こんにちは!D.HIT取締役のツメツメこと坂詰浩子です。今回お話を伺ったのは、10年の臨床経験を持つ歯科衛生士の田部麻結さん。人間関係の悩みから一般職への転職も考えた彼女が、フリーランスという新しい道を選んで見つけた、自分らしい働き方についてお話を伺いました。組織での働きづらさを感じていた彼女が、どのように新しいキャリアを築いていったのか、その軌跡をお届けします。
ーよろしくお願いします!まずは簡単な自己紹介と、歯科衛生士になった理由を教えてください。
はい、田部麻結と申します。熊本県の出身で、今は東京に住んでいます。歯科衛生士歴は10年目です。
歯科衛生士になった理由は、とにかく資格が欲しかったというのが一番です。手に職というか、やっぱり資格があると将来安心だろうなっていうイメージだったので。
ー実際に歯科衛生士になってみてどうでしたか?
ひたすら後悔しました。臨床という場が嫌だったので…。だから歯科医院ではなく、歯科衛生士の資格を活かして企業とかに就職すればよかったかなと思っていました。普通の企業勤めの会社員が羨ましかったです。
ーなるほど…これまではずっと一般歯科だったんですか?
そうですね。一般歯科で9年間、ずっと常勤で働いていました。実はこのあいだに5回転職しているんですけど、3年続いたところがないっていうのがずっとコンプレックスでした。
ー歯科衛生士って転職する人はすごく多いと思うんですけど、どういうところにコンプレックスを感じていたんですか?
たしかに、私の周りでも転職する衛生士は多かったです。でもやっぱり、3年は続けないと忍耐がないとか、我慢強くないとかってあるじゃないですか。周りから、とりあえず3年は続けたら?みたいに言われることも多く、それができない自分はダメな人間なんじゃないかっていうコンプレックスをずっと感じていました。
ーなんで長く続かないかって、自分ではわかっていたんですか?
私は狭い人間関係の中で働くということが、何よりもストレスに感じていたんですよね。なので実は新人のころから、私歯科衛生士向いてないな~って感じてたんですけど…。
特に院長との関わり方というのが、すごく私にとっては苦手で、萎縮してしまったり、顔色を伺うことが多くて…眠れなくなった時期もあったんです。
ありがたいことに私はスタッフにはいつも恵まれていたんですけど、でも私は1人で黙々と作業をしたりとか、自分のペースでやりたいように仕事をするということが好きだったので、組織の中で働くということに対して、ずっとジレンマみたいなものは感じてたなぁって思います。
ーたぶん、同じように人間関係で、それがスタッフなのか先生なのかは人それぞれだと思いますけど、歯科医院って個人で開業されている先生が多いので、やっぱり大規模な組織じゃないからこそ、どうしても人間関係の距離感が近くなるので、そこで悩む方は多いですよね。
そうですね。まさにその距離感というところは結構悩んでたなって思います。
ー狭い人間関係でストレスを感じて、長く続かないと悩んでいたというところで、フリーランスになろうと思ったんですか?
歯科衛生士でいることに限界を感じたときに、実は最初、歯科以外のお仕事、一般職に転職しようと思って、転職エージェントに登録したりして、履歴書を提出しようかってところまでやってたんですよ。
でもやっぱり他の仕事ってまったく経験のないことだし、一般的なマナーみたいなところもやってきていなかったので、そういうところはすごく不安が大きかったのと、やっぱりお給料がかなり下がってしまう…結構もう絶望的だったんですよね。
そのときにD.HITの広告をたまたま見つけたんです。在宅ワークには興味あったけど、私はパソコンのスキルはなくて、でも広告の中でパソコンを使って在宅のお仕事をしている衛生士さんの画像を見て、あ!これすごい興味ある!って思ったのがきっかけだったと思います。
ー歯科衛生士がパソコンを使って仕事をしてるって、なかなか見ない風景ですよね。
そうですね。でも私自身パソコンも持ってなかったですし、これまで触り慣れてもなかったので、不安は大きかったですね。そもそも歯科衛生士で在宅ワークって何するんだろう?みたいな、何もわからない状態だったので。
なので勇気を出してD.HITの無料相談を受けたんですけど、「あっそうやってお仕事できるんだ!」って感じでした。私でもできそう!って。
ーじゃあ、フリーランスになるためのハードルは低かったですか?
私が転職を繰り返していたというのもありますし、そもそも在宅でスキマ時間で始められることだったので、思っていたよりすごくハードルは低かったです。
ー今はいろいろと活動されていると思いますが、何のお仕事をメインに取り組まれているんですか?
私はずっと在宅ワークがしたかったので、採用支援とSNS運用という、在宅でできるお仕事を主にしています。あとは、週1~2回スポット勤務で臨床をゆるく続けさせてもらっています。
ーその臨床はイヤイヤではなく?
そうですね。以前はやっぱり毎朝仕事に行くということがすごく悩みで、モチベーションが下がったりしていたんですけど、フリーランスになってからは歯科医院に雇われる立場ではなくなったので、その職場に対しての悩みもなく、行くことに全然ストレスを感じずに働けています。
前は、家に帰ってから家族に愚痴とか言っちゃったりして…今日こんなことがあって〜みたいな愚痴が止まらなくて、そんな自分に対しても嫌悪感を抱いたりすることがあって。でも今はまったくそういうことがなくなったので、すごく変わったと思います。
ーさきほど採用支援とSNS運用というお話がありましたが、たぶん知らない人も多いと思うので、具体的にどんなお仕事か教えていただいても良いですか?
採用支援は、歯科衛生士を採用したい歯科医院をサポートするお仕事です。今って歯科衛生士の求人倍率が23.3倍とかで、業界全体でまったく歯科衛生士が足りていないんですよね。だから歯科医院は常に人手不足という状況で、でも院長先生は忙しいのでなかなか採用に力を入れられない、というところをサポートしているイメージです。
人によってやり方は違うと思うんですけど、私の場合は、まずクリニックの悩みを聞いて、先生がどういう人を求めているか、何人欲しいか、みたいなところを深堀りするところから始めます。そうやってクリニックの魅力とか、働く人にとって嬉しいポイントを理解したうえで、求人サイトに掲載をしたり、歯科衛生士にスカウトメールを送ったり、という作業をしています。
ー院長先生にヒアリングするのが大事なんですね。
そうですね。ただ単調に募集するだけじゃなくて、まずはいろいろとお話を聞きます。歯科の現場で働いたことがあるからこそ気づく視点もいっぱいあると思うので、そこらへんをちゃんと聞いて、働く人がイメージ湧くような文章を作っています。
なので、テンプレートでみんなに同じように送ってるような文章ではなくて、この人はちゃんと私を見て私だからこそ送ってくれたんだなって思ってくれるような文章を心がけています。
あとこれも私のやり方なんですけど、私は応募してくれた人に対して、必ずオンライン通話でお話するようにしています。
ーすごい、それって応募が来たら毎回やるんですか?
毎回やります。いきなりクリニックに来ても、あっちょっと違ったなとか、その情報知ってたら来なかったなっていうことも、どうしてもあると思うので、お互いに時間のロスがないようにするためにも、最初に私がご挨拶してから先生のもとに送り届けるということをやっています。
ーSNS運用は、どういうことをされるんですか?
私がやっているのは、患者さんに見てもらうためのクリニックのアカウントの運用です。その医院の魅力を伝えたり、患者さんってやっぱり歯科医院を選ぶときに安心感があるかどうかってところが大事だと思うので、その安心感につながるようなことを発信するということをやっています。
ー今までそういったSNSのお仕事をしたり、プライベートで投稿したり、何かされてたんですか?
お仕事としては初めてで、プライベートでいうと、ちょっとした日記感覚というか、そんなに力を入れずに投稿したりするぐらいでした。なので、そういう編集技術とかはまったくないので、仕事にするっていう考えもまったくなかったですね。
ーじゃあ、別に未経験とか、普段そんなに触ってない人でも、やろうと思えば仕事にできちゃうわけですね。
できると思います!私は今でこそ編集するためのアプリとかツールは使ってるんですけど、もちろん最初は慣れるまでいろいろ触ったりとか、わからないこともいっぱいあったんですけど、そんなにすごい難しいものは全然なかったので、初めてっていう方でも全然できると思います。
ーそうやって実際に新しい仕事に取り組んでみて、何か心境の変化はありますか?
やっぱり、悩みのタネとして一番大きかった週5の勤務が週1~2回になったので、そのストレスが解消されたのがすごく大きかったです。
あとは、自分のペースで自分の思うように仕事ができるっていうところですね。私にとって、家族と過ごす時間ってすごく大切なんですけど、遠く離れた実家に帰ることもハードルが下がったし、家族と休日を合わせて旅行に行く回数も増えたのが一番嬉しいです。
ー今のお話を聞くと本当に良いことばっかりってわかるかなと思うんですけど、逆にちょっとここは大変だなって思うことはありますか?
自分で考えなきゃいけないっていうところが、良くも悪くもって感じです。休みの日でも、いろいろこうしなきゃとか、今日はこれをやらなきゃとか、ずっと頭の中をぐるぐる回ったりっていうのは正直あります。でもこれは自分がやりたいことなので全然苦じゃないですし、正社員のときは嫌なことばかりが頭の中ぐるぐるだったので、それと比べると本当にストレスはないです。
ーフリーランスのお仕事であればみんなそうですけど、特に在宅を中心にお仕事をしてると、オンとオフの境目がなくなっちゃったり、そのバランスとかもありますよね。
オンとオフの切り替えは、常に意識はしています。でもやっぱり、特に在宅だとメールとかもすぐ返せちゃう状況だったりするので、私の場合本当に夜中でも返信しないと気が済まないタイプなんで、いつでも返すんですけど…家族に「あれ?まだ仕事の連絡取ってるの?」って言われることもあります。
別に今すぐじゃなくても良い件だったとしても、まぁ別に今返そうと思えば返せるし、忘れないうちに返しておきたいって思うと、もうやっちゃいますね。
でもこういう良し悪しって正社員でもあると思いますし、私にとってはやっぱり良いことのほうが大きいので、やってよかったなって思っています。
ー仕事の案件を取ってくるのも、苦労される方も多いと思いますが、どうでしたか?
大変でした(笑)。私の場合、院長に対する意識を変えるというのがすごく大変で、どうしても過去の経験にとらわれすぎて、院長=怖いみたいなイメージがなかなか払拭できなかったんです。
でも行動していくと強制的に院長と話す機会が増えたので、その中で心から尊敬できる院長とか、本当に優しい院長と出会えて、少しずつ院長に対するブロックは無くすことができました。
ーでも、すごい。本来は、ブロックを外してから営業に向かうと思うんですけど、院長に対するブロックが外れないままで、田部さんはたぶん怖いとか不安とかを感じながらも行動し続けたっていうのは、本当にすごいことだと思います。
D.HITでマインドについて教えてもらって、ここは本当にスキルとかよりも一番大事な部分だってわかってましたし、できるならブロックを外した状態で営業活動をしたかったんですけど、私の場合どうしてもそこが難しくて。その状態で院長に会いに行くと、頭の中が真っ白になっちゃったり、っていう時期もあったんです。でもやっぱりここで頑張らないと何のためにやってるんだろうって、このままずっと逃げ続けたら何も変わらないって、そういう思いがあったので、もう本当にここは頑張って突破するしかない!っていう思いだけで毎回やってました。
でもやっぱり回数を重ねていくほど、院長とお話するのも慣れてきましたし、「応援してるよ」とか「頑張ってね」みたいな言葉をかけてくださる先生とも会うことができたので、そうやって少しずつ院長に対するブロックが外れていきました。
ーじゃあ今ではもうストレスなく、良い働き方ができているということですか?
本当にそうです。もちろん、その営業のやり方を教えてもらえたとか、フリーランスをやっていくうえでいろんなことを教えてもらえたというのもあるんですけど、何より思考の変換を身につけることができたのが、私にとっては一生の財産になったなと思っています。
私はもともとネガティブ思考で、何か失敗するとひどく落ち込む性格だったんですけど、今は失敗しても、「その経験のおかげで次もっと良くなるから、今それを経験できて逆に良かったな」って一瞬で切り替えできるようになって、仕事だけじゃなくて私生活でも本当に役に立っています。
ー素晴らしいです。ちなみに、今はどのようなスケジュールで働かれているんですか?
日によってかなりバラバラなんですが…
7:30:起床
8:00:仕事開始
昼食はバラバラ
18:30:夕飯作って食事
20:00:仕事、テレビや読書など自由時間
という感じです。移動時間がないので、自分の好きなように調整して、ストレスなくお仕事しています。ただ、今はちょっと勉強したいことが多かったり、ありがたいことにお仕事をたくさんいただけているので、毎日バタバタしてます。
ーフリーランスって自分でお仕事調整できて自由だーなんて言いますけど、実際やってると忙しくなっちゃいますよね。今後、何か目指していることってありますか?
正社員時代の2倍の月収は叶えられたので、次は3倍が目標です!あと、私が稼いだお金で家族を海外旅行に連れて行ってあげたいです!
いずれ子どもができたときに、仕事を楽しんでいてキラキラしたママになっていたいなと思ってます!
ーキラキラした、素敵なママになれると思います!!今日はありがとうございました!
ありがとうございました!