います。同期もがんばってたけど結局体調を崩して、辞めました。体調崩す前から、さっさと辞めなさい!って言ってたんですけどね(笑)
ー友人としてはそうなりますよね。産後、その歯科医院には復帰しなかったんですか?
復帰しようかなってタイミングで、知り合いの衛生士さんから誘われて、他の歯科医院でパートで働くことになったんです。
ーお〜、心機一転ですね。
女医さんだったんですけど、面接の時に、子どもが3人いること、急に熱を出して休むことがあることとか全部伝えました。「それでもいいから来てほしい」って言ってもらって、リスクも承知で採用してもらったはずなのに、入ってみたらその院長から理不尽な扱いを受けました。
ー前もって言ったのに!?
そうです!子ども3人だから順番に風邪引いたら何週間も休むかもしれないとか、可能性があることは箇条書きにして全部言ってたんですよ。
ーリスクヘッジすごいですね!笑
全部言いましたよ!で、実際働き出してから、連続して熱を出したことが1回だけあったんですよ。そしたら院長から電話があって。「ちゃんとごはん食べさせてんの?母親として大丈夫?旦那さんに子ども見ててもらえないの?」とかいろいろ言われて怒られたんです。
ーちゃんと言ってたのに、話が違いますよね!
私も言い返したので、そこから院長と険悪になっちゃって。患者さんの前で怒鳴られたりするようになってきたので、「話が違うし、ご迷惑おかけするくらいなら辞めます!」って直接言って辞めました。
ーちゃんと直接言ったんですね!しっかりしてる〜!それが、2年前くらい?
そうですね、1番下が6ヶ月くらいの時です。
ー6ヶ月とかそりゃ熱出しますよね!当然ですよ。そんな状況でも、やっぱり歯科衛生士を続けたいと思ったんですか?
正直、もう歯科衛生士は無理だなと思って、他職種を探したりもしました。訪問して高齢者の買い物を手伝うような仕事をしたりとか、パソコンや機械類も得意だったのでIT系の会社の事務で探したりした時期もあります。でもやっぱり…時給が低くて。
ー歯科衛生士に比べると、やっぱりね。
それに、どこかで「歯科衛生士の仕事をまたやりたい」という気持ちがありました。歯科衛生士の仕事は、昔から特別なりたかった職業ってわけじゃなかったけど、子どもの頃から歯医者も怖くなくてむしろ好きだったし、手先が器用ということもあって、実際に進んでみるとやっぱり好きだなって思った仕事だったんです。歯科衛生士っていう職業自体に関しては、本当に自分の中では「天職だな」って思ってたんですよ。だからやっぱり歯科衛生士に戻りたいなって思うようになりました。
ーすごい!そこから訪問歯科へ?
訪問をやる前にもう1件、立ち上げから関わった歯医者があったんですけど、経営難で週3から週1に減らされてしまって。そんなときに今の訪問歯科に出会った感じですね。
ーすごい紆余曲折ありますね(笑)今の訪問歯科は、どんなところなんですか?人間関係とか良い感じですか?
うちは、歯科衛生士単独でルートを回るんですよ。だから院長とはあまり関わりがないし、他の歯科衛生士さんたちはすっごくいい人たちです。初めてこんなにいい人たちに巡りあった!っていうくらい。
ーお〜良いですね!やっと良い職場に巡りあえたんですね!
はい!今はそこで、週2で9〜15時で働いています。15時にはなかなか終われないけど、遅くても16時には終わるので、子どものお迎えにも間に合うし、時給も良いんです。たった週2回の勤務なのに、扶養超えてしまいそうなくらい稼げるので、お得感あります!
ーめっちゃ良いですね!そこに出会えてから、今のフリーランスの道を進むのは何かきっかけとかあったんですか?
この訪問を始めたあたりから働き方を考えだして、やっぱりIT系もやりたいなとか、在宅で働きたいな〜とか思って、SNSで色々調べていました。そんなときにInstagramの広告でD.HITを見つけて、無料相談だけでもと思って申し込みました。
ー無料相談を申し込むのに、迷いとか不安ってありましたか?
なかったですね。聞くだけならタダだし、知っているのと知らないのとでは全然視野が違うと思うので、どういう感じなのか話だけでも聞いてみようと思って。すぐポチッとしました。
ーすぐポチッとしたんですね!(笑)無料相談ではどんな話をされましたか?
今までの悩みとか、今の働き方とか、話を聞いてもらいました。アドバイザーさんのコミュニケーション能力がすごくて!いろんな角度からアドバイスをもらえるので、こんな可能性もあったんだなとか、新しい視点から学んだこともすごく多かったです。その中で、D.HITのことも細かく教えてくれて。パソコンが得意だって言った瞬間に「それだよ!光ってるじゃん!やったほうがいいよ!」って(笑)
ー言ってくれたんですね(笑)入会はすぐ決めたんですか?
無料相談から入会まで、結構期間があいたんです。やりたいなって気持ちはすごくあったんですけど、費用面のハードルがやっぱりあって…ずっと悩んでいました。
ー小さな額ではないですもんね。
家のローンとかもあるので、余計な出費を増やして、収入が得られるっていう確証もないのに、どうなんだろうか…と。夫にどう説明したらいいかなとか悩んでました。
ーご主人には相談されたんですか?
2回しました。でも2回とも却下でした。そんな先行投資はリスクが高すぎる、資格でもないのに無理だよって言われて、玉砕しました。でも悩んでる間もずっとアドバイザーの方と連絡は取らせてもらってて、夫をどう説得したらいいかとか、どの銀行が金利が安いとか、ローンを組んだあとこうやっていったらしっかり返済できるよとか、細かいことまで相談に乗ってもらって。何回かミーティングをさせてもらった中で、そういう具体的ないろんな案を提示してくださいました。
でも最終的に説得はできなかったので、夫には秘密にして、自分で勝手にローンを組んで受講することに決めたんです。
ーえ〜!ご主人に内緒で始めたんですね。
はい、完全に(笑)。だから、講座のZoomミーティングもこっそり。夫の仕事が、突然勤務時間が変更になって早く帰ってきたりするので、大変でした。一回、Zoomミーティングの5分前に帰ってきたことがあって、コーチに「ちょっとだけ待ってください!」って言って急いで近くの駐車場に避難して、車の中で受講したこともありました(笑)
ーそんな裏側があったとは…。
キャリココ自体はすごく楽しくて、新しいことを学べるのも好きだし楽しかったんですけど、夫に隠すのが大変でしたね。ミーティングも、手紙を書くのも、動画を観るのも、すべて子どもや旦那がいない時しかできなかったので、ソワソワしつつもやりきる感じでした(笑)
ーじゃあ、週1の一般歯科と、週2の訪問歯科のダブルワークをしてるところに、キャリココが入ったって感じですか?
そうです。平日でいうと残り2日はフリーですけど、それも夫がいつ帰るかわからなくてビクビクしながら(笑)もう帰ってきちゃうとそれ以降は作業ができないし、子どもが保育園から帰って寝かせてからちょびっと作業する、みたいな感じで、全然活動する時間を取れなかったんですよね。「先に寝るね〜」って寝室に行って、こっそり動画見て勉強してたりしました。
ーどうやって時間を作ったんですか?
結局、オープンから勤めていた歯医者を辞めることにしました。もともと週1に減っていたし、この際キッパリ辞めて、訪問だけにしようと思って。そうすることで活動できる日が週2から週3に増えたので、時間ができた感じです。
ー大変だったですよね。「次のミーティングまでにこれとこれとこれやろう!」みたいにどんどん進んでいきますもんね。
はい、キャリココは3ヶ月だったので、やることも詰め込む感じで、時間が足りなさすぎました。
ー子どもがいるからなかなか時間が取れないっていうのはよくありますけど、旦那さんにバレないように…っていうのはなかなか聞かないですよね(笑)
そうですよね、戦ってるとこが違いますよね(笑)
ーでもやっぱり、キャリココやりたくても旦那さんに反対されて、それが大きなハードルになってる人も多いと思うんですよ。
そうですね、内緒にしながらでもできるよ!こういうふうにしたらいいよ!っていうアドバイスはすごくできると思います(笑)
ーちなみに今はもうカミングアウトしたんですか?
たぶんまだバレてないかもしれないです。でもこないだパソコン買ったからなぁ…あ、キャリココ中はパソコン持っていなくて、ずっとスマホでやってたんですよ。
ーそうなんだ!
でもそんな時間のない中でも、契約が取れたことには驚きました。
ーすごいですね!商品は何だったんですか?パソコンを使う系?
基本的には採用支援とかGBP、助っ人、資料作成あたりで考えてたんですけど、最初に契約取れたのがまさかの全然勉強してなかったSNS運用代行だったんです(笑)しかも歯科医院じゃないんですけど。
ーえっ歯科医院じゃないんだ!
そうなんです。たまたまよく行くマッサージ屋さんにそういう話をしたら、じゃあお願いしていい?って契約が決まって。あとは来週、採用支援の契約が決まる予定です!
ーすごい!おめでとうございます。
ありがとうございます!
ーキャリココ受講後、どんな変化を感じましたか?
やっぱり自分のできることが増えたのと、収入源も増えたので、それはよかったなと思います。たとえば今行っている訪問歯科が倒産したとしても、ほかの収入源があったら安心かなと思います。収入が分散されていることもフリーランスの良さだなと思っています。
ーこれからの目標はありますか?
私のように、子育て中で一歩踏み出せないママたちの力になりたいです。辞めたくて辞めたんじゃないって思ってる元歯科衛生士さん、たくさんいると思います。ただでさえママは働きにくい世の中なのに、歯医者なんてさらにものすごく働きにくい!!専門学校の友だちにも、復職したいのにできなくて衛生士から離れてしまった人っているんですよ。そういう、歯科衛生士が好きなのに、働けないっていう方の力になれたらいいなと思ってます。
ー最後に、読者の方に一言お願いします。
がんばれ!って感じですかね(笑)結局やるかやらないか、頑張るか頑張らないかも自分次第だと思う。やっぱり自分で動かないと未来は開けないし、できないからって立ち止まっていたって何もプラスにならない、現状は一切変わらないと思うんです。何かやらなくてもいいから、まずは知ること!いろんなことを知ることで、視野が広がったり、考え方が少し変わったりすると、進むべき道や選択肢が広がるので、そうやって学ぶ意識や行動に関して、一歩踏み出すことを「がんばれ!」って心から伝えたいです。
ーすごく濃いお話を、今日はありがとうございました!
ありがとうございました!
育児と仕事の両立に苦労されてきた萌子さん。同じ境遇のママたちへのメッセージでは、目を輝かせてエールを送ってくれたのが印象的でした!これからますますのご活躍を応援しています。