「私は子どもが好きだから、小児歯科向いてる!」
「子ども嫌いだから、小児歯科では働けない」
そう思い込んでいませんか?
「大人の対応は慣れてきたのに、子どもの対応苦手です」って歯科衛生士さん、結構います。
- 泣かれると焦る
- チェアーに座ってくれない
- 説明しても聞いてくれない
どうしたらいいの〜って状況が続いて、「もう無理っ」「子ども嫌い」「小児歯科向いてない」って思っちゃいますよね。
実は私自身、子どもは好きだったけど、小児対応めちゃくちゃ嫌いで、、、。内心「イヤイヤ言わずに、早くして」って思いながら仕事をしていた歯科衛生士4年目の頃。「子ども嫌い」って公言している先輩が、なぜか小児対応はめちゃくちゃ上手だったんです。
そこから私も、先輩の極意を盗みながらやってみたら、不思議と小児対応は上手くなるし、保護者からの信頼も得られるようになっていきました。
そんな私の失敗談も含め、子どもが嫌いでもできる小児対応のコツをお伝えしますね。
小児歯科での子ども対応NG例10選
処置中、子どもが泣き出した。 焦った瞬間、つい言ってしまっていませんか。
「痛くないよ〜!」「大丈夫だよ!」
現場では「よかれと思ってやっている対応」が、実は子どもの恐怖を増やしていたり、次回の来院を遠ざけていたりすることがあります。悪意はゼロ。むしろ一生懸命だからこそ、やってしまいがちなNG対応をご紹介します。
子どもは正直です。「痛くない」と言われたのに、少しでも痛かったら、その瞬間「やっぱり嘘だった」と確信します。一度失った信頼は、取り戻すのに何倍もの時間がかかります。根拠のない「大丈夫」は、安心ではなく不信感の種です。
口を開けてくれない子に、手で顎を押さえながら無理やり開けさせようとしてませんか?力づくは、歯医者へのトラウマを作る最大の原因です。身体を抑え込まれた記憶は、大人になっても残ることがあります。今日1回処置を進めても、二度と来なくなれば意味がありません。
なんの説明もなく、いきなり器具を近づけるのはNG。「何をされるかわからない」という状況が、子どもの防衛本能を最大限に刺激します。
「ちょっとだけって言ったのに全然終わらない」が続くと、子どもの中で「この人の言うことは信じられない」が積み重なります。その結果、次回の来院から強烈な拒否が始まります。
次の患者さんが待っているのになかなか進まないと、焦りますよね。「早くして」と言葉で言わなくても、焦りは声のトーンと動きに出ます。子どもは大人の焦りを敏感に察知し、「何か怖いことが起きる」と判断します。急かせば急かすほど子どもは固まり、結果的に余計に時間がかかります。
「口を開けてくれた」「頑張れた」という瞬間を見逃さないで!その場ですぐに「よく頑張れたね!」と褒めることが、子どもの「また頑張れる」に直結します。褒めないのは、最大の機会損失です。
立ったまま上から話しかけると、子どもにとっては圧迫感しかありません。かがんで目線を合わせるだけで、子どもの表情が明らかに変わります。最初の声かけの姿勢が、その後の関係性をつくります。
泣くのは子どもにとって正当な反応です。それを否定された子どもは、恐怖の上に「泣いてはいけない」というプレッシャーまで背負います。感情を抑え込まれた子どもは、次回さらに強く拒否するようになります。
「お母さん、今日は歯石が少しついていたので…」(子どもはそっちのけ)→自分の歯の話なのに、自分には何も言われない状況に強い不安と疎外感を感じます。
子どもの反応は、その日の体調・機嫌・過去の経験によって大きく変わります。「この子はダメ」と決めた瞬間、声かけも表情も雑になります。それは子どもにも必ず伝わっています。
10個を振り返ってみると、共通点は「早く終わらせたい」「言うことを聞いてほしい」という、歯科医院側の都合が前に出てきてしまっていること!
子どもを怖がらせるつもりはなくても、大人のペースで進めた瞬間、子どもにとっては怖い体験に変わってしまうのです。
「子どもが好き」だけで、小児対応はできない
入職したばかりの頃、私は「子ども好き」を完全な強みだと思っていました。プライベートでも親戚の子どもとよく遊んでいたし、子どもに好かれる自信もありました。だから小児対応も、きっと自然にできると思っていたのです。
でも、、、現実は違いました。
「子どもが好きだから、小児歯科向いてる!」そんなことありません!もちろん、子ども好きは大きな強みにはなりますが、だからといって小児対応が得意と言うわけではないのです。
普段は子どもと遊ぶのが好きでも…
- ギャン泣きで、何をしても泣き止まない
- 口を一切開けない子にどう声をかけたらいいの?
- 「やだ!」と全力拒否で、診療が進まない
- チェアーの上で動き回る…
こんな状況になると、急に対応が難しく感じることがありました。
当時の私がやっていたのは、とにかく「優しくする」ことだけ。「大丈夫だよ〜怖くないよ〜」と、笑顔で声をかけ続けていました。でも、それだけでは子どもの不安はまったく解消されていなかったんです。何も状況が変わらないまま、時間が過ぎていく診療を繰り返していました。
特に歯医者では、ライトや音など子どもにとっては怖い要素がかなり多い環境。「一緒に楽しく遊ぶ」のとは、全然違いました。
つまり、ただ優しく接するだけでは、小児対応は上手くいかないということ。
「子ども嫌いだけど小児対応が上手い先輩」を見ていて改めて気づいたのは、先輩は「優しい」のではなく「見ている」ということでした。
子どもの様子を観察し、今日はどこまで進められるかを瞬時に判断し、無理なときはあっさり引くことも大事。その判断の積み重ねが、結果的に「優しい対応」に見えていただけだったのです。
つまり、私に足りなかったのは、子ども好きの気持ちではなく、子どもを見極める技術でした。これに気づいてからは、子ども好きという感情に頼るのをやめ、ひとつひとつの型を意識して身につけていくようになりました。
- この子は、今どこまでなら頑張れそう?
- 説明より安心感を優先した方がいい?
- 今日は無理に進めない方が次へつながる?
子どもの反応を見ながら、それを見極め、関わり方を調整する力。これは、子どもが好きという感情よりも、技術が大きく関係していきます。
逆に言えば、子どもが好きじゃなくても、コツや型を知ることで対応できるようになるということです。
【重要】これだけできれば大丈夫!小児対応5ステップ
「型」と言われても、何から始めればいいかわからない歯科衛生士さんのために!現場で本当に使える基本だけを5つに絞りました。むずかしい理論ではなく、今日からすぐ実践できることだけです。
- 子どもペースで入室を促す
- じっくり観察し、どんな子なのかを知る
- タイプを掴めない場合は、とにかくゆっくり!
- できそうだからと、約束以上のことはしない!
- 親だけでなく、子どもにもちゃんと話す
子どもペースで入室を促す
- 子どもがまだ靴を脱いでいる途中なのに、親御さんが「早く早く!」と手を引いて、診療室へ連れていこうとする
- 待合室で抱っこして、子どもの意思とは関係なく診療室まで運んでしまう
実はこうした「急がせ」は、歯科衛生士よりも、親御さん側から起きていることがとても多いです。親御さんは悪気なく、「名前を呼ばれたから早く行かないと」「迷惑をかけたくない」という気持ちから、つい子どもを急がせてしまいます。
そんなときは、歯科衛生士から親御さんに一声かけることが効果的です。
「ゆっくりで大丈夫ですよ、待ってますね」
「来れそうなタイミングで来てくださいね」
このひと言があるだけで、親御さんも「急がなくていいんだ」と安心し、結果的に子どものペースを守ることができます。
靴を履く、靴下を直す、抱えていたぬいぐるみや絵本を置く位置を決めるなど、子どもにとっては、こうした小さな「自分のペースで完了させたい動作」がいくつもあります。一つひとつを急かさず見守るだけで、診療室に入る前から「ここは自分のペースが守られる場所だ」という安心感が積み重なっていきます。
逆に、ここで急かされてしまうと、診療室に入る前から子どもの中に小さな抵抗感が生まれてしまい、その後の対応がより難しくなります。入室を促す対応は、ドアの前だけでなく、待合室での所作からすでに始まっていると考えてください。
子どもの様子をじっくり観察し、どんな子なのかを知る
入室した瞬間に「はい、じゃあ椅子に座ってね〜」(すぐ処置モードへ)
入室してすぐに処置に入りたくなる気持ちはわかりますが、ここで急ぐと後で必ずつまずきます。
すぐに処置に入ろうとせず、まずは1〜2分、子どもをよく見てください。観察すべきポイントは、実はかなり多くあります。
- 親との距離感
親の足にくっついて離れない子もいれば、入室した瞬間からひとりで歩き回る子もいます。親にべったりな子は、まだ場に慣れていない・不安が強い可能性があります。逆に自分から動き回れる子は、好奇心が強く、ある程度自分のペースで動ける子だと考えられます。
- 表情と視線
・キョロキョロと周りを見渡している
・ライトや器具をじっと見つめている
・目を合わせようとしない表情や視線の動きは、その子の警戒レベルを表す重要なサインです。例えば、器具を凝視している子は「何をされるか」への警戒心が強い可能性が高く、先に器具を見せて触らせるステップが特に重要になります。
- 声・反応の有無
名前を聞いても無言なのか、自分からたくさん話しかけてくるのか、声をかけたときの反応の大きさも、タイプを見極めるヒントになります。
「今日はどんな靴履いてきたの?」「その服のキャラクター、好きなの?」診療と関係のない雑談を軽く投げかけてみると、その子が「言葉でのやりとりを楽しめるタイプか」「まだ言葉より様子を見ていたいタイプか」が見えてきます。
- おもちゃ・絵への反応
待合室や診療室に置いてあるおもちゃ、ポスター、キャラクターのシールなどに目を向けるかどうか。興味を示すものがあれば、それを話題にすることで自然な会話の入り口を作れます。「あ、それ好き?」の一言が、緊張をやわらげる小さなきっかけになります。
特別なことをしているわけではなく、処置を始める前のたった1〜2分、子どもをよく見て、よく聞くだけです。それだけで、「この子は慎重派だな」「好奇心が強そうだな」といったタイプがある程度見えてきます。
最初の見極めを丁寧に行うことで、その後の声かけの一つひとつが的確になり、結果的に処置全体がスムーズに進みます。逆に、この観察を飛ばして「とりあえず優しく」だけで進めてしまうと、その子に合わない対応を続けてしまい、子どもの不安をかえって長引かせることになります。
子どものタイプを掴めないなら、とにかくゆっくり!
どんなに丁寧に観察しても、タイプが読み切れない子は必ずいます。
- 表情が薄くて感情が見えにくい子
- 初めての場所で固まってしまっている子
- 機嫌が良いのか悪いのか判断がつかない子
こういうケースは現場で頻繁に起こります。
そんなときに大事なのは、「わからないなら、わかるまで待つ」ではなく「とにかくゆっくり進める」という選択です。タイプの見極めに時間をかけすぎるより、スローペースという「どんな子にも効く対応」を先に取り入れる方が、結果的にうまくいきます。
動きをゆっくりにする
椅子を倒すときも、器具を持つときも、いつもより一段階遅いスピードで動くこと。
急な動きは、子どもにとって最も警戒心を引き上げる要素です。動作を意識的にスローダウンするだけで、子どもが体の緊張をゆるめる瞬間がよくあります。
話すスピードを落とす
「では、お口を、開けて、もらえるかな?」というくらい、一語一語に間を持たせること。大人からすると大袈裟すぎるくらいで、ちょうど良いです。
早口は焦りや緊張を伝えてしまいます。ゆっくり話すことは、それ自体が「急いでいませんよ」というメッセージになります。
器具を見せる時間を長めに取る
器具は必ず先に見せて、手の甲など見える場所で感触を体験させてから使いましょう。
「これ、見てみる?触ってみてもいいよ」と、すぐに使わずしばらく持たせてみるとか!
タイプが分からない子に対しては特に、器具との「顔合わせ」の時間を普段より長く取ることが効果的です。慣れるまでの時間を惜しまないことが、その後のスムーズな進行につながります。
進めるかどうかの判断もゆっくり
「次行ってもいいかな?」と一段階ごとに確認しながら進めること。
タイプが見えない子には、こちらの判断だけで先に進めず、その都度子どもの反応を確認するステップを増やすことも重要です。
覚えておいてほしいのは、「ゆっくり」は時間を無駄にする対応ではなく、結果的に一番早く終わる対応だということです。
タイプの分からない子に焦って早く進めようとすると、途中で泣き出したり拒否が始まったりして、最初からやり直すことになりがちです。
逆に最初からスローペースを選んでおけば、子どもも次第に落ち着き、結果的に処置がスムーズに進むケースが多くあります。「分からないときは、急がない」これを覚えておくだけで、対応の安定感が大きく変わります。
できそうだからと、約束以上のことはしない!
「今日は1本だけ見るね」と約束したのに、子どもが思った以上に落ち着いていたので、「あ、これならいけそう」と判断して「じゃあもう1本も見ちゃおうか〜」と進めてしまうこと、ありませんか?
これ、現場では本当によくあるパターンです。
子どもの様子が良いと、つい「今日のうちに進めておきたい」という気持ちが働きます。時間の都合、次回の予約の取りづらさ、親御さんの「できるなら今日お願いします」という一言など、色々な理由が重なって、約束を少し超えて進めたくなる場面は必ず出てきます。
でも、ここはどんなに状況が良くても絶対に超えてはいけないラインです。
子どもは大人と違って、「言われたこと」をそのまま事実として受け取ります。「今日は1本だけ」と言われたら、その子の中では「今日は1本だけ」が確定した約束になっています。たとえ機嫌が良くても、約束の範囲を超えられた瞬間、その子の中では次のような変化が起きます。
「言われたことと違うことをされた」
「この人は、言ったことを守らない人なんだ」
この感覚は、その日だけの問題では終わりません。次回以降、すべての声かけに対して「本当にこれだけ?」「またウソかも」という疑いがベースになってしまうのです。一度ここが崩れると、信頼関係を取り戻すまでにかなりの時間がかかります。
だからこそ、「子どもとの約束」は小さなことでも絶対に守らないといけないんです。
「今日できそう」を見つけたときの正しい対応とは
子どもの様子が良くて「もう少し進められそう」と感じたときは、約束を変更せずに、このように対応しましょう。
子どもに→「今日はここまでね、よく頑張ったね。上手にできていたよ!」
診療後、親御さんに→「今日はとても落ち着いて頑張ってくれたので、次回はもう少し進められそうです」
その日の「できそう」は、その場で消化せず、次回への材料として持ち帰るのが正解です。子どもにとっては「約束を守ってもらえた」「上手にできた」という成功体験になり、親御さんにとっては「次はスムーズに進みそう」という見通しになります。
今日1本多く見られることと、次回以降「この人の言うことなら信じられる」と思ってもらえることを比べたら、後者の方が圧倒的に価値があります。信頼は、一度の診療で積めるものではなく、約束を守り続けることでしか積み重なりません。
「できそうだから」は、子どもの対応において最も気をつけたい誘惑のひとつです。目の前の少しの前進より、約束を守りきって、信頼を積み重ねることを常に優先してください。
親だけでなく子どもにもちゃんと話す
「お母さん、虫歯が1本あるので、次回は治療になります」(子どもには一切話さない)診療後の説明も親御さんとだけ目を合わせて話し、子どもはただ椅子に座って聞いているだけ…
みたいな状況に心当たりありませんか?これ、悪気がなくても本当によく起きます。
説明は情報量が多く、内容も専門的になりやすいので、つい「理解してもらいやすい親御さんに話す」方が効率的に感じてしまうのです。
でも、この対応を続けていると、子どもは大事な場面でずっと「自分には関係のない会話」を聞かされることになります。
子どもが置き去りにされると、何が起きるかというと、、、「自分の口の中の話をされているのに、自分には何も聞かれない、何も説明されない」子どもにとってこれは、想像以上に大きな疎外感です。「自分のことなのに…」という状態が続くと、診療そのものへの安心感が育ちません。次回以降「また知らないことをされるかもしれない」という不安にもつながっていきます。
説明を子ども向けに言い換えるのは、思っているよりシンプルです。
- むし歯の説明
(親に)「奥歯にむし歯が1本あります」
(子どもに)「ここにバイキンさんがいるから、今度ちょっとやっつけようね」
- 今日やったことの説明
(親に)「歯石除去と歯面清掃を行いました」
(子どもに)「今日は歯医者さんでピカピカのお掃除したよ、頑張ったね」
- 次回の予告
(親に)「次回は局所麻酔下での処置になります」
(子どもに)「次は、ねんねの薬を少し使って、もっと楽な感じでできるからね」
このように、親への説明とは別に、子ども専用の言葉で同じ内容を伝え直すことがポイントです。難しい専門用語を子ども向けに変換するだけでなく、声のトーンや表情も切り替えて、「あなたにも話しているよ」という姿勢を見せることが大切です。
子どもに直接話しかけると、その場の反応がすぐに変わります。うなずいたり、表情がやわらいだり、時には「うん、頑張る」と自分から言葉を返してくれることもあります。これは、子どもが「会話の相手」として扱われた実感を持てたことの表れです。
たとえ短い一言でも子ども本人に向けて話すことで、子どもは「自分も診療に参加している」という感覚を持てるようになります。
この積み重ねが、次回の診療への安心感につながり、結果的に親御さんからの信頼も得やすくなります。親への説明と、子どもへの説明は、常にセットで行うことを基本として意識してみてください。
5つの基本に加えて、もう一つ知っておいてほしいのが非言語コミュニケーションです。これは、表情、声のトーン、距離感、動作のスピードなど、「言葉以外」の部分で伝わる情報のことです。
特に幼い子どもは、言葉の意味を完全に理解する力がまだ発達途中。だからこそ、「何を言うか」より「どんな様子でいるか」の方が、圧倒的に強く伝わります。
むしろ、言葉でのコミュニケーションがまだ発達していない分、子どもは非言語の情報を読み取る感覚が、大人よりも鋭いとさえ言えます。
診療室に入ったその瞬間から、すでにコミュニケーションは始まっています。「これから話そう」ではなく、声をかける前から、表情や姿勢、距離感のすべてが伝わっているという意識を持つことが大切です。
どんなに丁寧な言葉を用意しても、表情がこわばっていたり、動きが速かったりすれば、その不一致は子どもに必ず伝わります。逆に、言葉が少なくても、表情・声・姿勢・動きが一致していれば、子どもは安心して身を委ねてくれます。
「何を話すか」を考える前に、「どんな自分でそこにいるか」を意識することが、小児対応における非言語コミュニケーションの本質です。
子どもを好きにならなくていいので、興味を持つこと!
「子どもが好きじゃないと小児対応はできない」と思っている歯科衛生士さんは、実はとても多いです。私自身も、そう思い込んでいた時期がありました。でも、現場で何人もの子どもと向き合ってきて、今は違う考えに変わっています。
必要なのは、好きという感情ではなく、「この子は今、何を感じているんだろう」と興味を持つことです。
- 泣いている子を見たとき、「うわ、泣かれた、どうしよう」と思うか、「何が嫌だったんだろう、何が怖かったんだろう」と思うか
- 口を開けてくれない子を見たとき、「困った子だな」と感じるか、「この子は今どこまでなら頑張れるんだろう」と考えるか
この一瞬の捉え方の違いが、対応のすべてを変えます。
子どもへの「好き」という感情は、あってもなくても構いません。でも、興味を持つことは、誰にでもできることです。そしてその興味こそが、観察を生み、観察が適切な対応を生み、適切な対応が子どもの安心感を生みます。
私がこの仕事を続けてきて感じるのは、小児対応が上手い歯科衛生士さんに共通しているのは「子ども好きかどうか」ではなく、「子どもという一人の人間を、ちゃんと見ようとしているかどうか」だということです。
子どもは、年齢が低くても、ちゃんと感じて、ちゃんと考えています。怖いものは怖いし、嫌なことは嫌だし、頑張れたときはうれしいと感じています。その当たり前のことに、どれだけ丁寧に向き合えるかが小児対応の本質だと、私は思っています。
子どもを好きにならなくていい。ただ、目の前にいるその子に、少しだけ興味を持ってみてください。それだけで、きっと対応は変わっていきます。
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